《俺、異世界でS級危険人に認定されました》早速魔王の子供呼ばわりされました 2

あらかたの事は理解をし、ある程度の知識もにつけた。

この世界では、様々な職業があり、村人、剣士、魔法使い、武闘家、狩人、勇者、賢者などがある。勇者は、この世界で認められたものしかなれない。賢者は、魔法使いの上位互換だ。これは、多くを學び、多くを知ることでなれるものだ。ただ、その量が莫大なため、なるのは困難。

職業は、全てが集會場で教えられる。例えば、もし武闘家に向いている質であれば武闘家に。剣士なら剣士に。

ハルは、集會場で適を聞こうとしたが、この力がバレるとまずいため、村人の設定で固定することに決めた。

「元々日本にいた人に會いたいなー。てか、探せばいるんじゃね?」

と口にしてみたものの、それはかなりの力を使うため、やめておくことにする。

「さーてと。今日はもう寢ようかね。明日からは力の制の練習しよ〜っと……」

そして翌日。

「起きてくださーい。もう朝十時ですよー。掃除したいので、一度起きてもらえますかー?」

その聲で目覚め、されるがままに外に出る。

「やべ、かなり寢ちまった。まぁいいか。すぐそこの森へ行くか」

それから三日間、森で力制の練習をした。大分力にも慣れてきて、間違えて町をぶっ飛ばすなんて事は無い。

ただ、し不安もあった。

もし、自分か町に危機が及び、人の前でこの力を行使するとなった時。その時は、素直に周りが信じてくれるのだろうか。そんな懸念があった。

だが、その時はその時だ。と、甘く考えていた。

翌日。

「よし、今日も練習行きましょーかね」

そう言い、再び森へ行こうとすると、一人のが聲をかけてくる。

「ねーねー。お兄さん、いつもこの時間に外に行くけどさー、何してるのー?」

ななな、なんだこの完璧なまでに可すぎるは!? 俺を試してるのか!? クソ! 可すぎる!

「俺はなー、お外で悪者退治してるんだぞー?」

「わるものたいじー?」

「ああ! お外で暴れる危険な奴らを倒してるんだ!」

「ふーん。そうなんだー。今日も行くのー?」

「そうだよ〜」

「私みたーい!」

「まじか」

これはまずい。誰にも見られてないのをいい事に、今までで壊しに壊しまくっていた森を見られる……。サボらず直しておくべきだった!

「あ、いや、今日はやっぱやめるかなー! っていうか、お母さんかお父さんは?」

「はぐれたー」

「まじか」

予定を変更し、この子の親を探すことにした。

全く、最近の大人ときたら。こんなに可い子を迷子にさせるなんて。全くけしからん! おしりペンペンしてやる!!!

數分後。

「あ、パパ!」

「なに! こんな可い子を迷子にさせる親は……」

スキンヘッドにサングラス。黒のタンクトップが今にもはち切れそうなほどの筋。短パンにサンダル。これはあれだ。俗に言うあれだな。うん。

「あ! ママも!」

「なに! どんなママ……」

金髪にサングラス。上下ジャージでサンダル。それにタバコか!? あ、キャンディか。これはあれだな。俗に言うあれだな。うん。

「パパー! ママー!」

「バカ! そんな大聲でんだら!」

がそう呼んだ瞬間。その二人はこちらを即座に向き、肩で風を切りながら歩いてくる。

ひぃーーー! 怖い怖い怖い怖い……。

目の前まで來た二人は、揃ってしゃがみ込み、両手を広げてを待つ。

そこにが走って行き、ハグすると、立ち上がってこちらを睨みつける。

「おい坊主」

「は、ハイィ!」

聲裏返ったァァァ!!

ドスドスと近づいてきて、殘り三十センチ位のところで止まり、サングラスを取る。

やばいやばいやばいやばい、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ……。

「あんがとなっ! いやぁ、正直焦ってたんだよ!! うちの嫁も、あんなに喜んでらァ!」

を両手で持ち、高い高いをしている。

「本當にありがとなっ! あんちゃん名前は?」

「は、ハルです……」

「ハルっちゅうんか! ええ名前だな! またどっかで會ったら聲かけてな! じゃなぁ!!」

一方的に喋り通し、そのままどこかへ行ってしまった。

「はぁー怖かった! チビってないよね……? あれ、なんか冷たいぞ?」

その後、足をブルっブル震わせながら、宿へ帰ったのであった。

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