あれから數日、俺と穂澄は最初に落ちてきた五角形の部屋に戻ってきての調整と得たスキルの特訓を繰り返した。

の調整は、穂澄のスキルによって初日は二つの魔力の同時作。次の日は腳から順にあたりまで魔力を流してに馴染ませる。その次の日も同じことの繰り返し、だいぶ馴染んできた。そして、昨日本格的に二つの魔力をと混一させて調整を行った。結果は功、には馴染んだ。だが、大振りなきしかできなかった。

穂澄に聞いてみると、

「ん、には馴染んだけどそれだけの力は神経から馴染ませないと無理」

と、いうことだった。

そして今日、神経まで魔力を馴染ませて調整は終了との事だった。

「おし、それじゃあラスト頼んだぞ」

「ん、」

俺は寢転がり穂澄はその上に馬乗りになり、手を當ててスキルを発させる。

自分の神経を優しくでられているような、水圧マッサージをされているような不思議な覚だ。

自分のに馴染んでいくのがわかる。

つま先から手の指先、膝や肘、の細部まで浸していく。に魔力が馴染みきり、最後は頭や脳に行き渡らせる。

「ん、終わり」

特に何もなく、終わった。いや、脳とかに魔力を流すのは痛いのかと思ったけどそんなことはなく、あっさりと終わってしまった。

「ありがと……」

そこで言葉が途切れ、頭にいろいろな映像や知識が流れ込んでくる。

「これは、エウテルペの知識や経験？」

見えた映像は人間の視點より遙か高く、いろいろなものが見えていた。エウテルペの経験、知識、、思い出、最後に俺たちに會った記憶、たくさんのものが流れてくる。

「大丈夫？」

「ああ、問題ない。エウテルペは、こんな所まで俺たちを助けてけれるみたいだぞ」

「ん、ありがとエウテルペ」

エウテルペのこれらは、俺たちを助けてくれるに違いない。

「の方は？」

「最高だ。とにかく今はいてみたいな」

「じゃあ、いつもの？」

「ああ」

俺たちは部屋の真ん中に間隔をあけて立ち、向かい合う。お互いが準備が出來たのを確認してから、魔力を熾す。

「それじゃあ」

「「スタート！」」

お互いに距離を詰めて、毆り合いの試合だ。

だが、レベルが今までとは全然違う。

俺の龍の混じったに穂澄の拳や蹴りが屆くが、ビクともしない。何発か耐えているうちに、穂澄から魔力が出る。火魔法で拳と腳を覆い、魔法で目くらましをしてくる。

「甘いぞ」

「じゃあ、次これ」

穂澄は闇魔法で辺りを暗くする。一瞬にして深淵に包まれた。その中で俺は、火魔法を魔力の発をじ取る。だが、炎のは見えない。

気配がしたその瞬間、暗闇の中から顔に向かって蹴りが飛んでくる。その腳には火魔法は付與されていない。

(ちっ、火魔法は囮か？それとも時間差か？)

穂澄の蹴りを防ぎながら考えようとするが、その間にも間髪なく蹴りがくる。

上から下から橫から後ろから前から、今までからは考えられないくらいの速度だ。穂澄の火魔法を警戒しているせいか、だんだんと捌ききれなくなってくる。

やがて拮抗していた狀態は崩れ、俺の腹に蹴りがる。それでも止まらずに次は拳がくる。

「暗いのが鬱陶しい！『照らせ』！」

俺は部屋いっぱいに魔法を発させ闇魔法を払う。

「どうやってあんなスピードで攻撃してきた？」

「スキルの魔力混一で火魔法の熱だけをに付與して能力を上げた」

「スキルをもう使いこなしてるのか」

「ん、暇だったから」

「それじゃあ俺もスキル使うか、『魔力纏燐』！」

新しいスキルを使って魔力を纏う。ただ魔力を纏うだけだと全を覆うができたようなものなので、纏った魔力に適正屬を與える。すると火魔法だったら火を、水魔法だったら水を纏えるようになる。今回は水を纏う。

纏った水を鞭のようにしならせて穂澄に攻撃する。もちろん當たっても怪我をしない程度の力で。

穂澄は避けながら、手元をらせてスキルを使う。魔法と火魔法をじ取れているので火との混一みたいだ。さっきの付與を見る限り、混ぜたい能力だけを混ぜることができるようだ。

俺は警戒しながら、火魔法と魔法から作れる魔法構を思い浮かべて水の鞭をりながら対処策を考える。火とだけでも合わせれば応用の仕方はいくらでもある。

「ん、これでどう？」

「……マジかよ」

灰利の思いついていた最悪の構が穂澄のスキルによって作られる。それは、火魔法で火の玉を大量に作り、その全てにの速さを付與することだ。

「くそっ」

俺はっていた水をに再び纏い、自分の周りで渦を巻かせる。速の火の玉がどんどん渦に突っ込んでくる。ジュッという音を立てながら消えてゆく。

「ん、次はこれも混ぜる」

そう言って穂澄は速で飛ぶ火の玉に、火魔法を重ねて混ぜる。

(やっぱり、穂澄のスキルってチートじゃね！？)

灰利の周りの水が蒸発して減ってゆく。

「こんな卑怯なことはしたくないけど、穂澄もやった事だからな！」

灰利は魔法で穂澄の視界を一瞬奪う。その間に、穂澄の見えなくなった左目の死角にり、スキルで魔力を纏う。自然魔法で風を纏い、猛スピードで穂澄の後ろをとる。そして、穂澄の右目を手で覆い完全に視界を奪う。

「くっ！」

「これでおあいこだ！」

「……負け」

灰利は初めて、穂澄から一本取れたのだ。

穂澄は悔しそうにつぶやき灰利に寄り掛かる。

「それで腕の調子はどう？」

「最高だ。自分のものとは思えないぐらい思いどうりにく」

「良かった」

穂澄はのは、火魔法の付與と激しい闘いで汗をかいていてしっぽい。

「……風呂るか？」

「できるの？」

「たぶん穂澄が協力してくれれば」

「やろう！！！」

穂澄が詰め寄りながら押してくる。

俺は自然魔法で風呂の湯船を巖で作り、そのままだと痛いので、いつもお世話になっている木を切って板狀にして湯船のそこに敷き詰めてゆく。木は龍の部屋から戻ってきたら何事も無かったかのように削った傷が無くなっていたので、大量に使う。

「穂澄、スキルで俺のスキルをこれに付與できるか？」

「わかんない、でもスキルも魔力を使うから出來ると思う」

「それじゃあ頼む」

俺は魔力を纏う。今回は火魔法の熱だけを熾す。そして穂澄が俺とバスタブに手をつきスキルを使う。溫泉にあるような湯船に俺の纏った魔力ーーーこれからは『魔纏』と言おうーーーを流して『混一』させてゆく。そして『混一』が終わり俺が手を離す。『魔纏』はれているものにも魔力を纏えるので手を離してバスタブから熱が出ていれば功だ。

「ん、できた」

「ありがとう、あとはこれに水をれるだけだ」

水魔法でできるだけ溫度のあげた水をる。といっても、ぬるま湯にも満たない溫度だが。あとはバスタブに魔力を流して纏っている熱を上げて適溫にすれば完だ。

俺は魔力を流して溫度を上げていく。し経つと湯気が立ち始める。

「功だ！これからは溫泉れるぞ」

「ん！」

無事溫泉を作ることができた。溫度は魔力を流せば変えられるし、湯船から熱を作る魔力が無くなってももう一度流せばいい。

「さて、穂澄先にっていいぞ」

「……！灰利が勝ったんだから後でいい」

「そうか？遠慮しなくてもいいぞ」

「大丈夫」

「わかった先にいただくよ」

俺は自然魔法で土を薄く壁のように作り、仕切りをつくる。既にいろいろなことがあってボロボロになったワーウルフの革鎧をぎ、湯船に浸かる。

溫泉の溫度は適溫で40度前後。足をつけるだけでが喜んでいるようなじがする。龍の腕は湯に使っても問題ないみたいだ。

「いや～、久しぶりの風呂は気持ちいいな」

疲れがいっきにお湯に流されているような、久しぶりの覚にリラックスする。

「灰利、どう？」

「めっちゃいいぞ～」

「わかった、じゃあ私も今すぐる」

「おう、早くこ……い？おいおいおい、今すぐって言ったか！？」

俺の言葉を無視するかのように、穂澄の服のれる音が聞こえる。俺は穂澄がいでいることを認識する。鼓が早くなるのがわかる。俺はいつ穂澄が來てもいいように、仕切りから目を離しできるだけ見えない位置をとる。

ペタペタと風呂場を足で歩く音が聞こえる。

ちゃぷんと俺のすぐ橫から聞こえてきた。

(は！？まさか、穂澄俺の隣に來たのか！？)

「いいお湯」

穂澄は、俺の隣に座り腕に抱きついてくる。

ーーふにゅんーー

らかくし張りのあるが腕から伝わってくる

「穂澄さ～ん、あのなにか當たっているのですが？」

「嫌い？」

「好きとか嫌いとかじゃなくて、」

「大きいほうがいい？」

穂澄は大きいほうではないが小さい訳でもない。話している間も、ふにゅん、ふにゅんとらかいものを押し付けてくる。

「こっち見て」

「ちょっと待て！」

俺は必死に離れようとするが、

「逃げないで！」

あっけなく捕まる。なんでこんな力があるんだよ！と心嘆きながら抵抗できずに倒され馬乗りにされる。

「あの～～、穂澄さん？」

「私は覚悟決まった、灰利は？」

「いや！覚悟も何も、、、」

「ん、初めてだから優しくして」

「まだ何も言っていないのですが！？」

「いざ！」

「ちょっ、まっ、俺も初め……」

そして、いつにも増して積極的な穂澄さんによって、灰利の必死な抵抗と努力と理が綺麗に吹き飛ばされた……

長期間開けてすいませんでした。リアルでのイベントや風邪によって期間を開けてしまいました。(書き溜めしておいた方がいいのかな？)

今回も読んでくださってありがとうございます。

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