あれから數日が経った。

やはり空間の五角にあった木にはそれぞれの適があった。

俺は蒞戸芽が見つけた五つの木を食べ、全ての適正魔法が使えるようになった。

魔法を使い、魔力がなくなったら蒞戸芽との取り、そこで力がなくなったら、全ての木片を砕いたを飲み回復。そしてまた、魔力がなくなるまで魔法を使いなくなったら、蒞戸芽との取り、を飲む。これの繰り返しだ。

そのおかげで、魔力の総量も増え、も木のの大量摂取でだいぶが変質していた。筋は固くしなやかに魔法はイメージの幅を広げ、現世で培ったことを踏まえながら使う。

そして、俺たちはある深刻な問題に直面しているところだ。

「……飯が無い」

そう初日に狩った、ワーウルフのが盡きようとしている。たぶん明日の分はないだろう、もしかしたら今日の夜もないかもしれない。

「新しく魔を狩る？」

「そうするしかないよな、飯がなくなって飢えるより大怪我してでもを手にれて、木を食べて回復した方がいい」

俺たちは満場一致で魔を狩ることになった。…二人しかいないけど。

布団に使っていた皮で袋を作り、ワーウルフの干しと量の五つの木片を砕いて混ぜた混をその中にれる。

「じゃあ準備はいいか？」

「うん」

今まで引きこもっていた空間から出て、足音をできるだけ消しながらしずつ進む。

し歩くと、ワーウルフが二いた。

あいつを見ると潰され切斷された腕のあった場所が疼く。

「大丈夫？」

「ああ、し疼くけど問題はない。それに、アレを倒して前に進まないと」

「わかった、じゃあ強化魔法バフをお願い」

「オーケー、し待ってくれ」

自然魔法を利用して、風の鎧『風鎧ふうがい』を自分と蒞戸芽に付與する。『風鎧』は、追い風によってスピードが上がり、攻撃が來たら風の抵抗で攻撃を軽減してくれる。

自然魔法で二つ目の強化魔法を付ける。二つ目は自分たちの周りの気溫を固定するものだ。

そこまで準備して、次は水魔法でワーウルフ二の周りの気溫を下げる。しでもきを阻害するためだ。自然魔法では、気溫の固定はできるけど気溫の変化はできない。

「よし、大丈夫だ。行くぞ」

「うん」

ワーウルフに向かって突っ込む。最初に攻撃をしたのは蒞戸芽だ。『風鎧』の能力を使い、し飛んで追い風を足に纏わせ凄まじい速度の回し蹴りを一に當てる。それをけたワーウルフは、窟の壁に當たる。

「よし、ナイスだ。それじゃあ俺の方も」

相手に向かって、水魔法の初級技『水球すいきゅう』を放つ。ワーウルフに當たる瞬間に、自分が出せる最高溫度の火魔法で『水球』の中に炎を発生させる。

ーーードォオオンーーー

発が起きる。今のは、水が非常に高い溫度の質をと接させることで起きる発。いわゆる水蒸気発というものだ。

ワーウルフが吹き飛ぶ、いくら防のいワーウルフでも、ほぼゼロ距離で起きた発にノーダメージとはいかなかったみたいだ。

の辺りが、気化して膨張した高溫の発によって、火傷で爛れて抉られている。

そのワーウルフはそこで絶命する。

「こっちは倒したぞ！」

「このくらいならすぐ倒せる！」

実は、蒞戸芽も火と闇の木のを飲んでいた。

筋力はすでに常人からは逸しており、ありえない能力を持っているのだ。

「はあ！」

蒞戸芽は腳と拳に纏っている風に、炎を混ぜる。

炎が渦を巻き、腳と拳にまとわりつく。

「んっ」

後は追い風をうまく使いながら、蒞戸芽がワーウルフを一方的に毆るだけになった。

毆り続けること十數秒、完全にワーウルフはかなくなった。

「初戦にしてはかなりいいんじゃないか？」

「うん、強化魔法も炎を纏うのも上手くできてた」

倒した後にワーウルフからしのを削ぎ、水魔法で水分を取りながら火魔法で軽く熱を通して殺菌する。干しをその場で作りお互いの袋にれてゆく。

余った皮で簡易的なローブを作る。

「食料も増えたし、またあのに戻るか？」

「上の階に繋がる道を探す。」

「そうだな、いつまでもここにいても何も変わらないしな」

上の階に繋がる道を探すために歩き始める。

途中で、鉱石の塊みたいな甲羅を背負った二足歩行の亀みたいなのがいたり、小さくてい石を持って凄まじいスピードで毆りかかってくる猿がいたりしたが、二人で特に問題なく進むことができた。

「なんで、見つからないんだ。」

「ほとんど見たけど下の階に行く道しかない」

かなりの時間歩いたけど、下に行く道は見つかっても上に行く道はなかった。

「たぶん、あのからしか繋がってない」

「そう考えるしかないか。一旦、に戻ろう」

今回はすこしなめです。

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