《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》崩壊、そして森の中へ

それから晝くらいになるとけるようになってきた。するとトロールが晝食を持ってきたてしつこく食べさせようとしてきただけだが、それをユキナが拒むと15分置きに聞いてくるのでユキナも遂には折れて食べることにした。

「んん、んん...ゴクン...ふー...ごちそうさ、ま」

「ほいどうも」

そう言ってトロジーは食を持って部屋を出て行った。1人になり暇になってしまったユキナは、再び襲ってきた睡魔に逆らわず目を閉じると意識が闇の中へとわれた。

それから3日ほどはこのような生活が続きユキナのの傷も大分塞り、服を著ることが出來るようになった。それまではずっとの狀態だった。

そしてその日の夕方。いつものようにトロジーが夕食を持ってきてくれた。

ユキナのの傷の合が戻ってきたので昨日の晝食から普通のご飯を食べている。今回は山菜やキノコなどを炒めた野菜炒めとパンである。

ユキナはそれをけ取るとフォークを取り自分でそれを食べ始める。

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それから15分後。

「んん、んん...ゴクン...ふー...ごちそうさ、ま」

「ほいどうも」

「...?」

トロールは食事を終えたユキナをじっと見ている。いつもはユキナが食べ終えたら食を持って、部屋を出て行くはずなのだが今日はこうとしない。ユキナはその視線に気が付いた。

「何?」

「いやあ、あれだけ嫌がっていたエルフの娘がちゃんと食べてくれてわしは嬉しいぞ」

「別に、お腹が空い、てただ...け、 ︎今何て、言ったの?」

「ん?食べてくれてわしは嬉しい」

「そこじゃな、くて、その前」

「?エルフの娘が、か?」

「 ︎何で知って、いるの?」

「何でって今はおまえさんが持っていたペンダントを著けていないからじゃないのか?」

「え?」

そう言われてユキナは自分の首をる。しの間り続けるが何もかかっていない。

「ほれ、これじゃろ?」

「...それ!」

ユキナはトロールが差し出してきた手を見るとあのペンダントが乗っている。ユキナは慌ててそれをトロールの手から奪い取り、辺りまで持ってきてさらにを捻ってペンダントを隠す。

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「いつから?」

「おまえさんの傷を治療する時に邪魔になったから外した。しかし驚いたぞー。ペンダントを外したらいきなり見た目が変わりおったからのお」

「そんな...と、トロジーも私を追い出すの?」

「?何を言っておるんじゃ?患者を追い出すはずなかろう」

「じゃ、じゃあ私が患者、じゃなく、なったらトロジー、は、私を追い出す、の?」

「...そんな気は最初からないから安心せい」

「それじゃあ、う、売る気...とか?」

「売る気もない」

「あ...ありがとう...トロジー」

そう涙を流しながら言うユキナの頭の上にそっと手が置かれた。

「おまえが居たいだけここに居れば良いからの」

「すぅっ!...トロ、ジー...ありがとう...すぅっ!」

こんなじでユキナがしだが信頼出來る人がユミナの他に出來た。

ユキナがトロールのことをしは信じることが出來てから2年の月日が経った。

その間にユキナの怪我は大分回復し、普通に歩けるようにもなった。それを気にとトロールが村のみんなに紹介すると言い出しユキナの意見も無視して無理矢理連れ出して村の人たちに紹介して回った。挨拶をする際にトロールはユキナのことを親族だと言って紹介して回った。

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この村にはユキナと同い年の子が2人。男とが1人ずつ。男の方はククル。13歳。元気いっぱいで好奇心旺盛ながらも頼り甲斐がある兄的存在。の方はサラ。12歳。ククルとは正反対な格で泣き蟲だが素直でいい子。こんな格の2人だったので數日もしないうちにユキナとよく遊んでいた。遊ぶと言ってもこちらの世界には鬼ごっこに似た遊びはあるがそれ以外には何もない。

なので森の中へ行き木登りや基地を作るなどをして遊んだ。

村の人たちも最初は抵抗のあったユキナが嫌な態度を取っていたが、それでも諦めずに村の人たちはユキナに優しく接してくれた。そのおかげでユキナも明らかな嫌いだという態度を示さなくなり、村の人たちとも仲良くなった。

トロールの信用もしは大きくなった。最初は食事を食べるだけだったが次第に會話をわすようになり、ユキナはトロールが務める醫者の仕事を手伝うようになった。

患者の手當てや介護、森まで山菜や薬草を採りに行くことも何度かあった。しかしその森には魔獣も出るのでトロールはユキナに雙剣を渡した。

「これは前におまえさんをわしのところまで運んで來たやつがおまえさんにと渡してきたじゃ。これを護用に持っておきなさい」

「でも...」

「良いから持っておきなさい。ほれ」

そう言ってユキナはトロールから無理矢理剣を持たされた。

「でも私、剣とか使ったこ、とない」

「大丈夫じゃろ。あくまで護用じゃしの」

「あ、待って!」

そう言ってトロールは薬草を採りに森の先へと進んで行ったので剣を腰に下げて急いで後を追った。

トロールはこんなじだったが優しい男なのでユキナも信用すること出來た。

そうして2年過ぎたユキナはこの村の人たちを信用することが出來た。

そんなある日事件が起こった。

ユキナはトロールの手伝いで1人で森の中で薬草を採りに行っていた。今回の薬草はなかなか見つからず森の奧へ奧へと探しに行く。

「えーと、コリスタンは...あっ、あった」

數十分かけてようやく最期のコリスタンを見つけることが出來た。コリスタンは繁縷ににた薬草で、この森にもそんなに生えていない。

「これで全部、だから早く、トロジーのところ、へ戻ろう。もう、も暮れ、ていると思う、し」

そう言ってユキナは來た道を戻る。森の中は広いため木に目印を付けている。この目印は旅の人たちも使うため古い傷や新しい傷がある。

その傷を頼りに森を出て目の前に広がる景を見てユキナは目を疑った。いつも森から出て見る景と今自分が見ている景が全く違うからだ。

村が崩壊していた。

ユキナは急いで村へと走る。

「 ︎」

壁は崩れ、家が燃えて崩れ落ちているところもある。そんな中、道端で數人の村人たちが倒れていた。ユキナは彼らに急いで駆け寄る。

「アグリさん!しっかりし、て!」

「...ん...んん...ぁ...ユキナ...ちゃんか?」

「そうだよ」

「悪いけどカーヤは、無事か?」

カーヤはアグリの妻である。

「カーヤさん、は.....どこにもい、ないみた、い」

「そうか...良かった」

安心した表を浮かべてアグリが起き上がる。

「一何、があったの?」

「実は魔獣が現れた」

「 ︎」

魔獣ってもしかしてあの時の?でもあれはあのフードを被った人が倒したはずじゃ。

「その魔獣って、どんな、じだった、の?」

「確か赤い皮に額に角が3本くらい生えてたかな。かなりデカかった」

「他のみん、なは?ここに、はアグリさん、とあと2人が、倒れて、た」

そう言ってユキナがアグリの後ろを指差す。アグリもそちらの方を向く。

そこにはまだ倒れているクルルを抱き上げようとしているクルルの父、キルルがいた。キルルはこちらを顔だけ向けて口を開く。

「2人とも、話しは後にして早くここから離れよう。村の連中も避難場所へと向かって行るだろうから」

「そうですね。さ、ユキナちゃん。僕の背中に乗りなさい」

キルルの聲が相変わらずのドスのきいた聲でし怖いユキナにアグリが優しく接してくれたのでユキナはそれに甘える。

「うん、しょっと」

「さあ行こう」

「はい」

そう言ってキルルが走り出す。その後ろをアグリさんも走って追う。

し行ったところでユキナはトロールがどうなったのかが気になりアグリに聞いてみる。

「アグリさん。トロジーは、先に行った、の?」

「...多分行っていると思うよ」

「多分?」

「実はトロジーは君の帰りが遅いからって森へ様子を見に行ったんだよ」

「.....」

「でも大丈夫さ。トロジーは森に詳しいから魔獣に合わないように避難していると思」

「止まってくだ、さい」

「え?」

「止まってくだ、さい!」

「ちょっとユキナちゃん、暴れないで」

「止まってくだ、さい ︎」

「分かった、分かったから」

そう言ってアグリは止まる。

「どうしたの?厠(かわや)ならもうし我慢し」

「戻ってくだ、さい!トロジーを助け、に行かない、と!」

「ダメだよそんなの。危険だ。大丈夫トロジーならきっと大丈夫だから」

「大丈夫じゃ、ない!トロジーは、きっと」

ユキナはそう確信していた。この2年間でしかトロジーにれていないが、それでもユキナには分かっている。きっと今も自分を探しているだろうということが。

なぜならトロジーはそういう人間だからである。

前にも一度、ユキナが初めて森にった日だった。ユキナは森で迷子になりずっと暗い森の中を1人寂しく歩いていた。もう自分は見つけてもらえないと思っていた時だった。トロールがユキナを見つけてくれたのは。

後で村の人に聞くとトロールはユキナがいなくなったことに気づいてからすぐに村へ行きユキナがいないかを確かめた後に急いで森へと戻ったそうだ。そしてだいたい晝頃から夕方頃までトロールは休むことなくユキナを探していたそうだ。

だから今回もきっと探していると思った。

「何をしている?さっさと行くぞ」

「ああ、はい。ほらユキナちゃん、行く、いッタアっ ︎」

ユキナはアグリの右肩を思いっきり噛んだ。痛さでユキナを支えていた手を解いてしまった。その隙を突いてユキナはアグリから降り、急いで村の方へと走る。

「ま、待ちなさい!」

アグリが肩を左手で押さえながら右腕をばしてユキナの腕を摑もうとしたが普通に避けられてしまった。

ユキナはアグリからし距離を置いたところで止まる。そして後ろを振り返らずに重い口を開く。

「ごめんな、さい。アグリさん。でも、これだけは、許してくだ、さい。私、にとってトロジー、は大切な人だ、から」

それだけ言ってユキナはまた走り出す。

「ユキナちゃん!」

「....アグリさん。あの子はあの子なりに、子どもがやりたいことがあるのだったら、それを見守ってやるのが私たち大人の務めだと思いますが」

「....そうですね。ユキナちゃんがやりたいのなら、それで悔いがないのなら僕はいいですがね。行きましょうか、キルルさん。みんなの元へ」

「はい」

そう言って前へと向き直り、走り出すキルルの後ろをアグリは右肩を押さえながら走り出す。

(言っておきますがアグリはユキナの親とかではありません。)

ユキナはアグリから逃れ、村へ向かって全力で走る。

「はぁ、はぁ、まってて...はぁ、ね。はぁ、はぁ、トロジー」

そう息を切らしながら走り続け、ししてユキナは村へとたどり著いた。そしてそのまま村を通り越して森の中へと向かう。

森の中をあちらこちら走り回ってトロールを探すが見つからない。ユキナは立ち止まる。

「はぁ...はぁ...どこなの...はぁ...っ、トロジー...」

頰を伝う汗を手で拭いながら息を整える。

今ユキナがいる場所はさっきまでユキナがコリスタンを摘んでいたところにいる。

アグリの話からするとトロールは森にユキナを探しに來ている。そしてトロールは森のことに詳しいのでコリスタン生えている場所を知っていると思ったのでここに來たのだが誰もいないので、ユキナは不安になる。

「グギャァァァッ!」

「 ︎」

息を整えながら立ち盡くしているユキナの耳に魔獣の聲が屆いた。ユキナは辺りを見回して魔獣を警戒しながら腰に下げている雙剣を抜いて構える。

バキバキバキッ、ドンッ!

木が倒れる音が森全に響く。

「グギャァァァッ!」

アグリが言っていた通り皮が赤く、額に角が3本生えている魔獣、グラルドルフがユキナの前に姿を現した。

「ん!」

ユキナは魔獣から目を離さずに後ろへ飛んでグラルドルフから距離を取る。

雙剣でも正面から戦うことは出來るがユキナはあまり雙剣で上手く立ち回りが出來ないので影からの攻撃に徹することにした。

木の枝から枝へと飛び移ってグラルドルフの背へと移する。

そしてグラルドルフがユキナの方を振り向く前に枝を蹴って攻撃を仕掛ける。

まずを左に勢いよく回し左、右の剣でそれぞれ背中を真一文字で切りつける。

「グギャァァァッ ︎」

「っん!」

左の剣をグラルドルフに刺して勢いを止め、背中を蹴る際に剣を抜く。蹴ってすぐさま森の中へと逃げる。

そしてまた木の枝と枝を伝って魔獣の様子を伺う。

「グギャァァァッ!」

「?」

ズズッ、ズズッ、ズズズズッ...ドンッ!

グラルドルフが顔を下げて角を前に出し、右後ろ足を前から後ろへを數回繰り返しから真っ直ぐ走り出した。

鋭い角とグラルドルフの巨でグラルドルフの前に並んでいた木が吹っ飛んでいく。

「うっ ︎」

さらにその巨からは想像も出來ないスピードから生じた風、グラルドルフの固有能力【風圧】によりグラルドルフの後ろにあった木も數本倒れたり、吹っ飛んだりした。ユキナもその風に押されないよう木にり付いて耐えるが木は今にも倒れそうな音を立てている。

グラルドルフが起こした風が止むが奧の方から木が何本か空へと弾かれているのが見える。と思うと木が飛ぶ方向が変わり左からこちらへと軌道が変わった。

ユキナは急いでその場から距離を取る。

「推定で、も、10メートル、は離れない、と」

そう言って枝伝いで距離を取る。

「あと、きゃっ ︎」

枝を飛んで次の枝へ移ろうとした瞬間、後ろから強い風が吹きバランスを崩して枝を摑むことも出來ずに下へ落ちてしまった。

「グヘェッ ︎...かはっ!...ああっ...」

腹を撃ちその場で腹を抑えて悶える。

「グギャァァァッ!」

「 ︎」

まだ痛みが引かないうちにグラルドルフの走る足音が近付いてくる。どうやらまた軌道を変えて走って來ているようだ。

「早く逃げな、いと」

「グギャァァァァァァッ!」

「かあっ ︎」

腹を抑えてなるべく遠くへ走る。が、反応が遅れたせいでさっきよりも強い風圧によりにより遠くへ飛ばされる。

.....ドンッ!

風に押され背中から木にぶつかる。

バキッ....バキッ....

そして尚も風に押され後ろの木からも鈍い音が聞こえる。

ししてようやく風が止みユキナは地面に落ちる。

「...かはっ!ああっ...ああっ...はぁ、はぁ」

息が切れているのを整えるが上手く呼吸が出來ない。

しかしそれでもユキナは諦めずに立ち上がり飛ばされても離さなかった剣を強く握る。

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