《かわいい俺は世界最強〜俺tueeeeではなく俺moeeeeを目指します〜》14話 どこの漫畫だよ
デートとは。
日時を決めて、待ち合わせ場所を決めて誰かと會うことを指す。
的に言えば。食事で奢らせ、ショッピングで奢らせ、観で奢らせ、映畫で奢らさせ。……まあこれは俺の視點なので一概には言えないが。ろくでなしだな俺。
とにかく、一緒に出かけて楽しむという事だろう。
社的にだとか々種類はあるが、もちろん的な意味でも用いる。
々と的に、というか生々しくなってしまったけども、そういったことを楽しむということよりかは、それらを通してを深めたり確認したりするという方が主目的だったりする
今回俺は、的なデートをするともいえるが、その反面、冒険者協會の仕事でという社會的なデートとも言える。もっとも、対象であるアレンは完全に的な意味だろう。そうじゃなきゃ困る。
「張してきた」
ここに來て言うけど、俺、的なデートしたことないんですよね。
だって、俺こんななりしてるけど心は男だから、男子を相手に慕を抱かないし、かといって子が相手だと大半がマスコット的扱いをしてくるから対象にしたことがない。
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だから俺が今までしてきたデートはクラスメイトをはじめとした々な人と親を深める、社的デートに限られたわけだ。てか、的デートなんてしてたら々と問題だろ。
そんなわけで『カナデちゃんはじめてのでーと』が開催されるわけで、そりゃあもう々と準備してきた。いやあ、やることは同じなのに心持ち一つで違う覚になるとはね。
々と準備してきたと言ったけど、大まかな流れしとかしか考えていない。細かい部分は、男であるアレンに任せたほうが自尊心を盛り上げられそうだし、何よりも俺は似非清楚、がつがつ行くのは厳だ。
こちらからの要はいざという時の切り札にとっておいた方がいいし。
服は、一杯頑張った。オシャレした。いや、この世界だとそこまでオシャレできないんだけど、それでもしはマシになるようにした。俺、裁も出來るので、子力パナいので、アレンジしちゃった。
ではここで、カナデプレゼツのファションショーをどうぞ。
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元々は足首まであった深い青のシンプルなワンピースは、ハイウエストで絞りミモレ丈に。ウエスト下部は元の青と、別から持ってきたスカイブルーが互になるようにい合わせた。いわゆるプリーツ狀にした。
あとは配のバランスが良くなるよう調整。飾ったり切ったりをして完全。
靴も新品のものにした。オシャレは足元からとも言うしな。
そんなわけで、こんなわけで。元のものとはだいぶ違う服が出來たわけで、これが勝負服となった。勝負下著はない。
しかしこの世界じゃ見ないようなデザインだから不安ではあったけど、リディアさんに聞いたところ好評。
よかった、と安心していたところだ。
ちなみにこれ、いつ作ったのかというと昨日夜、というわけじゃない。昨日は疲れてたし、デート前日は早く寢るべし。
寢不足は敵だし目元の隈は大敵。おにも気を使うから、前日にそんなことはしない。
じゃあいつかと聞かれれば、それは毎日と答えるしかあるまい。つまり何が言いたいのかと言うと、アレンの理想が判明していた時點で、勝負服を作り始めていたのだ。だって、いきなりやると疲れるし時間ないから。
そんな描寫なかったよ、なんて言われるかもしれないが、全てを記せと言うならば、わたしのおしょんもということになるが、それは違うだろう。そういうことなのだ。
……けど、自分で言っていてなんだけど、俺の努力の力作とおしょんを同列にするのは、やや抵抗があった。
うん、カナデはー、おしょんなんて行きませーん。お花摘みでーす。
これならお花摘みと同列ということだから、あらやだ、なんか素敵だわ。
なんて張のあまり変な思考回路を走らせてもいれば、あっという間に時は來た。
待ち合わせはお晝過ぎに中央広場、そこにある一番背の高い木の元。石造りの広場で、噴水でもないのかなぁとも思ったけどなかった。
私はし早く來ていた。理想変化は午前中にして來ているので、問題はない。先手必勝、待ち構えることにしたのだ。
流石にお晝過ぎとあって人が多い。それでもそこらの市民が來ている服とはデザイン的に若干違うからか、かなり目立っているという自負がある。視線が凄いし、遠巻きに見ている男もいる。
あ、今なんか蹴られた奴いるな。ごめんね、彼さん。
まあ見られる分にはまだいい。そんなものには慣れてるし。ただ、それ以上となると慣れているとはいえ、めんどくさくなる。
的には、そう、今みたいなのだ。
「お姉さん、暇なの? 一緒にご飯でも食べに行かない?」
ほう、口説き文句としてはあれだな、ありきたりだしタイミング悪すぎだろ。お晝過ぎだよ、今。晝飯なんて食ったばっかに決まってんだろう。それにさ兄ちゃん、視線が上下にねっとりとし過ぎだから。じるじる、超じる。下衆な考えが。
「結構です。待ち合わせをしているので」
「じゃあちょっとお話しするだけでもさ」
「すいません。もう來ますので」
「あ、名前まだ言ってなかった」
……めーんどくせぇーっ! 
が強調されるデザインにしたのが悪かったか? いやでも、の出を控えた分これくらいはアピールしなきゃいけんし。
むぅ。これは、アレンが來るまで適當に流すか。
「ねえねえ聞いてる? お姉さんの名前教えてよ」
聞いてねぇよ。空気読めよ。だからモテないんだよ。決めつけちゃったけど。いやでも絶対モテないだろ。會話の仕方とかその他諸々が、ダメ男オーラを醸し出してるんだよなぁこの兄ちゃん。
「あの、もういいですか? しつこいです」
「えぇ、まだなんも喋ってないじゃん」
「私には喋ることはありません」
しっかし、來ないなぁ。先手必勝と早くは來たけど、勝手かもしれないが、遅い。そうじてしまうのも、この兄ちゃんのせいなのだが、それを抜きにしてもそろそろ來ていい頃だ。
と、思っていれば、噂をすればなんとやらで、行きう人の中にアレンを見つけた。人混みの中アレンを見つけられたのは決して俺の乙サーチが起したわけじゃなくて、普通にアレンが目立っていたからだ。
市民というのはそこまでいい布を使った服を著ていない。俺も多デザインを変えはしたが流石に布をどうこう出來るわけじゃないので、そんじょそこらのものと変わらない。
そこにアレンだ。
見てわかる、いいやつやん、高いやつやん、全然ちがうじゃあ。それにデザインとか刺繍とか凝っていて、麗というのが似合う代。ざっくりといって、貴族様だぁというじだ。
異世界モノアニメのメインキャラの獨特な服と、モブキャラのもはや背景と言えるくらい質素な服というくらいの差。まさに主人公と背景といったところか。
日本なら王子様っ、と呼びたくなってしまうがこの世界では普通……貴族では普通なのでそう呼ぶわけにもいかない。が、ここはひとつ白馬の王子様らしくしてもらおう。まあ白馬はいないけど。護衛さんがいるよ。
「あの、迷です」
ちらちらっと、視線を送る。
タスケテー、シラナイヒトニシツコクサレテルヨー。
棒読みになってしまうけど、それくらいあからさまに送る。確実を期すためだ。
「ん?」
これには流石に違和を覚えた様子を見せる兄ちゃん。
俺の視線をゆっくりしてと辿って何なのかを確認する兄ちゃん。そして何なのかを理解して、じゃあねっと言ってとんずらしようとしてしたそこに、アレンの聲が屆く。
「待て」
ビクッとして立ち止まる兄ちゃん。
アレンは足早に、しかし高慢にこちらに向かって來た。いつもならここで俺に一言あるのだけど、そんな事よりも今は兄ちゃんに用があるようで、俺は素通りされた。
「貴様、名は?」
「ヘクトールでございます」
「そうか。今、何をしていた」
ぐっと答えるのに詰まったが、言い辛そうにしながらと答えた。まあここで答えなかった、そっちの方が問題だというものだ。
「そこにおります見た目麗しいご婦人とお話しをしようとしておりました」
「下心はあったのだろう?」
「……はい」
そりゃな。明けけだったよ兄ちゃん。だから顔を青くしてるけど、バレバレだったんだから関係ないって。
ここまでくると周囲には好奇心に駆り立てられ見する人だかりが出來ていた。後から來た人に事経緯を伝える聲で若干騒がしく、それと反比例するが如くアレンとヘクトールは靜かだ。
誰もが次の一言に期待していた。期待とは言い方がアレかもしれが、そう、見人はおもしろおかしくなる事を期待しているのだ。
何故わかるって? そりゃあ人間、他人の不幸はの味って言うものだし、表がそう語っている。隠しきれていないのだ。
かくいう俺も、若干というかだいぶそちらに期待してしまっている。
あんだけ執拗に絡んで來てあまつさえ逃げようとしたやからには、それ相応の罰が必要だろう。
という建前があるけど、本音で言えば普通にヘクトールが嫌いだから。嫌いになったから、罰をけろと思う。
永遠にもじられるだろう、きっとヘクトールには。俺はせいぜい數秒だったけど。それだけ経ってーー僅かな間が開けてアレンも口を開いた。
「貴様、このの良さがわかっているではないか」
……は? きっと、絶対に、誰もがそう思ったに違いない。だってみんな間抜けな顔してるし。
アレンから放たれた言葉はあまりにと予想斜め上というか、俺たちの期待をぶっちぎって來たというか、予想外過ぎた。
「だがこのはこれから俺とデートする約束があるのだ。諦めろ」
続いた言葉もだった。
なんだこいつ。どこの漫畫のどんな俺様男子だよ。リアルで初めてみたよ、俺様系男子。たしかに今までもそんな片鱗はあったけど、こんな人の集まった中でなんて……恥ずかしっ。
漫畫の主人公、こんな気持ちを抱いているのかな、
昨今の男は草食系化しているとはいうけれど、それは違うと思うのだ。漫畫で(アレンは地でやってるけど)こういう食系が出てきていてただでさえ基準が高いのに、草食系ですら壁ドンをするという最低ラインの厳しさが相まって、それが普通になっているだけだと思う。
だって漫畫と違って現実で頭ぽんぽんしてみろよ、セクハラで訴えられるぞ普通。壁ドンだって、顎クイだって、訴えられる。イケメンに限るとかあるけど、多分イケメンも。
他にもあるぞ。
漫畫ではイケメンが寢てるとギャップ萌えというやつで可く見えたりするけど、普通は白目向いてたり、よだれ垂れてたり、いびきに寢言言ってたりとか々殘念だ。
普段笑わずにふっと笑えば漫畫なら「あ、笑った」ってなるけど、現実は非で「え、突然何? 怖いんですけど……」となる。
まあ俺ならされる側だし、そんな事間にけず軽ーく流すうえ、逆に萌えさせに行くけど。ここらへんが訣だな。
とにかくだ、どれもこれも漫畫だから許されるのであって、現実では犯罪です。
學園ラブコメで白馬に乗って登場する王子はいないし、その他諸々の理想のイケメンなんてものはいない。ヒロインもだ。本でそんな奴はいないのだ。
だけどここは異世界で、常識の範囲外で、そんな事がありえちまう。
「行くぞフィアナ。デートの時間だ」
颯爽と現れたアレンは私を攫っていくのでした。
あらやだ、漫畫理想のイケメンだわ。
こうして俺ーー私ーーフィアナとアレンのデートが始まる。
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