《ガチャで死したら異世界転移しました》ガチャってやっぱり渋いよ……

僕は気が付くと、上も下も前も後ろもすべてが真っ暗な場所に立っていた。

いや、立っているかどうかも怪しいだろう。

これは自論だが、突然自分の理解が及ばない様なことが起きたときにまずすべきことは………

「ええっと、ステータスオープン?」  

その瞬間、僕の前に半明な薄い水の板のようなものが出てきた。そこにはびっしりと何かが書き込まれていた。

「……………まじかぁ」 

僕は、異世界に來てしまったようです。

僕の名前は佐藤 慎也。特技ゲーム、趣味ゲームという、ごく普通の高校二年生だ。ただゲームがとても好きなだけの。

「あ、そういえば今日から年に1週間しかない超高額商品がピックアップされたガチャが始まるのか。」

僕は流れるような手つきで財布の中を確認する。

「500円。ガチャは円換算で一回百円だから……5回。5回かぁ。」

最低でも20回は回したいところである。

「……割るか。」

僕は高校學からしずつ貯めてきたお金を、課金に使うことにした。

ガシャン 

先程までピンクの球らしい2つの目で慎也を見つめていた子豚の貯金箱は、隣に置かれた小槌によって己の中をぶちまけ、ばらばらになってしまっていた。

「えーっと。2萬円ぴったりか。んー流石に全部使うのは……よし。」

「ありゃっしゃー」

早速近くのコンビニで5000円分のプリペイドカードを買った。慎也は今まで何度も走った道を、自分の家に向かって歩く。

「今まででゲームにいくら使ったんだろ。」

正直、數えたくもない程である。

家に帰り、早速ゲームを起した。

 

「・・・よし、回しますか!」

ゲーム通貨のチャージを終え、僕は気合をれ、ガチャを回す……

「……………」

數分後僕は、ただ呆然とゲーム畫面を見つめていた。

「いやいやいやいや、ちょっとまって、え?」

手にれたすべてが、1番いらないアイテム、即ち【ごみ】だったのである。

「ふざっけんなよぉぉーー!!」

ゲームでは、「え?なにこれめっちゃ當たるやんwwwww」「運営壊れたか?wwwww」など、沢山のチャットが流れていた。

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