《Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~》決戦への布石(10)
「何でしょうか?」
あまりにも急な頼みという言葉に俺は呆れてしまう。
もうし時間を取ってから、願いを提案してきてもいいのにと考えてしまうが――。
「じつはな、私には孫娘がいるのだが――」
「……孫娘ということは――、アルセス辺境伯の領地を継がれる方ということですか?」
「爵位は男しか継ぐことが出來ない。これは、この國が出來てからの慣わしだ」
「そうでしたか……」
てっきり帝か王に即位した王などがいると思っていたが、そうではないようだな。
つまり男系のみが王位や爵位を継ぐという形を取っていることになるのか。
「それで、僕にどのような?」
「うむ、じつは庶腹の娘になるのだが、どうであろうか?」
「――それは……」
アルセス辺境伯の言葉に俺は口を噤む。
流れからして、アルセス辺境伯は庶腹の娘である子を俺の婚約者にしたいと言ってきているのが分かる。
それよりも、どうしてこのタイミングで俺に提案してきたかだが――。
「それで、フィーナの柄を――、安全を確保してやるという換條件ですか?」
「それもあるが……。アルスよ、お前は自分の命を軽んじているのが分かっておったからな。そのような者に大事な孫娘であるアリーナを嫁がせる訳にはいかないからな」
「……なるほど」
つまり、俺がフィーナに固執していることを知って、それなら安易に命を捨てるようなことはしないと確信した上で提案してきたと言ったところか?
それにしても、そんな大事なことを即斷できるのは……。
――いや、そうじゃないな……。
「アルセス辺境伯様、その話はアルセス辺境伯領の首都アルセイドを出てからお父さんに話をしていましたね?」
「どうして、そう思う?」
「お母さんは、僕をかなり溺しているので……。その僕が婚約者を持つということは、きっと、お母さんは快く思わない。そう考えるのは、とても自然なことです。それをお父さんは理解していたからこそ、困っていたのではないのかと――」
「よく見ておるな」
俺の説明に満足そうにアルセス辺境伯は頷く。
「それで、どうだろうか?」
「どうだろうか? と言われましても――。確定ですよね?」
「そうであるな。一応、アドリアンの許可も取っている」
「そうですか……」
俺はアルセス辺境伯の言葉に頷きながらも心溜息をついた。
父親もアルセス辺境伯も、俺の母親を一つだけ誤解している節がある。
それは、俺の母親は俺を溺していると同時に領民のことに関して真剣に考えているということを彼らは知らない。
つまり、領地のためになるなら余程酷いが來ない限り婚約に関しては、間違いなく許可を出すということだ。
「分かりました。ですが――」
「わかっておる。孫娘アリーナは正妻と言うことにしてくれれば、側室には関しては私からは何も言わない」
別に、フィーナとはそういう関係ではない。
そもそも、俺の知っているフィーナと、いまのフィーナが同一人なのかすら俺には判斷が出來ない。
それに――。
本當に同じ時間軸に俺は死に戻りしているかすら分からない。
それでも、現狀ではフィーナの立場が悪くなるのは避けなくてはならないし、貴族同士の結婚というのは基本、親が決めるというのは多くの小説やドラマを見て知っている。
「分かりました。一度、アリーナ様とお會いしたいと思うのですが年齢はいくつくらいなので?」
「アリーナは、今年で6歳になる。アルス、お主が12歳になった時にアルセイドへ招待するから、そのときに顔合わせをするとしよう」
アルセス辺境伯の提案に俺は頷くことしか出來なかった。
若干5歳にして婚約者が決まるとは……、また面倒なことになったものだ。
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