《俺、異世界でS級危険人に認定されました》早速魔王の子供呼ばわりされました 3

宿で一泊して翌日。ことは起こる。

「なんか今日曇ってるなぁ……でも、なんか雲のってあんなのだっけ? ここの仕様か?」

雲のし黒く、烏の様な生も多く飛んでいる。

空気もなんだかピリピリしている。だが、町の皆の様子は今までと特に変化はない。

「なんでみんな驚かないんだ? これが當たり前なのか?」

そう思ったハルは、外で様子を見に行くことにした。ただその際、何故か周りの皆は、町から出ようとするハルを眺めていた。

なんだこの視線は……? そんなに俺がかかっこいいの?そうかそうか。なら仕方ない。

なぜ外に出たかは、上手くは伝えられない。まぁ言ってみれば、嫌な予がしたってことだ。

森の様子がいつもより騒がしく、見に行ってみる。

暫く森を歩いていると、ある一つのことに気づく。

「何かから逃げるように森の生き達がどこかへ走っていってる……のか?」

まだ確信はない。が、これは絶対に良くないことの前兆だと思い、すぐさま町へ戻る。

町へ戻ると、やはり何もないかのように暮らしている。

ここでも一つ、気づいたことがあった。

普段なら、商人や他の冒険者が出ていくのが當たり前なのだが、今日は"誰一人"出ていない。

なんだなんだ? 今日は曇りだから外に出ちゃ危ないのか?

顎をりながらゆったり歩いていると、とある冒険者が聲をかけてくる。

「ねぇ、貴方、なんでさっき外に出てたの?」

「なんでって言われてもな……森の様子がおかしかったからかな?」

「はぁ? あんた森にったの?」

「様子を見たかったからな。それがどうかしたの?」

「あんた……無傷で帰ってきたの?」

「ん? なんでそんな當たり前の事聞くんだ?」

そう言った瞬間、周りの皆もその発言に驚き、冒険者も驚く。

「あんた……森の危険レベルはB+よ? 言っちゃなんだけど、あんた何の裝備も持ってないじゃない? どうしてそれで無傷なの?」

「…………」

やべぇーーー!! 何も言えねぇーーー!!

「も、森を歩いてたら、通りすがりの冒険者に助けて貰ったんだよ……あははは……」

頭の後頭部に手を當てながら、笑って誤魔化す。だが、その冒険者は目を細め、「怪しい……」と一言呟く。

冒険者が口を開き、何かを言いかけた時だった。

「おぉ! 久しぶりー! 元気してたー?」

橫から男冒険者が出てくる。

これは好機!

「おぉ! お久! 今日はどしたの?」

「いやさぁ、ここにお前がいるって聞いたからさ、探してたんだよ! 飲みいこーぜ!」

「ちょっと! まだ話は終わってないんだけど?」

「ああ、わりーな冒険者! こいつ俺のダチなんだわ! じゃな〜」

「あっ、ちょっ……!」

その流れたを任せ、その男冒険者に付いていき、とある喫茶店の様なお店に逃げ込み、席に著く。

「あんた、異世界転生者だろ?」

「……ってことは、あんたも?」

「ああ。俺はセイヤって言うんだ。お前は?」

「俺はハル。助かったよ!」

「いいっていいって!」

ハルと同級生だろうか、まだ顔がし若い。それでいて、凜々しい顔つきに、綺麗なの黒の髪。系も太すぎず細すぎない、細マッチョという表現が正しいだろうか。彼の瞳は、とても優しさをじる。

「で、ハルはなんで死んだんだ?」

「ある子を庇って事故にあって死んだ」

「まじか! じゃあ特典もらったのか! いいなぁー! 俺は自殺だよ。よくある、いじめにあってってやつだ」

「そうか……」

「ってかさ、なんで外に出たりなんかしたんだ? まさか知らないのか? 今日の事」

「今日のこと? 何の話だ?」

「今日、外がし暗いだろ?」

「うん」

「あれ、モンスターパレードって言ってな? 外で萬にも及ぶモンスターが一斉行する時に起こる現象なんだよ」

「だから森の生も逃げていたのか……」

「そ。だから、気をつけろ? ……って言っても、もう遅いかもしれん」

「なんでだ?」

「お前、外出ちまっただろ? 多分外ではお前の噂で持ち切りだぞ?」

「なんでだよ」

「予言があったらしいんだ。ここに來たばっかの新人らしいんだけどさ、こう言ってたらしい」

「まさかな……それって……」

唾を飲み込み、セイヤの言葉を待つ。

「烏が空を飛び、モンスターが地を這いずり回る時、一人の化けが誕生する。ってな?」

「まてまて、化けって、どのくらいのレベルで化けなんだ?」

「ん〜……。噂では、魔王の子供と呼ばれるらしいぞ?」

「…………」

俺、まだ力見してないから大丈夫だよな? ……あはははは……。

ハルは、汗が止まらなくなった。

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