《ガチャで死したら異世界転移しました》白竜王 ② 斥候

レインは軽く地面を蹴ることで一瞬で加速し、白竜王の足元へと到達する。そしてそのまま足を切斷すべく、真紅の刀を橫毆りに振るった。

「はあっ!」

「なにっ!?」

しかし流石は竜王族。

すぐに足を上げ攻撃を回避し、さらにレインを踏み潰そうとする。

「うぉっ!? 【巻き戻しリウィンド】!」

レインは、自分がダメージをけていない場合にのみ時間を戻すことが出來る魔法を使い、それを避ける。

レインは巻き戻り・・・・、踏み込む前と同じように白竜王と向かい合った。

「っ!?なんだその魔法は!?」

戦闘中にもかかわらず、驚いた表の白竜王はレインに問う。

「え?今の魔法?」

「そうだ!そのような魔法など王族である私でさえ見たことがない・・・」

(なんだって言われてもな・・・普通にゲームで習得しただけなんだが)

「まぁ、普通に覚えただけだけど?」

「普通にだと?この私ですら知らない魔法を人間如きが覚えられるはずが・・・いや、人間ではない・・・?」

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「おっと。僕が人間じゃないって分かるなんて、やっぱりあの黒竜とは格が違うってことかな?」

今の魔法だけでそこまで見破られてしまった事に、流石のレインも驚く。

「ん?貴様、今黒竜と言ったか?」

「え?うん。言ったけど?」

「ならばそいつが今何処にいるのか分かるか?私はその黒竜を見つけ、連れ帰るためにここへ來たのだ。」

(連れ帰るため…?え?もうこの世にはいないだろうけど、「消しました」なんて言ったらまずいよな?)

「えぇっと・・・」

「どうした?・・・そうか、なにか対価がしい、という事だな?分かった。何か私が一つ願いを聞いてやろう。さぁ、言ってみるが良い」

レインが返答に困っているのを対価がいると勘違いしたらしい白竜王は、どんどんと話を進めてくる。

「え?なに?」

報への対価として何か願いを葉えてやろうと言っているのだ。早く申すが良い」

「え?いや。対価とか要らないけど・・・うーん・・・」

「対価が要らないというのなら、なぜ黒竜の居場所を言わないのだ?」

白竜王は訳が分からないというようにレインを見る。

「えっとね?怒らないで聞いてしいんだけどさ、黒竜…倒しちゃったんだよね?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

一人と1匹は、しの間無言で見つめ合う。

「・・・倒した?」

「うん。倒した」

「・・・ふむ。ならばしょうがない、帰るとするか。もうここには要はないしな」

そう言って白竜王は突然大きく咆哮する。

「あれ?怒んないんだ?」

「? なぜ怒る?黒竜はただの斥候だ。數いる中の一匹が倒されたからと言って逆上するわけがないだろう?」

この竜は普通に話が通じるらしい。

「はぁ、そうなんだ。・・・ん?斥候って?」

(斥候って…あの斥候だよな?事前に敵地の報を探る諜報員みたいな)

「うむ、そうだ。おぬしは人間ではないようだから言うが、私達竜王族と竜族は、人間どもに戦爭を仕掛けようと思ってな。その為に竜族を數匹こちらへ送り込んでいるのだ・・・そら、殘りの斥候達が帰ってきたようだ」

レインはふと気配をじ、空を見上げる。

「・・・結構いるな」

「うむ。私が進言して、數を多くしたのだ。敵の報ほど貴重なものはないからな」

見上げた先には、軽く20を上回るほどのドラゴンが飛んでいた。種は様々で、赤竜や青竜、リトルドラゴンまでいる。

(それにしても、人間達に戦爭ね・・・実際は白竜王こいつがいるだけでどの國でも滅ぼせるだろうけど)

「・・・と言うか、僕達って戦闘中だったよね?なんか有耶無耶になってきてるけど」

戦闘と言っても、レインは踏み込んだだけ、白竜王は足を上げただけだが。

「そう言えばそうだったな。私としては、黒竜が既に倒されている。という報だけで十分なのだが、おぬしが戦いたいというのなら、付き合うぞ?おぬしが他にどんな魔法を覚えているのかも知りたいしな」

「ああいや、このまま帰ってくれるなら僕は戦う意思はないよ」

「そうか。ならばし殘念だがいいだろう。・・・しかし黒竜を倒し、未知の魔法を使うおぬしは何者なのだ?良ければ聞かせてくれんか?」

レインはし逡巡し、話し出す。

「・・・僕は霊種って言うんだけど、知ってる?」

ゲーム時代では割とポピュラーだった魔法を知らないというなら、種族も分からないのだろうという結論に至ったレインは、素直に自分の種族名を教えた。

霊種、か。ふむ…私が知る限りそのような種族は聞いたことがないな。それはおぬしは以外にもいるのか?どんな種族なのだ?よくよく見ると妖種と気配が似ているようだが、同じように壽命ももないのか?」

白竜王は怒濤の質問攻めをする。

(凄い知識だな、竜王族ってみんなこうなのだろうか?)

「一気にそんなに聞かれても答えられないけど、なんでそんなに興味を持つのかな?」

「當たり前であろう。知識とは力になるのだぞ?なんの報もなくただ闇雲に力を振るうのでは、勝てる戦いも勝てないからな」

(なかなか分かっているじゃないか。こいつとは、仲良くなれそうだ)

すると、白竜王の近くに1匹の竜が降り立ち、白竜王に何か耳うちした(耳がどこなのかは知らないが)。

「・・・うむ。分かった。・・・すまぬな、お主ともっと話をしたかったのだが、父上に呼ばれているようでな。続きはまたあった時にしよう。お互い、時間はいくらでもあるだろうしな。それと、おぬしの名前を聞いておこう」

「レイン・グレスティア」

「そうか、ではグレスティアよ。また會おう!」

そう言って白竜王とその他達はどこかへと飛び去っていってしまった。

「あ、そう言えば僕って國王にんげんの依頼でここに來たんだった・・・」

普通に白竜王を倒そうとしていたのですが、何故か仲良くなってしまっていました。

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