《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》作戦、そして集隊

「おらっ!」

「ごぉっ!」

「ちっ、待てっ」

エルダースノウマンに橫から切りかかったが剣を振る前に俺に気づき地面を蹴って避けられた。剣を振るのをやめ、俺も地面を蹴って追いかける。

「ぎゅうぅ?」

「ふんっ!...っと」

追いかけた先にスノウマンがいたので計4回切る。左肩から右太もも、次に右肩から左肘、首、最後に剣を上に上げて勢いよくスノウマンの頭に振り下ろした。

切り終えるとスノウマンは雪へと姿を変えた。核の位置が分からなかったので勘で切ったのだが、どうやら當たってくれたようだ。

すぐさまエルダースノウマンを探すとヒューズさんとファフスさんが戦していた。

行くなら今だな。

俺はそう思い2人にエルダースノウマンを(勝手に)任せてキリのいるところへ走る。

キリはユキナと協力してスノウマンを倒している。大人數だから良かったが、これがもし1人か2人でここに來ていたら確実に取り囲まれてリンチされてしまう。と言ってもお互いの場所が分からないのだから取り囲めるかは定かではないのだが...

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そんなことはさて置き、キリたちの近くに5ほどいる。キリたちが今相手にしているやつを合わせたら7だ。他の5きからしてキリたちが近くにいることは気づいていないだろう。

だから気づかれる前に、

「片づけないとっな!」

そう言って出會した通常モードのスノウマンの首を左から切斷する。次に心臓部分を右から左へ突っ切る。最後に正中線に沿って頭から下へと振り下ろす。スノウマンは全てこの倒し方になる。

スノウマンは雪へと姿を変えて崩れ落ちた。

俺はさらに進みキリたちの前に出た。

「東、どうしたの。っん!」

俺に気づいたキリが近づいて來ていたスノウマンの爪攻撃を後ろに飛んで避ける。

「このっ!」

そして著地してそのまま重移し、切りかかった。そして剣をスノウマンの開いている口の真ん中部分に刺して剣を下げた。

スノウマンは雪へと姿が変わった。核が転がっていないところを見ると切ったのだろう。

「気をつけて東。この魔獣さっき首を切り落としたのにまたき出したから」

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「ああ。でもこいつはもうかないから安心しろ」

「...倒せたってこと?」

「そう。こいつらを倒すにはのどこかにある核を見つけて壊さないとダメなんだ。でないと時間が経てばまたを作って襲って來るからな」

「そうだったの」

「ああ...ふんっ!」

背後から爪で攻撃しようとして來たスノウマンの腕と首を振り返って切る。スノウマンの姿が雪へと変わる。核が出てきたので踏んで々にする。

「それで何で東は來たの?もしかしてエルダースノウマンを」

「いやまだ倒してない。でも倒すためにキリの力が必要なんだ」

「分かったわ。それで私は何をしたらいいの?」

話が早くて助かる。

「俺とヒューズさんであいつの注意を引きつけるから隙を突いて『迅速』であいつの辺りにある赤い石を壊してしい。多分あれがあいつの核だ」

「キリそっ、ちはどおぉ、ってアズマ。どうし、たの?」

「ユキナ。そっちの魔獣はどうなった?」

「大じょ、う夫。もうか、なくなった」

「そうか」

俺はキリに伝えたことをユキナにも説明する。もちろん核のことなどもだ。

「そうだ、ったん、だ」

「それでキリ、大丈夫そうか?」

「ええ。その作戦で行きましょ」

「ああ、頼む」

俺はキリを連れてエルダースノウマンの方へ向かおうとする。

しかしその前にユキナに周りのことを教えておく。スノウマンがいる方向とだいたいの場所、そして數。それを伝えてから今度こそエルダースノウマン目掛けて走り出す。

エルダースノウマンはヒューズさんとファフスさんが抑えていてくれたので助かった。後は伝えるだけだ。

先にヒューズさんからだ。その際に抜けるヒューズさんの擔當を俺がやる。伝える擔當はキリだ。しでも力と魔力の溫存をしてもらいたいからだ。

キリにその旨を伝え、俺はヒューズさんの元へ行く。

「っ!ここはいい。他へ行けっ!」

「ヒューズさん、俺に作戦がある。一旦後ろへ下がって、キリから訊いてくれ。っと」

「...やられるなよ」

「たり前、だっ!」

「ごおっ ︎」

ヒューズさんは納得して後ろへと下がった。

その際にエルダースノウマンが手のひらでこちらを押し潰そうとして來たのであえて飛び、避け側に奴の右人差し指の第一関節部分を切り落とした。

ここいらで挑発でもしとけば俺に集中するかな?

「おいっ!ウスノロの猿公エテコウ!こっち見やがれ!」

「ごおっ ︎」

「うおっと!」

「ごおぉぉぉっ!」

漫畫で読んだ臺詞を思い出したので言ってみたが功したようだ。ていうか通じるんだ。大聲で作戦言わなくてよかったぁ。

拳を振り上げて攻撃して來た。それを難なく避ける。

その後はエルダースノウマンのひたすらのラッシュが続いた。俺がいるところに拳を落としての繰り返しなので地面が(雪だけど)あいつの拳の形をしただらけになった。

怒った最初は攻撃が単調になるので避けやすい。そこは人間もも変わらない。

「はあぁっ!」

「ごおっ ︎」

ラッシュで隙だらけになった背をファフスさんが槍で突きをしたようだ。

「ごおぉっ!」

「っと、危ねぇ」

「ファフス、次はおまえだ!代われ」

「あいよ」

そう言ってヒューズさんがファフスさんの背後から出てきた。それと同時にファフスさんが後ろに飛んだ。

「ふっ」

「ごおぉっ ︎」

ヒューズさんが代わりにったと同時に拳を突き出した。するとエルダースノウマンが數歩下がった。

どうやらあれを使ったらしい。しかし石壁を壊すほどのパワーがあるのに後退りするだけとは、やはり高ランクの魔獣だけはある。

「ごおぉっ!」

「っと」

「ごぉぉぉ...ごぉっ!」

「またかよっと」

エルダースノウマンが視界にった俺に拳で攻撃して來たがそれ軽く飛んで後ろに避ける。

し貯めたかと思えば再び同じ攻撃を繰り出して來たので同じように避ける。

「なっ ︎」

拳の攻撃は避けた。しかし拳が地面に著いた際に俺の方目掛けて雪が飛ばされた。俺は顔を腕で、を片腳を上げてガードする。

ジャンプしたので雪の威力に押され、3メートルは飛ばされた。

痛ぇ。雪だけだったのに當たったところがジンジン痛む。

東は気がつかなかったが僅かに拳を突く際の角度が先ほどからの攻撃とは変わっていたことをヒューズは雪に映る影だけで理解出來た。

「ごおぉぉぉっ!」

「.... ︎」

俺を見失ったらしくエルダースノウマンは辺りをキョロキョロしている。時折平手で雪をひっくり返してもいる。その時、エルダースノウマンのあるところを見て俺は驚いた。

あいつの切り落としたはずの右の人差し指が元に戻っていること。そして、今まで與えていた傷跡も全てが消えていることに。多分背中の傷跡も同じだろう。

どうやら核を砕かないといくらでも回復されてしまうようだ。

「ヒューズさんは右を、俺は左を」

「...ヘマするなよ」

「當然っ」

そう言って互いに反対の方に走り出す。

まずは両側に回っての撹かくらんでどちらに攻撃を繰り出して來るのかを見る。

「ごおぉっ!」

「んっ」

「はあぁ!」

「ごおっ ︎」

俺が攻撃の対象になったので橫に避ける。ただこの雪ではエルダースノウマンも俺を見失う可能が高いので、振った拳が當たらず、あいつの蹴りや死角にらないところに勘で見極めて側にって避けた。

そして攻撃を俺に向けたことで隙が出來たので背後からヒューズさんがうなじ辺り。頸椎けいついと呼ばれる骨に強い衝撃を與えると目眩めまいや吐き気、手指の痺れなどが起こる。

エルダースノウマンを見るとがフラついている。どうやら効いたようだ。

「キリっ!今だっ!」

俺はそう大聲でびながら懐から雷核を取り出し、魔力を多めに流してエルダースノウマンの核目掛けて投げる。

火炎核を使ってもよかったのだが、萬が一エルダースノウマンに引火してしまうと最悪の場合水蒸気発が起こってしまう可能があったのでやめた。

「っん!」

「ごぉっ ︎」

エルダースノウマンの短い悲鳴が聞こえたかと思うと隣から雪煙が舞ったので視線をそちらに向けるとキリが剣を構え直した。

「ごおっ...ごおぉぉぉ....ごおぉおぉぉおぉ...!」

エルダースノウマンがび出したので思わず視線を向けるとの紅い核の近くを抑えながらんでいる。

よく見ると核の真ん中くらいに割れた跡がある。どうやらキリがやってくれたようだ。

割れた跡に亀裂が走り始めた。

「ごおぉぉおぉおぉぉ...ごおぉ...おぉぉ...ごおぉぉぉぉぉ!!!!」

「「「 ︎」」」

パキンッとガラスの割れた音が響いたかと思うと核が飛び散った。そしてその核が雪の上に落ちると地面へと潛る。

すると徐々に雪が盛り上がり始め、それはやがて知っている形になった。今も他のみんなが戦っている魔獣。スノウマンだった。

それが何も何にも増える。

「これが...集隊...」

ティアさんから聞いていたエルダースノウマンの固有能力が頭を過よぎった。

「ごおぉぉっ!」

「きゅう...きぎゅう....ぎゅうぅ!」

「「「「「「ぎゅうっ!」」」」」」

スノウマンたちが例の兇暴化の姿に変わりあちらこちらへと駆けて行った。もちろんこっちにも。

「くっ」

5のスノウマンが俺とキリ目掛けて走って來た。

俺も剣を構える。

大半は俺が倒さないとな。キリは迅速を使ったばかりだし。

「ぎゅうっ」

「...まず1っ。次っ....」

飛んで爪攻撃をして來たスノウマンの爪を切り落とし、そのまま剣を押し切って上半と下半を別れさせる。そして頭からへ、次に首から左脇腹(しズレたけど)、最後に鼻あたりを真一文字で切って1目を終わらせる。

休む暇なく次のスノウマンを倒しに行く。

「ごおぉっ!」

「ぐふっ ︎」

「ぎゅうぅっ!」

「ぎゅうっ!」

「くっ ︎ぐっ、邪魔だ!」

「ぎゅぅっ ︎」

「えっ!」

5目のスノウマンを倒したかと思えばまだまだ襲いかかって來たスノウマンたちに集中していたため後ろからの攻撃に反応出來ず、もろに喰らってしまった。

數メートル吹っ飛ばされたがなんとか立ち上がれた。しかし呼吸を整える間もなく近くにいたスノウマンの爪攻撃を喰らいそうになったがそれを腕でける。

しかし2いたようで背中を切られてしまった。痛みに耐えながら前にいたスノウマンに橫蹴りをお見舞いした。蹴ったスノウマンはかなりの距離まで飛んで行った。

さらに腰を振って後ろにいたスノウマンを左腳から右目を超えて真っ二つにする。

雪へと姿を変えたスノウマンから出てきた核を踏んで々にする。

「はあ、はあ...いってぇ....」

そう言いながら治癒核を取り出して傷を癒す。やはり一番痛むのはエルダースノウマンに毆られた方だ。今もまだ痛みが走る。

周りを見回してみるが、やはり他のところにもスノウマンが數、ニーナとサナ、リリーの3人のところには戦っているやつと近くで俺らを探しているやつ合わせて十數はいる。

ヒューズさんもスノウマンを倒しながらエルダースノウマンと戦っている。

近くにいたスノウマンを毆り飛ばしたかと思うと上からエルダースノウマンが拳を振り下ろした。

「ヒューズさん!」

しかしヒューズさんは後ろに飛んで拳を避けた。

エルダースノウマンが拳を退けるとヒューズさん目掛けて攻撃して來ていたスノウマンが雪へと変わるのが見えた。

まるで見えていたかのようなきだ。

他のみんなも苦戦はしているが倒せていない訳でもなければ大怪我などを負っている人もいなさそうだ。

俺はそれに安心しつつも、の核を砕いたにも関わらずピンピンしているエルダースノウマンについて考える。

魔眼には核の數は書かれていなかったが、複數あればステンチスライムの時のように表示されると思う。つまりやはり核は一つということ...

「ならどうして倒せなかったんだ?」

俺は訳が分からず髪を掻かき毟むしる。

「ぎゅうぅっ!」

「ふんっ...ん」

橫から切りかかって來たスノウマンの首を跳ね、雪の姿になり転がり出てきた核を踏んで々にする。

とりあえず今分かっていることをまとめよう。

核は一つ。しかしその核を壊したがエルダースノウマンは倒せず、むしろこちらが不利になった。

「.....待てよ、もしかして」

俺はそう思いし魔眼の魔力を減らして遠くにいるエルダースノウマンを見る。遠いのでし見難いが、俺が思った通りだった。

最初から魔眼にも書いてあったのだ。「塊の中に核がある」っと。つまり俺らが壊そうとしていたのは核だったがエルダースノウマンの核ではなかったと言うことだ。

そうと分かればかなり大変だが勝ち筋は見えた。早速ヒューズさんとキリに伝えないとな。

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