《ガチャで死したら異世界転移しました》人竜戦爭 ⑩ 用事
「・・・あぁ・・・まぁたしっぱいだぁー」
暗く寒い何処かの地下深く。そこには、目の前の大きな明な容を見ながら、そう呟く人影があった。
「・・・あ、あの、───様」
その影にかけられた聲に、時を合わせたように雑音がる。
「んー?なぁにぃ?」
影は首だけで振り向く。真後ろを。
「ひっ・・・い、いえ、先程、地上に竜族の大群が飛來したと報告がったので、───様も、避難なされた方がよろしいのではと・・・」
「えぇぇえ??なぁんでにげぇるのぉ?」
そう答える様は、影だけだとしても見るからに人間ではなかった。
「い、いや、あの。萬一ここを竜族達に破壊されでもしたら、まず無いとは承知の上でですが、───様のに何かあったら・・・い、今までが水の泡になってしまうではないですか?」
「だぁからぁ・・・ぎゃくでしょぉ?」
「・・・へ?」
「にげちゃったらぁそぉれこそここがぁ、こわされちゃうじゃん?・・・きぃみぃ、つかぁえないねぇえ?」
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影は歩き出し、振り向いた先を目指す。
「あ・・・」
そして、不運にも異形に聲を掛けてしまった男は、自分の腹を何かが貫いた事に気付く。
「つかえないこはぁ、せめてぇ、ワタシのおもちゃになってねぇえ?」
男は自分のか自分のモノではなくなっていく事に恐怖し、ぶ。
「ぁあ・・・あぁいやだ・・・し、死にたくない!いや、嫌だぁぁぁ!!」
「あはっあははっあははは!!」
しかし、男の命を賭した斷末魔に答えるものは、影から響く狂った笑い聲であった──
「嫉妬の鉤爪クロウ・オブ・レヴィアタン」
レインの詠唱によって生された魔法は一瞬で組み書かれ、魔法陣からその姿を現す。
一言で表すのなら、大量の激流を纏った黒い何か、だ。の腕ではないが、何故か腕なのだと分かってしまう、鋭すぎる鉤爪を持った膨大な數の漆黒の何か・・が、一つ殘らずあたりに霧を発生させるほどの荒れ狂う暴流を纏っていた。 
「えーっと、なんだっけ?我、汝に命ず。敵は右翼に有り、鱗を掻き、翼を毟れ。だったかな?」
レインの特殊なコマンド命令に腕達は従い、竜族達の右翼へとびていく。しかしレイン達は腕から発生した濃霧に阻まれ、その様子を見ることは出來なかった。だがそれは竜族達も同様である。突然霧に包まれ、何も見えない中、何か・・に全を切り裂かれ、翼を毟られる。何も見えない霧の中、ただ竜族達の悲鳴と怒號だけが響いていた。
「さて、では私達もこの霧に紛れて敵の左翼後方に転移します。サラ、そして【憤怒】…さん?行きますよ。近くによってください」
「は、はい」
「・・・」
サラは返事をし、【憤怒】はコクリと頷く。
メアは二人を呼び、レインに言われた場所へと転移した。
「では、我々は正面から竜族の左翼に突撃することになっています。準備は良いですね?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「・・・」
「では。いざ、出陣です!」
紅華達も左翼に向かって走っていった。
案の定、敵の右翼は先の魔法で進行を停止、左翼も二組が行ったのですぐ止まるだろう。
事実、今進行してきているのは正面の敵だけとなった。
「じゃあ、僕もやることやりますかー」
レインは魔法に『あまり減らしすぎないように』と命令し、移を開始する。
「【影転移シャドウ・トランジション】」
レインは魔法によって一瞬で平原の上空を飛ぶ敵の目の前まで転移した。
「むっ!なぜ人間がこんなところにいるのだ?まぁよい、いずれ人間は滅ぼすのだ、し早くても何も変わらまい。消えろ、弱小種族!!」
レインが転移した直後、その姿を見つけたちょっと偉そうな竜族が、よく分からないことを言いながら口から炎を吐いてくる。
「え?何、急に」
レインはし驚きながら、ブレスを相殺するために【黒炎】を発させる。
「なっ!?ぐぅわぁぁ!!」
案の定相殺では済まなかった【黒炎】は、先の竜族と周りの竜族を巻き添えにする。呑まれた竜族達は、以前一度見たことがある狀態になり、炭化して地面に落ちていく。
「竜王種の方が一撃で…!?人間にもあのような力を持つものが?いや、そんなはずはない…では貴様は何者だ?我々の右翼側を襲ったあの魔法も、貴様の仕業か!?」
早くも進行を止めた正面の竜族達は、明らかに異様な気配をじ、突然目の前に現れた人を、地上に降りて警戒する。
「・・・それ、前にも聞いたよ。はぁ、これで君達には三回目だから、これで最後ね?僕は霊種、人間じゃないし、比べられても困るよ」
レインはやれやれと言うふうに肩を落として言う。
「霊種だと?そんな種族は聞いたことが無い!はったりではなく、正直に言うが良い!!」
(うーん・・・なんで竜族ってそんなに僕の事を聞きたがるのかな?)
「もうめんどくさいや。三回言ったからこれ以上は何も言わないよ。そんなことより、僕が用が有るのは白いのだけなんだよ、どこにいるか分かる?」
早くも面倒臭くなったレインは、竜族達の言など聞かない。用事を早く済ませることだけを優先する事にした。
「し、白いのだと!?貴様、我等が王をそのように呼ぶとは不敬極まりない!即刻取り消すが良い!!」
王を白いのなどと呼んだからか、竜族達は怒り、とても教えてくれる雰囲気ではなくなってしまった。
「(いや、僕は白いのって言っただけだし、そっちが勝手にそう解釈しただけじゃないの?)」
「なっ…そ、そのようなことは……」
偉そうな竜族はとてもわかりやすく視線を泳がせる。
(おっと、心の中で言ったつもりが、僕としたことがつい口に出してしまったようだ。まぁこれであいつが竜族の王族だってことが分かったし、どうでもいいか)
そんな時、左翼の方からものすごい音が聞こえてきた。レインを警戒していた竜族達もつられてそちらを見る。恐らくメアかルーナの魔法だろう。レインがし見ると竜族達もいつの間にか後ろに回られていることに混しているようだ。取り敢えず、このまま行けばまず負けることはないだろう。
レインは視線を戻す。
「・・・で。知ってるの?知らないの?」
竜族達もレインに向き直り、ここで言ってしまって良いのかと困する。自分達が居場所を言ってしまったが故に王に何かあったなら申し開きようがないからだ。
「あ、えっと・・・」
レインが空中に一歩踏み出すと、竜族達はその分後ずさった。と、そこに一つの聲が掛かった。
「心配いらんぞ、私はここだ」
そして上空から、一の純白のドラゴンが現れる。
「ふむ。また會ったな、グレスティアよ。もしやとは思ったが、やはりお主の仕業だったのだな、あれ・・は」
「うん。また會ったね。そうだよ、あの魔法は僕がやった」
戦場の真っ只中だというのに悠長に挨拶をする二人に、周りの竜族達は、黙って見ていることしか出來なかった。
「まぁ今はそれはいいか、それで?私に用とは、一何だ?」
「そうそう、用っていうのは───」
はい。すみません、投稿が遅れました。
いやはや、私自はまだ學生なのですが、最近日に日に1日が短くなっているような気がしてきました。朝起きたと思ったら、あれ?もう晝?もう夜!?なんて事も多々あります。そして気が付くと一週間経っていたり・・・まぁこれは言い過ぎかも知れませんが。
と、そんなこんなで、もうこの小説さくぶんを書き始めてから約2ヶ月と半・・・早いですね。しずつ文章も良くなっているとは自分では思っているのですが、どうでしょうか…?まだまだ勉強しなければですね。
では、今回はこの辺で。
あ、あと、遂に「いいね」が100を超えていました。ありがとうございます。これからも、頑張っていいものを作っていきます!
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