《Re:現代知識チートの領地運営~辺境騎士爵の子供に転生しました~》記憶の対価(3)
「どうかしたの? そんなに慌てて――」
俺の様子がおかしいことに彼は――、アリサは気がついたのだろう。
心配そうな表をして俺に尋ねてきた。
「――いえ、なんでもないです。それよりも、魔王城の方は何か分かったんですか?」
「それがね、帝政國で使われている文字に似ているのは分かったのだけど期限に読み解くのは無理そうなのよね」
「帝政國?」
「――ええ、私達の住まうアガルタの世界に存在する大陸ローレンシア。その東北に位置する大國なのよね。たぶんだけど、帝政國で古代に使われていた文字だと思うのよね」
「……名前だけはお父さんとお母さんは読んでいましたけど?」
「そりゃ封印に攜わった2人の名前は有名だもの」
「そんなに有名なのですか?」
引き継いだアルスの記憶が不完全な影響で、この世界の常識が殆ど分からない。
おかげで有名だと言われても分からないのだ。
「まず、シャルロット・ド・クレベルトだけどね。リメイラール教會の聖書には初代リメイラール教會の聖にして歴代最強の魔法師と書かれているの」
Advertisement
「聖ですか……」
俺は、アリサの言葉に心首を傾げる。
この世界の宗教団がどういう扱いかは知らないが、聖書に書かれている偉人と言うことは、教會関係者なのだろう。
その者が何をしたのか俺には分からないが――。
「その表を見る限り知らないみたいね?」
「そうですね。僕は基本的に無宗教ですので――、それに……、そういう初代とか最強とか、時の権力者が自分達の力を誇示するために飾り立てすることが往々にしてありますから――」
「無宗教――? 無宗教って何?」
「神を信じない人ってことでしょうか? もしくは霊信仰とか――」
「神を信じない? 実際、奇跡の……、怪我を治す魔法が使える神もいるのよ? 神様を信じないというのは、私には理解できないわ」
「――でしょうね」
俺はアリサの言葉に肩を竦めながら答える。
そもそも、この世界は魔法という超常現象が存在する世界であって――、地球みたく魔法が存在しない世界ではない。
魔法が存在する世界だからこそ神という神的な存在が近にじられるのだろう。
だからこそ、神という存在を信じないという選択肢は存在しないのだろうな。
――それに……、もし、その神様っていうのが存在していたら……。
俺は、何故? こんな境遇に合わせたのかと問い詰める。
「それにしても、霊信仰なんてアルス君は、ずいぶんと難しいことを知っているのね?」
「そうですか?」
アリサは、俺の言葉に頷くと、俺の頭の上に手を置いてでてくる。
「霊信仰は、全ての質に神様が宿ると言われていた神代文明時代に信仰されていたものなのよ?」
「――神代文明?」
「ええ、1萬年以上前に存在していた文明のことを、そう言っているのよね」
「……一萬年前?」
彼の言葉に一瞬だが引っかかりを覚えた。
何かを忘れているような気がするのだ。
大切な何かを――。
「アルス君? 大丈夫?」
彼――、アリサの言葉に俺はハッとする。
周囲を見渡しても、あの時の景は存在してなくて――、あの時? 俺は何を……、言って――。
「アルス君?」
「大丈夫です……」
「それよりも、アルセス辺境伯軍の魔法師団の団長がこんなところに來ていてもいいんですか?」
「大丈夫よ、だってアルセス辺境伯様からの命令だから」
「アルセス辺境伯様からの?」
「そう――、投石って言ったかしら? あれを設置したいのだけども森の中を自由に歩けるのはアルス君だけみたいだから」
「それは、どういう――」
「ハッキリとは分からないんだけどね、以前に魔王城まで誰も辿り著けなかったでしょう?」
「……そういえば――」
彼の言葉に俺は納得する。
以前にも、俺以外の人間が魔王城に向かったが、その都度、森の外に出てきたということがあった。
それと同じことが、魔王城が存在する森の周辺では起きているのだろう。
「それで、アルセス辺境伯様からアルス君への命令なのよね」
「つまり投石の設置場所まで、資輸送兵を連れていけばいいということですか?」
「そうなるわね」
彼の言葉に俺は首肯する。
別に一人何もしていないと余計なことを考えてしまう。
それなら、しでもをかしておいたほうがいいだろう。
「分かりました。それでは――」
「そうそう、アルス君のサポートをしてくれるのは可らしいの子よ?」
「――ッ!」
彼の言葉に、自然の自分の顔が強張るのが分かった。
【書籍発売中】【完結】生贄第二皇女の困惑〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜
【書籍版】2巻11月16日発売中! 7月15日アース・スターノベル様より発売中! ※WEB版と書籍版では內容に相違があります(加筆修正しております)。大筋は同じですので、WEB版と書籍版のどちらも楽しんでいただけると幸いです。 クレア・フェイトナム第二皇女は、愛想が無く、知恵者ではあるが要領の悪い姫だ。 先般の戦で負けたばかりの敗戦國の姫であり、今まさに敵國であるバラトニア王國に輿入れしている所だ。 これは政略結婚であり、人質であり、生贄でもある。嫁いですぐに殺されても仕方がない、と生きるのを諦めながら隣國に嫁ぐ。姉も妹も器量も愛想も要領もいい、自分が嫁がされるのは分かっていたことだ。 しかし、待っていたのは予想外の反応で……? 「よくきてくれたね! これからはここが君の國で君の家だ。欲しいものがあったら何でも言ってくれ」 アグリア王太子はもちろん、使用人から官僚から國王陛下に至るまで、大歓迎をされて戸惑うクレア。 クレアはバラトニア王國ではこう呼ばれていた。——生ける知識の人、と。 ※【書籍化】決定しました!ありがとうございます!(2/19) ※日間総合1位ありがとうございます!(12/30) ※アルファポリス様HOT1位ありがとうございます!(12/22 21:00) ※感想の取り扱いについては活動報告を參照してください。 ※カクヨム様でも連載しています。 ※アルファポリス様でも別名義で掲載していました。
8 73【書籍化決定】美少女にTS転生したから大女優を目指す!
『HJ小説大賞2021前期』入賞作。 舊題:39歳のおっさんがTS逆行して人生をやり直す話 病に倒れて既に5年以上寢たきりで過ごしている松田圭史、彼は病床でこれまでの人生を後悔と共に振り返っていた。 自分がこうなったのは家族のせいだ、そして女性に生まれていたらもっと楽しい人生が待っていたはずなのに。 そう考えた瞬間、どこからともなく聲が聞こえて松田の意識は闇に飲まれる。 次に目が覚めた瞬間、彼は昔住んでいた懐かしいアパートの一室にいた。その姿を女児の赤ん坊に変えて。 タイトルの先頭に☆が付いている回には、読者の方から頂いた挿絵が掲載されています。不要な方は設定から表示しない様にしてください。 ※殘酷な描寫ありとR15は保険です。 ※月に1回程度の更新を目指します。 ※カクヨムでも連載しています。
8 93【書籍化】物語完結後の世界線で「やっぱり君を聖女にする」と神様から告げられた悪役令嬢の華麗なる大逆転劇
転生も巻き戻りもせずに大逆転を遂げる悪役令嬢の物語。 婚約者だった皇太子とその浮気相手の聖女に斷罪されたイリス・タランチュランは、処刑を目前にして牢獄の中で夢を見た。夢の中でイリスはこの物語の神だと名乗るウサギに出會う。ウサギは聖女であるヒロインへの不満から、イリスに向けて「やっぱり君を聖女にする」と言い出した。目が覚めると、イリスの瞳は聖女の証であるルビー眼に変わっていた。同時刻、神殿の大神官の元には有り得ない衝撃的な神託が下り、知らせを聞いた皇帝は愕然とする。自分を陥れた元婚約者とヒロイン、そしてその周囲の人々へ復讐を誓うイリスは、神に與えられたこの設定を存分に利用するのだった。 ※お陰様で書籍化が決定いたしました。詳細は後日ご報告致します!
8 155夢のまた夢が現実化してチート妖怪になりました。
見捨てられ撃ち殺されてしまった私、 なにがどうだか転生することに! しかも憧れの人とも一緒に!? どうなる!? あるふぁきゅん。の過去が不満な方が出ると思います
8 148地獄流し 〜連鎖の始まり編〜
“復讐”と言う名の”地獄流し”をしていると言われる不思議な少女”復魔 彩” 復讐に必要な道具…それは”憎しみ”と”怨み”と”地獄流し”…彼女に必要なのはこの3點セットのみ。 さあ、次は誰がターゲットかな?
8 189光輝の一等星
100年前の核戦爭により、人類が地下で暮らさなければならなくなった世界。幼くして親をなくした少女、飛鷲涼は七夕の日、琴織聖と名乗る少女と出合い、地下世界の、そして、涼自身の隠された血統の秘密に向き合っていく。涼を結びつける宿命の糸は一體どこに繋がっているのか……? 失うものが多すぎる世界の中で、傷つきながらも明日に向かって輝き続ける少年少女たちの物語。 (注意點)①最新話以外は管理を簡単にするため、まとめているので、1話がかなり長くなっている作品です。長すぎ嫌という人は最新の幕から読んでいただければ良いかと(一応、気を付けて書いていますが、話のなかの用語や狀況が多少わかりにくいかもしれません)。 ②視點の変更が幕によって変わります。 ③幕によりますが、男性視點が出てきます。
8 177