《ガチャで死したら異世界転移しました》調査③ 激怒
「クライヴ!!ハスタ!!ルーク!!」
リルさんは僕の手を引き走りながら仲間達の名前を呼ぶ。
「リル!!俺達が食い止めるからお前はティア君を安全な場所へ!!」
「・・・みんなっ! すぐ戻って來るわ!!」
実際、僕が黒竜と戦えば確実に勝てるだろうが、ここで僕の実力をみんなに知らせてもいいのだろうか?
僕はそう悩んでいた。そんな悩みのせいで、後にあんなにも後悔することを知らずに…
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そんな悩みは知らずにリルさんは僕をキャンプの僕が寢ていたテントに送り、すぐに仲間達の元へと戻って行った。そして僕は、勝てるとわかっていながらも、初めて見る黒竜に気圧されけずにいた。
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・・・どれほどたっただろうか。先程まで聞こえていた、戦闘音も聞こえなくなり。やっと僕はテントの外に出た。そして見た。嗅いだ。聴いた。所々にある生々しく抉れた地面。濃厚なと人の焼けた匂い。そして、【死】の靜けさを…
僕は呆然とただ歩いた。
ちょうど中腹まできただろうか。1番激しく戦闘しただろうこの場所には何人もの人の死があった。原型を保っているものはない。殆どが、四肢がなかったり、潰れていたり、焼けて炭化していた。
そして見つけた。見覚えのある剣と、その・・焼け焦げた死を。見つけてしまった。
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僕は昨日の夜、テータスを見ていて、その中に【神強化Lv9】というものを見つけた。【魔眼】で【鑑定】してみると、能力が見れた。
【神強化Lv9】:所有者の神を強化し、強固にする。他にも、神支配の無効、神の安定化の能力が統合されている。
笑えてくる。なにが、【神強化】だろうか。たった2日の付き合いの、他人・・の死を見ただけで揺するような神なんて、強化されているとは思えないな。
僕は、同じく昨日の夜発見したゲーム時代の【アイテムボックス】から、白い布を取り出し、炭化し所々が欠落した死のようなものにかけてやった。そして歩き出した。奧の方へ、あいつ・・・を探しに…
「待っててくださいね、リルさん・・・・。あいつ、殺して來ますから」
僕の周りには制しきれない魔力の渦が発生し、空を切り、地を抉っている。
僕は、【激怒】していた。
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