《異世界に転生したのでとりあえずギルドで最高ランク目指します》報告、そして久々

料理対決を終えたがテリオスの一件で會場はグチャグチャになってしまった。怪我人が出なかったのが幸いと言ったところだろう。

リリーも気絶させられただけだったし。

とは言え、心配だったのでミルフィーさんに適當な挨拶をしてから帰ることにした。

「すぐに迎えを寄越す」

と言われたが俺が呼んだのが既に來ていると言って斷った。

無論噓だ。ミルフィーさんには悪いが馬車で何日もかけていられないのだ。

家に著いてから醫者のところへ行こうとポールさんに訊いたが王都に醫者はいるにはいるがそれほど腕が立つわけではないそうだ。

「私が診ましょうか?」

と言われたので診てもらうことにした。

「脈拍やに目立った傷なども無いようです。旦那様の話し通り気絶しているようです」

「よかった」

「ですが私に分かるのはここまでですので、もし翌日になっても目が覚めないようでしたら醫師に診せて下さい。至らなくて申し訳ございません」

「いやいや、助かった。ありがとな」

「勿ない言葉です。有難うございます」

そう言ってポールさんは仕事に戻ると出て行った。俺にもこれ以上は何も出來ないのでキリたちに事を話して後を託した。

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翌日、リリーは無事目覚めたとニーナから聞き、急いで部屋へ行った。

部屋にるとリリーはベッドの上で上半だけ起こしていた。

「俺が代役なんて頼んだばっかりに、悪かった。ごめん」

部屋にって第一聲で頭を下げて謝った。

「そんな、ボクが油斷してただけだよ。だからアズマは悪くないんだから頭を上げてくれ」

「でも俺のせいで...本當にごめんな」

「もういいよ。それにボクの意図を汲み取ってくれてありがと」

「ああ、おかげで何とかなった。ありがとな」

「どういたしまして」

そう言ってにっと笑ってくれた。俺はそれを見て優しいリリーに謝と申し訳なさが思えたがつられて俺も笑うことにした。

______________

數日後、神様から先日のことで話があると呼ばれたのでゲートを開いて王宮へ向かった。

「今回呼んだのは先日の料理対決での事でね、テリオス子爵は前回言った通り爵位の剝奪。その後彼の家から出て來た犯罪などを考慮して財産沒収と家族諸共永久國外追放の刑になったよ」

そう笑顔で言う神様。

「そこまでするか?」

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「前にも言ったけどどの國も奴隷を所有するのは固く止されている。例外の國はあるけど、基本は重い罪の一つだね。それに彼の場合量が量だったからね」

「結局何人だったんだ?」

「一七人」

「結構多いな」

「しかも殆どがミルフィー婦人が雇った料理人だったよ」

「そうか....シルスさんはあの後どうなった?」

「ちゃんと返したよ、テリオス元子爵から沒収した資金から謝料などを含めてね」

「ならよかった」

シルスさんとは今回のテリオスの奴隷所持を証言してくれたミルフィーさんに雇われた料理人でテリオスに奴隷にさせられていた人だ。

奴隷にするのに必要なのが、所有者、奴隷になる人、そして隷印だそうだ。

隷印とは対象を奴隷にさせる焼印型の魔道だそうだ。それを焼印と同じようにに押し當て跡を付ける、これで隷印された対象は所有者の奴隷となるそうだ。

しかしこの魔道はこの國には輸品として輸していないので、他國から奴隷を買うか、裏で隷印を買うしか方法はない。所持しているだけでも罪になるそうだ。

その刻印は刻印の所有者の魔力を使い奴隷の所有者の命令を強制的に聞かせる。魔力は脳にも通っているため逆らうことすら出來ないそうだ。

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そんな刻印をされていてもシルスさんは俺に協力してくれた。まあ神様から聞いたやり方を実行して功したので協力出來たのだが。

隷印は刻印の所有者の魔力を使って命令を聞かせているのならその魔力の流れを変えてしまえばいい。そうすれば刻印の所有者は命令を聞かなくていいのだから。

つまり俺がドレインで隷印に魔力を送るということだ。ただこれでは刻印の所有者(以後被害者と記載)の魔力が一方的に増えるだけなのでドレインを行なっていない方の手でドレインを行い魔力を吸う。これで隷印の効果は被害者には及ばない。

隷印は効果がなければ火傷と同じなので被害者に治癒核を渡して火傷を消してもらえば晴れて奴隷から解放されるというのが神様が出したアイデアだ。

だが言うのは簡単だが実行は難しい。魔力を吸う量を失敗すれば被害者が倒れる。しかしないと俺の魔力がに流れて結果は変わらない。

かなり時間はかかったが何とか功させることが出來た。

それで協力してもらえたのだ。

「でも、結局神様に助けてもらったな」

「ふふふっ、まあ神だからね」

「釈然としない気分だ」

「酷いなぁー、まあ楽しかったからそれでも良いかな」

「人が苦しんでるのがか?」

「いや、アズマくんが頑張っていたところや魔力調整で四苦八苦しているところとかを観ているのがだよ」

「変態か!」

「冗談だよ、半分くらいわね」

つまり半分は本気ってことだったんだろうけど突っ込むとまた調子乗りそうだからやめておくことにした。

あれ?そう言えば...

「なあ、あの作戦って何で功したんだ?」

「どういう事?」

ニヤケながら訊いて來る神様。多分質問容を把握しているのだろう。

「だってあの作戦だと、俺が隷印の効果をけるんじゃないのか?」

神様はその質問を待っていましたと言わんばかりに顔がニヤケた。

神様が手招きをするので近寄る。

「今からアズマくんの固有能力の『麻痺』を私が使っえば分かると思うよ」

「は?」

神様の言ったかと思えば既に神様は俺にれていた。

しかしに異常はない。普通にく。

「分かったかい?」

「いや...分かったと聞かれても、は普通にくし...失敗したのか?」

「グラ様...」

「あはは、まあだろうね」

紅茶を持って來てくれた後神様の近くにいたトールさんが呆れたじで神様の名を呼んだ。

「私から説明した方が良さそうですね」

トールさんが呆れた顔のままそう言った。

確かにこのまま神様が続けているといつものように俺で遊ぶかもしれないから、今はトールさんに任せた方がいいだろうと思う。

神様は笑顔のままなので別に構わないのだろうし。

「では、アズマさんの疑問ですがそれは神の、グラ様の加護をアズマさんがけているからです」

「.....はい?」

「グラ様は貴方がこの世界に転生なさる際に『神の加護』を與えました。その加護により貴方には狀態異常無効・・・・・・が備わりました」

「....待って、今頭の中を整理するから」

トールさんの説明に困し始めたので待ったをかける。

えっと俺にはこの世界に來てから狀態異常が無効になるようになっていた。つまり神様のおかげで俺は隷印の効果をけなかった...と。

それなら理解は出來ている。問題なのはそこではなく前だ。

俺はリリーの固有能力でバフを付與されている。あれも言ってみれば狀態異常だ。

しかしそれが神様の加護で無効化されていたのならエルダースノウマンや黒裝束の時はなぜ上手く行った?もしかしてバフは狀態異常から除外されるのか?

「いいえ、彼の固有能力も『神の加護』により無効化されていました」

考えている途中でトールさんが俺の疑問に答えてくれた。

つまりどちらの時もバフの効果をけていなかったのに功したと。そんなことあり得るのか?

「アズマさんがそれを可能にさせたのです。人間問わず生は思い込みなどで功をす事はざらにありますので」

「そんなことで ︎」

「そんな事でです」

トールさんは淡々と答える。

つまり俺はリリーの固有能力で力や速さが上がったと思い込んで行したっと...

「もっと早く教えてくれよ!仲間危険にさらすとこだったじゃねえか!」

「ごめん、ごめん。私も言おうとは思っていたんだけどね。ついね」

この神様ひとの場合信用が出來ない。多分ワザと言わなかったのだろう。楽しむために。

「ちなみに『神の加護』はアズマくんだけに與えている訳じゃないからね」

「つまり他にも転生者がいるってことか?」

「いや、この世界にいる転生者はアズマくんだけだよ」

「じゃあ一誰に與えてんだ?」

「全生命かな」

「はい?」

思わず変な聲が出てしまった。

「どういう...」

「アズマくんが居た世界にも居たでしょ?歌や踴り、スポーツが上手い人、勉強や、出世が上手く行ったりする人など。それら全ては何らかの『神の加護』をけて生きているんだよ」

「え ︎」

驚いて思わず聲が出た。

や蟲、草木までも全てに『神の加護』が與えられる」

「神は八百萬居るけど気紛れで一つに大量の加護を與える事もあるよ」

「つまり完璧人間のことか?」

「そう」

完璧人間。つまり容姿端麗、スポーツ萬能、績優秀な人のこと。

「アズマくんが転生する時に私が気を利かせて・・・・・・『神の加護』を與えたんだよ?」

「ああ、そりゃどうも」

「冷たいなぁー」

當然だ。その加護が邪魔であの時リリーを助けられなかったらと思うとこういう態度にもなる。

まあ力不足だった俺が一番悪いから、そこまで冷たくする気はない。それに考えてみればかなりありがたい加護なのだから謝している。

だが、言葉にはしない。したら調子乗りそうだからである。

その後は適當な話しをしてゲートで家へと帰った。

神様からテリオス元子爵の処分報告をけてから數日後、俺たちは久々?にギルドへ來ていた。

今回は全員暇だったので全員參加である。

早速クエストをけようと思ったがリリーはギルドに登録をしていなかったので先にそっちを済ませに行った。

分からないことはないとは思うけど一応ニーナにも追ててもらうことになった。

「へへへ、兄ちゃん可い子達と一緒にいるじゃねえか」

「ちょっと俺らにも貸してくれよ」

そして毎度のことながら変なのに絡まれる。

今回はゴツい格のスキンヘッドと金髪、いや黃に近いモヒカン。

この展開は結構あったのでだいたい慣れたのだが、最近なぜかギルドや街中で周りの人たちがニヤニヤしながらこっちを観ている気がする。

「おい、訊いてんのか?怖くなってけなくなっちゃったのかな?はっはっはっ!」

「くくくく」

毎度のことなので呆れている俺がビビってけなくなったと勘違いしているようで大笑いする二人。

周りも二人の笑いに釣られるようにそこらかしこから笑い聲がれている。

ちょっとー、背後の婚約者さんたちー。攻撃しようしてるでしょ。やめなさーい。みんなシャレにならない強さなんだから....

「はあー....おっさんたちの相手してる暇ないからとっとと帰れ。そしたらこっちも手は出さないから」

半ば背後で構えている人たちを止める言い方でその場をしようとする。

「ああ!んだとこの鬼!」

「こっちが優しくしてれば図に乗りやがって!お前終わったからな?泣いて謝っても許さねえからな!」

が、世間はそんなに甘くなかった。

言い方が悪かったのは自負しているが、今モヒカンが言ったようにこちらが優しくしても図に乗られてしまうので仕方なくだったのだが....

「分かった分かった。じゃあ他の人に迷かからない場所で」

「んな事知るか!死ねぇっ!」

そうダガーを抜いて斬りかかって來るスキンヘッド。それを刃が當たらないギリギリで避ける。

次にモヒカンもカトラスで追い討ちをかけて來たがこれもギリギリで避ける。

遅い。

それからは二人の連続攻撃をただただ避けるだけとなった。フェイントもなければ何かしらの技を使うわけでもない。

素人の俺が一丁前にそんなことを言うのも可笑しいのは分かっているが、それだけ彼らの攻撃が単純なのだ。

「はあ、はあ、はあ....何で一撃も當たらねえんだ...はあ、はあ...」

「化けか、こいつ....はあ、はあ、はあ....」

失禮な!人間だわ!

「疲れたんだろ?ならとっとと...」

「うるせえ!その減らず口を叩き斬ってやる!」

「それにだ!逃げてばかりでは俺らボアアガロンを倒せると思うなよ!」

息を切らしながらそうぶスキンヘッドとモヒカン。

ボアアガロン?どこかで聞いたような、いないような.....忘れた。

「はあ...じゃあしばらくくな」

「ぎっ ︎」

「うあっん ︎」

トンっと二人の肩に手を置くと短い悲鳴をあげてその場に崩れ落ちた。モヒカンから変な聲が聞こえた気がしたが気のせいだろう。

「「「「「「しゃあぁぁぁぁぁっ!!」」」」」」

スキンヘッドとモヒカンが倒れたとほぼ同時にさっきまでこちらを観て笑っていた人たちが立ち上がって喜びの聲を上げた。

「ざまあみろ、ボアアガロンの奴ら。こっちにはあの小僧がいるんだ!」

「いつもスカッとさせてくれるけど今回のは相手が相手だけあってさらにスカッとする!」

「酒が進むぅ!」

などとんでいる。

狀況がいまいち把握出來ないので近くで酒を飲んでいるおっさんに話を訊いた。

俺が倒したこの男たちはボアアガロンという集団の一味らしい。そのボアアガロンは前にも暴れていたけどどこかの子どもがそいつらを倒したそうだ。

それから數ヶ月は大人しかったのだが、次第にまたやりたい放題暴れ出したそうだ。

んで、その一味のやつらがギルドに來て冒険者から金を巻き上げて帰ろうとしたところで俺たちが來たとのこと。

ここで毎回絡んできた人を返り討ちにしていたため俺のことを知っていた人たちはニヤついたりしていたそうだ。

「終わったよぉ」

「怪我とかしてないですか?」

「ああ、何ともないよ」

リリーとニーナが戻って來た。

「さ、気を取直してクエスト行くか」

「はい」

「ええ」

「ん」

「ええ」

「うん」

クエストをけにけ付けへ行く。

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