《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》登山、そして手合わせ
フィリブで飛び続けてから3時間ほどでが落ちたため下へ降りた。700メートルほどは移出來たと思う。
遅いと思うかもしれないが向かい風や周りの寒さなどもあるのだから速い方である。地面が雪で満ちているため歩いて行けば既に3日ほどもしくはそれ以上経っていてもおかしくはない。
フィリブたちをの中へとれ、俺たちもその後にへとる。
にって直ぐにヒューズさんが4センチほどの火炎核を取り出し紙に火を點けてから枝の中へと投げれた。
火が著いたことを確認したバジルとナルガスさんが雪を使ってのり口を塞ぎ始めた。
確かこうすると熱が外に逃げにくくなるし外からの雪を中にれないためだったかな?かまくらと同じだったはずだけど。
「さあ、食事にしようか」
バジルがり口を塞ぐ作業が一通り終わったので食事にすることになった。
雪山に登るのだから當然食料はなどではなく、軽くて栄養やカロリーを摂取しやすいなどになるのでハラマイというおにぎりにこの土地で採れた野菜などが細かく刻まれたを握ったとエテリアというあえて凍らせた水を持って來てハシブという実を數個れて溶かしたスープが夕飯となった。
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ハラマイは野菜のなどが楽しめた。エテリアはトマトスープのような味だったが、し苦味もあった。しかしこの苦味と溫かさがの寒気をなくしてくれた。
だが、當然のごとくキリがそれで足りるはずがなかった。
せっかく夕食を用意してくれていたバジルたちには悪かったが腹ペコのキリをそのままにしていられるはずもない。
寶庫から以前アルタイルに行った際に買っておいたペシブという料理を取り出した。
ペシブはアルタイルの名らしくどの魔獣のでもいいのでそれを一口サイズにし、麺と野菜と一緒に焼く。言わば焼きそばだ。ただアルタイルでは最後に香辛料をかけて辛くする。それを人數分取り出す。
キリのために大量に購したのだがこういう形で役に立つとは。
いきなり現れた料理に驚く3人を置いてキリたちはペシブを食べ始める。
「ア、アズマ...こんなのどこに?」
「あー...俺の固有能力で収納しておいたやつ。出來立てと変わらないから熱いうちにどうぞ。でも辛いから注意な」
3人は恐る恐るペシブを食べ始める。
「辛っ ︎」
「 ︎」
「やっぱりか。はい、水」
ペシブを食べてバジルとナルガスさんが表を変える。ヒューズさんは何ともない顔で食べ続けている。
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これ結構辛いんだけどなぁ...
食事を終え、全員が暇そうな表になる。
「全員でトランプでもする?」
「いいわね。私はババヌキがしたいわね」
「私も」
「うん、やる」
「はい」
「「「「とらんぷ?」」」」
何となく思いついたので提案したらキリたちが乗ってくれた。
トランプを知らない4人にだいたいの説明をしてから寶庫からトランプを取り出した。
ルールは追々覚えてもらおう。
最初は順調に知ってる組が勝っていったのだが、2回目からはヒューズさんが、4回目からはバジルが早くあがり始めた。
ヒューズさんはルールを直ぐに覚え、さらに相手の表からのカード選択。挙句の果てには多のきの変化などからどんどん勝率を上げていった。
バジルは何度かルールを聞いてきたが次第に慣れ始め彼も勝率が上がっていった。
ナルガスさんの場合は無口とほぼ無表が効き、最初の方から強かった。
數回遊び疲れたので止めようとしたらバジルとナルガスさんとサナとリリーが「まだやりたい」と言うので続けている。
ヒューズさんは武の手れを。ニーナは読書(本はニーナに渡されたのを寶庫にれていた)。ユキナは先ほど眠いと言って寢始めた。俺の肩に寄り添って。キリは俺の隣に座って俺とたあいない話をしている。
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しかし気のせいだろうか。さっきからキリの表が苦しくなっているような...顔もし赤いし、汗もひどい。それに腕を腳でってもじもじしている。
「キリ、もしかして調悪いのか?」
「 ︎う、ううん!大丈夫。大丈夫よ。だから気にしないで」
「でも顔悪いぞ?さっきからもっててるみたいだし」
「それは、その....!そうだ、東。私家に忘れしたの。急いで取りに帰りたいからゲート開いて」
「いやそれより醫者に診てもらった方が」
「急いでるの!お願い」
「分かった。でも辛くなったら言えよ?」
「え、ええ。分かったわ」
俺はの奧の方にゲートを開いた。キリはきがぎこちない走りでゲートへと急いだ。
「大丈夫かな...」
「アズマ、は配、慮が足、りない」
「え?ユキナ起きてたのか。ていうか何の話?」
「なんで、もない」
そう言って再び寢息を立て始めたユキナ。
え?マジで何の話?
その後ゲートから戻って來たキリの表はいつも通りに戻っていた。風邪ではなかったことに一安心する反面、あの時のユキナの言葉の意味に悩まされた。
その後は寢る時間だとバジルに言われ全員寢ることにした。寢る際に大きめの布を渡された。
渡されたはいいのだが、大きさが3、4人ほどしかれない布だった。それが3枚。ここでは流石に男が一緒という訳にもいかないので男組と組に分かれて寢ることになった。
気のせいか婚約者組ががっかりしていた。
翌日になってもすることは同じだった。ただし出発時間が遅めだった。理由が気溫がまだ低いので朝に移するのはよくないとのことだ。
なので晝し後からの移となり800メートルほど移したところで次のに著いた。中は昨日のよりもし大きめだった。
こんな日々を繰り返していくうちに山頂が見え始めた。ここまでで計8日。予定より早く來られたところでへ移となった。
「さて、そろそろ頂上に到著するけどここからが大変だからね?」
「そんなに強いのか?エルダースノウマンって」
「うん、まー。それも強い相手だから大変なんだけど、まずは頂上に著くことが大変だね」
「大変ってフィリブで飛んでくんだろ?」
「いや、フィリブで飛べるのはここまでだよ」
「は?じゃあどうやって頂上に。まさか...」
「そう、そのまさか。歩いてさ」
バジルはいい笑顔で言い放った。
確かに風や雪が強くなってきているし、視界が悪くもなってきている。今だって息をするのがし辛い。フィリブで飛び続けるのは厳しいかもな。
「でも、登山用の裝備とか持ってきてないぞ?」
「その點は心配いらない。フィリブたちがいれば多時間はかかるが普通に行くよりかは遙はるかに速い」
「?フィリブの足ってそんなに便利なのか?」
「ああ。元々彼らが生息していた場所はここよりもさらに寒く視界の悪いところだからね。まあ目が悪いから晝間だけしか行してないけどね」
「へーぇ」
それなら大丈夫そうかな。
しかしこのフィリブたちはバジルによく懐いている。これは固有能力の力なのか。それとも本當は魔獣ともこんなコミュニケーションを取ることが出來るのか。し気になるな。
そしてその説明を聞いた後に夕食となった。
3日前でバジルたちが用意した食料を全て食べ盡くしてしまい(主にキリが)、俺からの提供となった。
一応調理道なども一式ほど寶庫にれておいたので、俺とニーナで作ることになった。
今晩は昨日の殘りのカレーだ。カレーはこちらの世界にもあるそうだがひっどいほど辛いらしく滅多に食べたがる人はいないそうだ。
香辛料は店に売っていたがかなり高かったが、ちゃんと買ってある。
今回のカレーの香辛料は、ゼクというクミン、ブギアというシナモン、アクセというにんにく、レチアルというカルダモンなどを使った。ブラックペッパーも探したがなかった。コショウなどはこちらの世界では香辛料よりも高級らしい。
辛さは控えたので全員ちゃんと食べてくれた。最初は堪らわれたけどね。
夕食を終え、また自由時間となり寢る時間になり眠った。
そして翌日の朝、俺たちはフィリブに乗って歩きでの登山となった。視界が悪く、追い風や雪による妨害。不安定な地面によってかなり進みが遅い。溫の低下も激しい。
數メートル進むだけでもかなり力が持って行かれる。
そんなじで時間が進んで行き、あっという間にが落ち始めた。が落ち始めれば當然気溫も下がる。
しかし今俺たちがいる場所からはの姿などはない。を掘ろうとも考えたがここは雪山。を掘って地盤が緩めば雪崩になる危険もあるため、諦めて進むしかなかった。
運が良ければが見つかるし、悪ければこのまま頂上まで進むしかない。
「みんなっ!大丈夫かっ⁈」
「こっちは大丈夫だっ!」
「....」
「こっちも大丈夫だよっ!」
バジルがほとんど姿の見えなくなったみんなに呼びかける。ヒューズさんの後にリリーの聲がした。
みんな大丈夫そうでよかった。しかしこの視界の悪さは厄介だ。ましてや辺りが暗くなり始めた。つまり夜である。夜になればフィリブたちはまともにくことが出來ない。
だから止まるしかないのだが、この寒さでなしで過ごすのは厳しい。何かいい方法があればいいのだが...ん?待てよ。この方法を試してみる価値はあるな。
俺はそう思い寶庫から雷核を取り出し、魔力をし多めに流す。するとフィリブを覆うほどのが発せられた。
「それは、まさか雷核 ︎」
「ああ、これで何とかならないか?」
「それなら僕が持とう。し眩しいが多分フィリブの視界がしよくなるだろうからね」
「ならし速さを落として、他のみんなにも」
「みんなにもってアズマはそんなに雷核を?」
「ああ、人數分あるから心配するな」
「...そうかい」
バジルがフィリブのスピードを落とすとヒューズさんがるフィリブが見えた。俺はヒューズさんに雷核を渡した。
やろうとしていることを伝えようとしたが、その前に雷核をらせた。どうやら分かってくれているようだ。
同じようにナルガスさんにも雷核を渡した。
すると3人はフィリブの走らせるスピードを上げ始めた。おいおい...
途中に倒木などもあったが軽々とジャンプして避け、そのままのスピードで走り続けた。
それから何時間か走り続け、ようやく山頂へ著いた。
下から見た時は霧で頂上は詳しく見えなかったがカルデラになっていたようだ。周りを見回すが山頂はさらに霧が濃くなっていて雷核で照らしているはずのヒューズさんたちのフィリブの姿もはっきりとは見えない。
見えるのは薄っすらとしただけだ。
「ヒューズ、ここから天幕(テント)の方角はっ?」
バジルがそう言うと雷核を真上に放り投げた。
「...三時の方向、やや右だっ」
「了解っと」
雷核をキャッチすると方向をし変えて走り出した。
「バジル、何でヒューズさんは方角が分かるんだ?太は見えないぞ」
「ああ、だから雷核これを投げたんだよ。僕たちが登って來た方角は朝を背に登って來ていた。そしてこれをに見立てたって訳だよ」
「そんなのって...」
これは普通出來ることなのか?多分雷核を方位磁針の軸だとすればいいんだろうけど、それでも上手くいくものなのか?
そんな疑問を抱きながらフィリブがどんどん進んで行くとテントが張られているのが見えて來た。
テントの數は1つ。外に2人の男が火を焚いている。
「っと、どおどお」
「おお、バジルたちか!援軍が來たのはありがたい」
「お待たせ、エデル。早速だけど狀況は?」
バジルに寄ってきたエデルと呼ばれた男。30代くらいで目付きがし怖いが笑顔で俺らを迎えてくれた。厚著だがそれでも彼のががっちりしているのが分かる。
うちのロベルトさんほどではないが、それでも大きい。
「ああ、エルダースノウマンはまだ寢てるがもう時期だろう。スノウマンたちがかなり湧き始めてる」
「そうかい....」
「....なあ、バジルよ?」
「ん?何だい?」
「こんな小僧たちがギルドからの援軍か?」
「ああ、そうだよ」
「おいおい大丈夫かよ。こんな小僧たちじゃすぐにやられちまうぞ?」
「ふむ....それなら」
「ならエデルがしえてみたらどうだ?それでしは分かるだろ?」
「そうかもしれねえけど、俺は加減とかが苦手なんだが?」
「その時はその時だ。使いにならなかっただけだ」
「相変わらずだなぁ、ヒューズは。おまえさんはそれで良いかい?」
「ああ、構わない」
了承すると俺とエデルさんはしみんなから離れたところへ移し向き合う。間は5メートルほど。
「一応怪我させないようにするが、もしもん時は剣も使って良いからな」
「ああ、だが遠慮しておく」
俺は剣を寶庫へと仕舞った。
「なら行くぞ!好きなようにけ!」
そう言い終えたエデルさんは地面を蹴って一回のジャンプで俺のところまで詰めてきた。その勢いで右手で毆りかかってきた。俺はそれをギリギリで避け、下から平手打ちをする。
しかし反対の手でそれを弾かれてしまった。エデルさんはそのままを捻って回転し、著地した。
「ほお、あれを躱してからすぐさま攻撃してくるなら銀だな」
「...俺、赤なんだけど」
「なんとっ ︎まあ、手を抜いたしな。避けれて當然だな。うん。次はし強めに行くからな」
「....エデル。能力を使え」
「はぁ⁈何言ってんだ、ヒューズ。この小僧が死ぬぞ」
「そいつ相手なら平気だ。最悪俺が止めにる」
「だが...」
「俺は大丈夫だ。それで信じてもらえるならそっちの方が手っ取り早いし」
「...そうかい。なら使うが、死んでも知らんからな」
そう言ってエデルさんが姿勢を低くする。ゆっくりと左拳を前に出し、右拳を右肩ほどに引く。中國のカンフーポーズの一つの勢になった。
「っふん!」
そして勢いよく右拳を前に出し突っ込んで來た。スピードはさっきよりも斷然速い。
これを避けるのは普通に出來る。しかし避けたら納得してもらえないかもしれない。
だから、
「っん!」
「 ︎」
避けずにこちらも毆る。拳同士が合わさる。
間合いが1メートルとしだったので互いに踏ん張ることが出來る。この間のナルミトスの反省點だったやつだ。
エデルさんの力はかなり強く、し気を抜けば確実に吹っ飛ばされる。
でも、まあここら辺で終わらせるか。
「ふんっ!」
「ん ︎くっ」
「んっ...おらぁっ!」
「うおっ ︎」
し力を強くしてみるが耐えられたのでさらに力を強くするとエデルさんが後ろに8メートルほど飛ばされてしまった。俺が力加減を間違えたようだ。
すぐにエデルさんの元へと駆け寄る。
「悪い、大丈夫か?」
「あ、ああ。大丈夫だ。まさか『馬力』を使って負けるとはな。はは」
「怪我とかは?」
「それも大丈夫だ。鍛えてるからな」
「そうか」
俺は安堵の息をらす。
エデルさんの力は本當に強かった。本気の3分の1を出してようやくだったのだから。ちなみにナルミトスの時は臓などを怪我させて出されては困るので4、5分の1で戦った。
「大丈夫、東?」
「ああ、なんともない」
エデルさんとみんなのところへ戻ると陣が駆け寄って來た。みんな心配そうな表だったが俺の返事で安心の表へと変わった。
「なんともないねえ。一アズマのはどうなっているんだろうねぇ」
「本當だぜ。俺の馬力をその細腕で止められるとは」
「ちなみにアズマは、ヒューズの能力も一回避けてるよ」
「はぁっ ︎え?ヒューズのアレを⁈俺だって分かってても全然避けられないのに。いや、でもこの小僧ならあり得る気も」
「ふんっ」
そうブツブツ獨り言を言い始めたエデルさんに気に食わなそうな顔でそっぽを向くヒューズさん。そしてそんな2人を面白そうに見つめるバジル。
その後、獨り言を終えたエデルさんに自己紹介をすることになった。リリー以外が赤ランクだと伝えるとかなり驚かれた。
その時バジルから、エデルさんは青ランクだと教えてもらった。
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