《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》死亡、そして転生
俺が學校からいつも通って帰る道を歩いて家へ向かっていた。
この道の途中にある橫斷歩道の近くには公園があった。そのせいで事故が多いそうだ。
そんなことを何日か前の新聞に載っていたのを思い出しながら、信號が変わるのを待っていた。
トン、トン、トン
視界の端に何かが道路に向かって転がるのが見え、視線を向けると、転がっていたのはサッカーボールだった。そしてすぐに小さな男の子が公園から走ってきた。多分ボールを追いかけているのだろう。
男の子がサッカーボールを追いかけて追いついたときだっただろうか、後ろの方から何かがこちらに向かって走って來ていた。
目を凝(こ)らすとそれがダンプカーだった。
男の子はと言うと、サッカーボールを道のど真ん中で持って立ち止まっている。
そうこうしている間にダンプカーは徐々に近づいてくる。
俺は鞄(かばん)を放り投げ、男の子の方へと走る。
さほど距離はないのだが、それでもダンプカーは確実に迫(せま)って來ている。
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プッ!プゥゥゥゥゥゥッ!
ダンプカーの運転手も男の子に気が付いたのかクラクションを鳴らす。
周りの人たちもダンプカーのクラクションで今の狀況に気が付いてくれた。
しかし、あと三、四メートルくらいにまでダンプカーは接近していた。
男の子も恐怖のせいか一向にこうとしない。
俺は間に合わないと思い、走りながら野球のスライディングをするかのように飛び、勢いのまま男の子を押す。
ドンッ!グシャッ!
「 ︎ ︎ ︎ ︎ ︎」
生々しい音が辺りに広まる。
俺は全が痛く、目を開けることすら出來ずにいた。
薄れ行く意識の中、周りの悲鳴やび聲が聞こえて來た。
______________
「うっ....ううぅ....」
目を開けると俺は椅子(いす)に座っていた。
意識がはっきりしてきたので、辺りを見回すがこれと言って何もない。
ただ、俺の座っている椅子の場所を椅子がるくらいので覆われている。上を見ると照明が吊(つ)るされていた。
そして椅子が向いている方に五メートルくらい離れたところに反対向き、つまり俺の座っている方を向いた椅子があったこと。もちろんその椅子の周りもが覆っていた。
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どちらの椅子も木の四足で立っており、均等の距離で上下に二本ずつついた、木の椅子にクッションのようなを置いたじの椅子だった。アームレスチェアのような椅子だった。
そしてこの二つの椅子以外何もなかった。何も。
辺りは薄暗くてよく見えないが、とにかく広い空間が広がっており、家なども何もないのだ。
上をもう一度見るが、さっきの照明が吊るされているほかに何もなかった。天井はそんなに高くないようで、五メートルくらいしかないようだ。
コツン、コツン、コツン...
辺りを見回していたときだった。
どこからともなく足音が反響(はんきょう)して聞こえてきた。
俺が辺りを見回しいると反対側の椅子の方から人影が見えてきた。
「やあ、待たせたね...」
低いながらも優しそうな聲が俺の耳に屆く。
照明のによって照らされた人影は、高長で、顔が整っており、ブロンドヘアを攜(たずさ)えた、言わゆるイケメンが立っていた。雑誌などに載っていそうなほどイケメンなのだが、服裝がとても違った。
彼の服は、青い生地に互に一つずつ六列くらい金のボタンが縦に等間隔(とうかんかく)で並んでおり、橫一列ごとに橫長の円があり、腕の手首くらいのところにも同じ裝飾がされていた。服の真ん中から縦に割れており、その淵(ふち)にも金の布で分けられている。それに、黒のスーツなどで著るようなズボンを履(は)いていた。
この格好は前に學校の図書室で読んでいた本に似たようなのが載っていた。確か...「貴族の裝 公爵」って題名だったかな?てことは、彼が著ているのは公爵とかの服だから、偉(えら)いのかな?
そんなことを考えている間に彼は椅子へと腰掛(こしか)けた。
「さて、待たせてしまったのに急(せ)かすようで悪いが、君はつい先程死んでしまった」
「....ヘェ?」
男が唐突(とうとつ)に訳の分からないこと言い出したせいで間の抜けた聲が出てしまった。
そんなことは構い無しに男は話を続ける。
「えぇぇと、....君は何という名前だったかね?」
「桐崎東(きりさきあずま)」
「ああ、そうだった。それでだアズマくん」
いきなり下の名前で呼ぶか?普通...
「君は本來もうし後で死ぬ予定だったんだよ」
「は、はぁ...」
もうし後でって騒な話だな。
うん?死んだ?
「えっ ︎俺、死んだの ︎」
「ああ。ダンプカーに引かれて、救急車が著いた時にはもう死んでいた」
「えっ ︎じゃ、じゃあ、ここはあの世ってこと?」
「うん、まぁ。そうであってそうではないんだよね」
「どう言うこと?」
「ここは私の仕事部屋で、本來君のような死者が來れる所ではないんだよ」
「は、はぁ...じゃあ、俺はなぜここに?」
「私が呼んだのだよ」
「呼んだってあんた何者だよ?」
「神だけど?」
「....ヘェ?」
またしても間の抜けた聲が出てしまった。
「うん?聞こえなかったかい?神だよ。神様」
「か、神様って...あの?」
「多分その神だ」
「は、はぁ....」
「何だ?驚きはそれだけか?」
「いや、いきなり過ぎて、頭が追いつかなくて...」
「ハハハ!そうかい....」
笑いながら彼は腕を上に上げてから肘(ひじ)を突き出しながら腕を自分の顔の位置まで戻す。
服の袖(そで)がずれて腕時計が見えるが、黒のベルト式までしか分からなかった。
「おっと、時間がないから、手早く行こう」
「は、はぁ...」
「何故君をここに呼んだかと言うと、君にチャンスを上げようと思ってね」
「チャンス?」
「ああ。本來死者の魂(たましい)はここではなく、あの世に送られて閻魔大王(えんまだいおう)によって裁(さば)かれるのは知っているね?」
「まあ一様」
て言うか、本當にいるんだ。閻魔大王って。
「しかし君はさっきも言った通り、予定外で死んでしまった。それにその死んだ原因が子供を助けたと言うのだから、素晴らしいものだ」
「あっ!俺が助けた男の子はどうなりましたか ︎」
「大丈夫。君のおかげで君に突き飛ばされてできたかすり傷以外は何もない」
「良かったぁぁぁ...」
「話を戻すが、そこで君には選択肢(せんたくし)を用意した」
「選択肢?」
「ああ。本當は閻魔大王のところ送るのだが、それだと々とこちらも大変なのだ」
「は、はぁ...」
「なので君には、君がいた世界でゼロからやり直すか?それとも、転生かしてもらう」
「ゼロからやり直すと言うのは?」
「違う家から今までの記憶もなしで赤ちゃんからまた人生を歩んでもらう」
「では、転生と言うのは?」
「君たちが言う異世界に行ってもらう。こちらは今のまま、あちらの世界へ行ってもらうだけだ」
「そう...ですか...」
はっきり言ってこちら世界はあまり楽しくなかった。
家族は誰もいない。父は俺が小學生の頃に事故で死んだし、母は先日病気で死んでしまった。
學校もそんなに楽しい訳ではないので、こちらにいる理由は特にない。
と言うか、死んでるから関係ないか。
「どっちにするんだい?」
「では、転生で」
「本當にそれで良いのだね?」
「はい!」
「...そうかい。ではこれは、君が子供を助けた謝と異世界へ旅立つ祝いとして送ろう」
そう言って、神様は立ち上がり俺の方へと近づいてくる。
そして神様は俺の頭に手を置いた。
すると神様の手から青白いが現れ、俺のを包んで行く。
神様が手を退(ど)けるとを包んでいたも消えた。
俺は、神様の方を向く。
「何をしたんだ?」
「ちょっとした能力の強化と、おまけさ。謝と祝い品だと思ってけ取ってくれ」
「は、はぁ...」
け取ってくれも何も、有無を聞かずに渡したではないか!
「では、あそこの魔法陣に立って」
神様が指差す方を見るとさっきまではなかった魔法陣が、床に浮き出ていた。
俺は言われた通りに魔法陣の上に立った。
「 ︎」
すると魔法陣が出し上へ上がって行き、俺の腳を魔法陣が通過すると、そこには足が消えていた。
そのまま魔法陣は上へ上へと上がってくる。
「えっ!えっ ︎」
「頑張りたまえよ!アズマくん!」
神様の最後の言葉を聞いたところで、俺は意識を失った。
魔法陣が全を通過すると、そこには何も殘ってはいなかった。
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