《俺、異世界でS級危険人に認定されました》早速魔王の子供呼ばわりされました 5

「で、ミナはこいつが怪しまれてるってのは知ってるな?」

「そりゃね。でも、それは転生者以外の人が言ってるだけ。転生者はまだ半信半疑よ」

「まぁ最悪の場合は場所を移せばいい」

「そーね。じゃ、今後ともよろしく、ハル」

「ああ! よろし……」

その時だった。突然背中に寒気が走り、ハルは壁を見つめる。

その突然の行に、二人は目を合わせて首を傾げる。

「お、おいハル? どうしたんだ、壁なんか見つめて?」

「……來る」

「「は?」」

急に揺れる地面。空には無數の烏。嫌なき聲が、町中に響き渡る。

「な、なんだこの聲は!?」

「男が何ビビってんの!?」

「お前も足震えてんぞ!?」

「こ、これは地震のせいよ!」

元々っていたヒビに、更に大きな亀裂がる。それと同時に理解する。ここが危険だと。

「二人とも離れろっ!」

次の瞬間、壁が破壊され、破片が飛び散る。それに反応できなかったセイヤとミナは、その場に立ち盡くしてしまう。

クソっ……!

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ハルが咄嗟に二人を抱え、町の中心へと全力ダッシュする。

「怪我は無い!?」

ハルのきの慣れように、二人は言葉も出せず、無言で頷く。

先程の騒音や地震で目が覚め、皆は外に様子を見に出てきてしまう。

「外に出てきては……!」

その忠告は屆かない。再び壁の方から発音がなる。すると、空から破壊された壁の破片がとてつもないスピードで降ってくる。

それは人々に直撃し、無殘にも塊になり崩れ落ちていく。

「お前ら二人は町の人を避難させろ! 俺はアイツらをぶっ殺してくる!」

「わ、わかった!」

すぐさま壁の方へ向かい、狀況を確認する。

既にモンスターは中へ侵してきており、それから逃げるように町の人が中心へと向かっていく。幸い、まだ破壊されたのはここだけのようだ。

とりあえず、中にってきているモンスターだけでも排除しないと!

人を襲おうとしているモンスターを優先的に排除していく。ただ、力加減を間違えないよう慎重にならなくてはならない。そのため、一斉に排除することができない。

そんな中、一人走って門から外へ逃げて行く者が見える。

「馬鹿! 外には……!」

そこへ向かおうとするも、モンスターが次々とってくるため、助けに行くことができない。

「門からならまだモンスターはいないかも……なら、ここをいち早く片付けないと!」

だか、一向に數は減らない。それどころか、數は増す一方だ。

このままではまずい。そう思ったハルは、一度だけ全力でモンスター達を排除する事にする。

拳に力を込め、全力でモンスター達に向かって空を毆る。すると、とてつもない風圧がモンスター達を微塵にし、それは壁の外のモンスターにも當たる。

よし、今のに!

ハルはすぐさま特典で貰った創造能力で壁を作り、を塞ぐ。ついでに、壁沿いを全力で駆け抜け、ヒビを埋めていく。

「ふぅ〜! あいつらは大丈夫か?」

見に行こうとも思ったが、先程外へ逃げた者が気になる。何故外に逃げたのかも。

ハルは、逃げた者が出た門へ向かい、外に出る。すると、目の前には數キロ先までモンスターで埋め盡くされた、モンスターの列が目にる。

「なんだよこれ……」

その答えに答えるように、誰かが聲を掛けてくる。

「これがモンスターパレードだよ。君は、なぜ外にいる?」

「だ、誰だ!?」

すると、モンスターパレードのきが一斉に止まり、その中から一人の人が出てくる。

あいつは……さっき外に逃げてたやつか?

「お前は何者だ?」

「私は、この町を潰せと派遣された魔族だよ」

「魔族?」

「ああ、そうだとも」

「なぜこの町を狙った?」

「何故? 人を殺す事が楽しいから、怯える顔が見たいからだよ」

「…………」

「貴様も、この數を見て怯えるがいい! そして、魔族に不様に殺されるがいい!」

その人間の形をした魔族は、姿を変え、牙を生やし、鋭い目つきに鋭い爪。漆黒のマントをにまとい、高らかに笑い聲を上げる。

「さぁ、モンスターども! 町を破壊しろ!」

その合図とともに、モンスター達は再びき出す。

「そんな事、俺がさせるわけないだろ?」

「何?」

ハルはに力を込める。すると、ハルの周りの地面が陥沒する。さらに、視認は出來ないくらいに薄い闘気をに纏う。

「なっ……!?」

ハルはき出しているモンスターに一直線に駆けつけ、モンスターを蹴りで薙ぎ払う。風はカマイタチとなり、モンスターは真っ二つに切れていく。

「な、なんだその力は!?」

「お前に、教える義理はねぇ」

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