《創造の力で異世界無雙~言霊使いの異世界冒険譚》エピローグ

カチャ━━無人の部屋にひとつの小さな音が響いた。耳に掛かるくらいの黒髪に整った顔立ちの青年が大掛かりな荷を持って帰ってきた。

時刻は22時30分、基本的に普段はこの時刻に家の主━━墨佳幸すみよしこうは帰ってくる。

幸は家に帰ると、著をぎ洗濯機に放り込んでから風呂にお湯を溜める。その間に夕食の支度をし、風呂にってからゆっくりと夕食を食べる。

これが4年前からの彼の日課である。4年前というのはそれ以前に、彼が施設で育っていた為、高校にってからバイトをしながら一人で暮らしているからである。

5歳のときに事故に巻き込まれ、幸は奇跡的に助かったものの家族は亡くなった。それから施設で育った幸は、いつの頃からか院長が経営しているという古武道場に通うようになっていた。院長の心匠で施設の子供が運不足にならないように、決まった曜日はいつでも道場に通っていいという、かなり恵まれた待遇だった。

初めは興味がなかった幸だが、他の子から一緒に來てしいと頼まれ付いて行った時に、筋がいい、と褒められたのが通い始める切っ掛けになったと思う。

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そしていつの間にか道場で一番強くなり、全國での優勝が多くなっていた。

さも當たり前のように優勝する幸は、開催者側から暫くの間は參加を遠慮してもらいたいとお願いされ、ココ最近は參加しなくなった。

涼しい顔をして優勝をする幸のことを芳しく思わない奴からのやっかみがあったのもひとつの要因だった。がない訳ではないのだがを顔にだすのが苦手なだけなのだ。

今日も練習を終えて汗でベタつき、疲労したを癒すためにゆっくりと風呂にり、飯を食って眠くなり布団にろうとした時だった。電気を消し暗くなった部屋がだんだんと明るくなってきた。最初は車のライトかと思ったが、ここは13階で車のライトなんて屆かない。どういう事かと訝いぶかしんでいると床に魔法陣の様な模様が浮かんできた。取り敢えず円の中から出ようとした時だった。ここから出させないようにか足が床に引きずり込まれていた。

「は!?待て!噓だろ!?」

咄嗟にベットの縁を摑むが如何せん引きずり込む力が強過ぎた。ベットから離れた手が何かを摑もうと虛空で開き、閉じた時には誰もいない、いつも通りの部屋がそこにあった。

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目を開けてみるとそこには何もない真っ白な空間があった。いや、もしかしたらそこは空間ではなく部屋の様なものかもしれない。そんな曖昧な場所で辺りを見渡していると、突然

「はじめまして、墨佳幸さん」

と聲が聞こえた。振り返りそこにいた人に驚いた。銀の髪に赤い目、10人中10人綺麗だと言う程の顔立ちに出るところは出て引き締まった。自分に気付かれずに近くまで接近された事にも驚きながら今のこの狀況を尋ねた。

「ここは・・・・何処なんだ?あんたは誰だ?」

「ここは神界とでも言う所です。私はメルセディア、創造神をやっています。」

「殘念系だったか。」

「違いますから!歷とした神様ですから!」

「・・・・・・冗談はさて置き、その創造神様とやらは俺に何の用があってここに呼んだんだ?」

涙目でこっちを見てくるメルセディアにドキッとさせられながらも疑問をぶつけた。

「冗談キツいですよ・・・・コホンッ、あなたにはこれから異世界へと転生していただきます。」

異世界?あの魔法やら何やらが使われている異世界?

「あちらの世界では魔法が使え、能力はステータスに依存します。あなたは大変気にったゲームがありましたよね?」

自分の力の限界がここまでだと思っていたが、古武をやっていても自分の限界を超えて活することが出來なく、もどかしい気分になった時に出會ったのがVRMMORPGだった。VRの中では自分の限界を超えてかせて現実世界よりも速く、強くけたのが自分の求を満たせることができた。しかし、何故その事を知っているんだ?俺個人のことをこの短時間で調べたのか?するとメルセディアは申し訳なさそうに話し始めた。

「申し訳ありません。あなたのことを調べさせていただきました。個人報故にこの様な事はしてはいけないのですが特例として他神にも了承を得て、調べました。あなたには確認もせずに覗きましたことを謝ります。申し訳ありませんでした。」

「あぁ、いや、それは別段それはどうでもいいんだが何故俺が異世界に行くんだ?他の奴らでもいいんじゃないか?」

「普通の人では駄目です。異世界へと行っても必ず生き殘れる力、そして悪の道へと進まない人じゃなければいけなかったのです。大抵の人は生き殘れずに死んでしまう、もしくは強大な力を持った事により悪へと進んでしまいました。そこであなたが出てきました。あなたがやっていたゲームには悪の道へと進んでしまえば簡単に強大な力が手にります。しかしあなたは悪を選ばずに自分の力だけでトッププレイヤーと呼ばれる方達に並びました。それがあなたを選んだ理由だったのです。もうひとつ言えばそれが出來たのはあなただけです。」

そうだったのか・・・・ゲームの中で変な奴らが絡んでくるなと思ったらそうゆう事か。ウザくてぶっ飛ばしてたけどそんな意味があったのか・・・・しかし皆狡いな、そんな力を使うとはな。それも強くなる為の選択だったんだろうが

「俺が行きたくないと言えば行かなくて済むのか?」

「えぇ、行くも行かないもあなたの自由です。それを決めるのは最後の説明を聞いてからにしてください。」

最後の説明と言われても異世界とやらはステータス次第で自分の限界がないんだろう?だったら答えは決まっている。

「いや、聞くまでもない。行くさ。異世界にな。」

「聞かないのですか・・・・・・わかりました。では最後に私達からの加護を與えます。そして今回は急なお願いでしたのであなたがむものをひとつだけ葉えて差し上げます。」

加護か・・・・しかし、達とはなんなんだ?1人しか見えないが・・・・

「いやはや、遅れて済まない。」

「申し訳ございません」

「・・・・・・」

・・・・・・!?こいつら今上から來なかったか?いや、來るって言うよりも降って來たよな?なんなんだこの神共は、そういう習慣でもあるのかよ。

「では、紹介させていただきます。

右から武闘神レオナード、魔導神ガルドゥー、そして最後に魔神ディアボロです。この方々の加護を與えます。」

魔神だと?何故そんな奴がここに居るんだ?

「待ってくれ、武闘神や魔導神はわかるが、魔神って悪者とかそういうじの敵じゃないのか?」

「オイ貴様、我があんな奴と同じだと?喧嘩でも売ってるのか?」

「やめなさい。ここに喧嘩でもやりに來たんですか?それだったら私が相手になりますよ?」

「・・・・ッチ、我はもう戻る。加護は與えてやった。じゃあな。」

「カッカッカッ、彼奴もまだまだ子供だな。紹介にもあったように、オレは武闘神レオナード、戦いにおいては右に出る奴はいない。その加護を貰えるんだ。謝しろよ?カッカッカッ」

「仕方がない事です。ディアボロも神になったばかりですから。私は魔導神ガルドゥーです。魔導においては右に出る者はいません。あなたに私の加護をお與えします。頑張って來てくださいね。」

魔神はツンデレ、武闘神は憎めない奴、魔導神は基本的に優しそうだが怒らせると怖そうだな。

しかし、そうだったのか。魔神ではなく敵は邪神とかそこら辺の奴なのだろうか?まぁ、行ってみれば分かるか。

さて、加護も貰ったし、後はむものだな。

「あぁ、ひとつ言い忘れていました。あなたがお気にりのゲームのステータスをそのまま反映させています。お詫びの気持ちとしてけ取ってください。」

マジか!?だったら本當に異世界最強なんじゃないか!?まぁ、でも上には上がいるからな、調子に乗っては駄目だな。

「それでは、あなたがむものをひとつだけ葉えて差し上げましょう。もうお決まりですか?」

「あぁ、既に決まっている。むもの・・、だろ?」

「何か発音が違うんですが・・・・嫌な予がします・・・・」

「いいだ。俺がむ者は・・・・・・あんただ、メルセディア。俺はあんたをむ。」

「!?・・・・・・・・ふぇ!?わ、私ですか!?そ、それは出來ませんね」

マジか・・・・なんでもって言ったのにな・・・・結構ショックなんだが・・・・しかしそうすると新しく考えなければいけないな・・・・ステータスUPとかそんな所だろうか・・・・メルセディアを連れていけないのは結構くるな・・・・どうしようか・・・・

考えながら俺が落ち込んでると、お爺さんっぽい聲が聞こえてきた

「ほっほっほ、面白い事を言うのぅこやつは。」

どっから出てきたんだよ・・・・・・何か新しく神様出てきたぞ・・・・・・神様何人いんだよ。口調からして結構偉い神様っぽいけどな。・・・・世界神とかそんなんだったら面白いな。

「!?せ、世界神様!?どどどどどどうして!?」

フラグ回収お疲れ様です。

「ほっほっほ、な~に、こやつはそこらの人とは違うようじゃからな。葉えてやろうかと思ってな。それにメル、お前さんはなんでもと言ったはずじゃ、ちゃんと葉えて差し上げなさい。」

「で、でも私が居なくなった後はどうするんですか?後継なんていませんよ・・・・?」

「そこは大丈夫じゃよ。儂がちょっと働くからな、儂もいつまでもニート生活をしなければな。」

「・・・・はぁ、わかりました。では幸さん、私をむという事でしたので特別に付いて行きます。特別ですよ?・・・・・・こんな事なかったのになぁ・・・・・・」

メルセディアが世界神様に説得され、一緒に行くことになった。世界神様、ありがとうございます。

メルセディアは世界神からメルって呼ばれてるのか・・・・

俺もそう呼ぼう。

「そういえば、転生って言ってたけど転移とは違うのか?」

「えぇ、転移はそののまま異世界へと飛びますが、転生は魂を異世界へと送り込み、赤ん坊、もしくはある程度育った人の中に貴方の魂がります。ですので、地球に帰れますが、幸さんを知っている方はいないので特に帰る必要も無いかと思います。」

意味が無いのか・・・・このまま異世界に行くのもなぁ・・・・

「そう・・・・・・か、・・・・今からしだけ帰ることは出來るか?」

「えっと・・・・しの時間だけですが可能ですね。やり殘した事でもあるのですか?」

「置き手紙を書くだけだ。急に居なくなったら警察やら何やらと騒がしくなるだろ?何らかの理由をつけて騒がせないようにするだけだ。」

「わかりました。では、私達からの説明は以上です。他に質問はありますか?」

「無いな。」

「では、書き終わったら私の名前を呼んでください。お迎えに上がります。」

    メルセディアがそう言うと目の前が真っ白になっていき、目を閉じてしまった。目を開けた時にはいつもと変わらない自分の部屋がそこにあった。

    帰れるとは言っても最後だからな、掃除してから行くか。手紙は書いたし、連絡もれたから大丈夫だろう。4年もここに住んでいたんだな・・・・・・

それじゃぁ行くか

「メル!」

「・・・・・・・・ハイ、お迎えに上がりました。それでは行きましょうか。」

俺が呼んだら直ぐに來てくれた。急に現れると案外驚くな。

現実世界への寂しさと慨深さを滲ませながら幸とメルセディアは異世界へと旅立った。

「・・・・今までありがとう。」

誤字字などがあればコメントお願いします。

すみません読みづらいかと思います。

こうした方がいいなどがあればお願いします。

2018年12月11日/修正

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