《Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~》アリサ先生ご機嫌。

アルスの知識が通じない話。

まぁ、俺の中に融合したアルスの知識なんて引きこもりだったこともあり大して役に立たない。

それでも、俺は彼が言った浮気という言葉を考える。

5歳までしか人生経験がない役に立たないアルスであったとしても、俺には、ライトノベルという伝家の寶刀で得た膨大な知識がある。

47年イコール彼が居ない歴だった俺でも、得た知識にはしくらい偏りはあるかも知れないが、多くの英知が蓄えられたインターネットを見続けてきた俺だからこそ! 分かることだってあるのではないだろか?

そう! 俺は、20歳にも満たない姿をしたの子でもあるアリサ先生よりも倍以上は、人生経験があるのだ。

その俺が答えられない答えなどない!

――否!

答えられない答えがあってはならない!

俺は年長者であるプライドをかけて頭の中で、高速演算を行う。

それは、まさしくガダルカナルにおける日本海軍総指揮のごとく、窮地に建たされた男としてだ!

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ギャルゲーから始まり、多くのヒロインが出てくるゲームやストーリー展開、そして、エロゲーや、ちょろインと呼ばれるヒロインまで、全て網羅し考えていく。

そして、それらの考察――。

つまり俺様計算式に3次元のリアルを代して計算を行う。

どういう意味で! どういう理由で! 彼は浮気という言葉を使ったのか? 語ったのか? という難解極まりない答えを手探りで慎重に考えていく。

もし、間違えた答えを出したのなら、俺にとっても彼にとっても致命的な問題になることは分かる。

俺は長い長考の末に答えを出す!

そう! それは……まるで、將棋タイトルで7冠を持った名人のように――。

「わかりました! 僕は、浮気は絶対にしません!」

俺の導きだした神の一手。

それは、流派を鞍替えするようなダメな弟子にはならないこと。

も自分が魔法を教える以上、変な癖を付けられては困るからこそ、釘を刺してきたのだろう。

まさしく、勝利の神が俺に微笑んできたかのようだ。

の嬉しそうな表を見るだけで分かる。

俺の答えに間違いはなかったということが……。

前世での人生経験47年間。

そう……、その経験が正しい答えを導き出したのだった。

俺は、安堵しつつも考えていた。

それは、思考中に一つ思ったこと。

もしかしたら……彼は、俺のことを好きになってしまったという仮定であった。

ただ……それは、すぐにありえないと看破した。

それは論理的思考でありロジックである。

さすがに5歳の子供相手を好きになることはないという至極全うな答えだ。

そして、そこから導き出される答えから浮気はダメだと言うダメな大人がいるとも思えない。

ただ――。

一つ問題なのは、人まで魔法を教えてもらう事を待たされるということだ。

まぁ、魔法を教えに來たエキスパートなのだから何か考えがあるのだろう。

「……わかったわ。…………ア、アルスの気持ちは痛いほど伝わってきたわ。すごく嬉しい……。私、こんなに風に誰かに求められたことがなかったから……」

「――そうなのですか? 僕は、アリサ先生を可いと思ったのは、本當のことです! それに浮気も絶対にしません! 命を掛けてもいいです!」

「い、命を掛けて!?」

「そ、そこまで……。私なんかのことを……」

しばかり、彼の流派を変えるな! と言う言葉に対して、俺は、過剰に対応しすぎてしまったのだろうか?

いや、これからの修行を考えると自分自の意思を彼に対して、きちんと伝えることは、とても重要なことだ。

俺の社會人としての人生経験を含めた47年間の知識が、彼に伝えた言葉は全て! 間違っていないと言っている!

「わかったわ。しだけ考えさせてもらっていいかしら?」

「もちろんです!」

師匠としても弟子の覚悟をけ止める時間は必要なのだろう。

そして、その時間を待つというのも年長者のというものだ。

「――う。うん……、私、アルスのことを……そんな風に見ていなかったから。初めて會ったときは、し可い子かなってくらいにしか……」

「そうですか……」

俺、しだけ落ち込んだ聲でアリサ先生の言葉に答える。

アリサ先生からしたら、目の前で熊が息絶えたくらいで、吐くような無しは教えるに価しないと思っていたのだろう。

なるほど……ようやく理解した!

つまり、今までの全ての掛け合いは、俺の覚悟を試すための布石だったということだ。

そして、「しだけ考えさせてもらってもいい?」と聞いてきたということは、魔法を教えてもいいかもしれないと思ったのかもしれない。

「落ち込まないで! 私も勘違いしていたから……。それに魔法師って周辺からは魔法が使えるから魔族と同じように見てくる人もいるから……、だから怖がられてしまったのかなって……」

「――え? そうなのですか?」

そんな話は、初めてきいた。

この國の魔法師は手厚く保護されていて國も育に力をれていると聞いたのだが……。

「ええ――。古い因習を持つ部族の方は特にね……」

なるほど……。

が最初に見せたを表に出さないようにしていた表は、多くの苦労の結果から作られた仮面だったのだろう。

なら、きちんと元気付けておけば、あとあと楽になるな……。

あまり元気付けてスパルタ魔法教育になってしまっても困るから、とりあえず軽く彼を肯定しておこう。

「アリサ先生!」

「――な、なに? どうしたの?」

「これからは、僕が! アリサ先生を守ってみせます!」

「――ッ!?」

俺の言葉にアリサ先生が、頬を赤く染めると、大きな金の瞳に涙を溜めていく。

きっと、いままで誰かに守ってもらうような言葉を掛けられる事はなかったのだろう。

なら、しでも肯定してあげたい。

そして彼には元気になってもらった方がいい!

もしかしたら、人まで待たされそうな魔法の修行を早めてもらえるかもしれないからだ。

「……でも……私……」

やれやれ――。

これだけ彼を元気付けようとしているのに、まだ俺の言葉が彼の心には屆いていないらしい。

ここはし、荒療治をする必要があるな。

「アリサ先生――、いやアリサ! 僕は、たとえ世界中が君を否定しても僕だけは最後の一人になっても君を守ってみせる! だから!」

「わかったから! もう、わかったから! もう、そんな言葉を誰に習ったのよ……」

アリサ先生は涙を流しながら、俺に対して抱き著いてくる。

ただ、長差があるため、自然と彼に顔を埋める形になってしまう。

「アルス、私も貴方の決意を忘れないわ。そうね……、修行は明日からでいいかしら? さすがに、こんな気持ちのまま、貴方に魔法を教えることなんて出來ないわ」

「分かりました。僕は、アリサのことを待っていますから!」

俺の言葉にアリサ先生は、雪解けの中に咲く花のように綺麗に笑う。

そのアリサ先生の表は、とても魅力的だった。

俺が、子供や生徒でなかったら一発でに落ちてしまうほどの破壊力!

は、俺の額に接吻してくると「これは誓いだからね。絶対に約束を違えたらダメよ?」と語りかけてきた。

そのあと、俺とアリサ先生は、川べりに二人で座って時間を費やしていた。

すぐに家に戻ると両親に不審がられるかも知れないから。

たまには魅力的なと二人で時間経過を楽しむのも悪くはない。

ただ、し気になった點がある。

それは――、アリサ先生が後ろから俺に抱きついて膝の上に乗せたまま嬉しそうに歌を歌っていたということだ。

まぁ、彼のやる気が上がったのなら、歓迎することなのだろう。

それに、明日から魔法も教えてもらえることになったからな。

全ては俺の作戦どおり!

話は、上手く転がってくれたと見て間違いないだろう。

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