《ガチャで死したら異世界転移しました》人竜戦爭 ⑭ 終結

「・・・やっぱり、直接自分の手で他の誰かを殺しても、もう何もじなくなってるんだな。これが異世界転移の代償なのか、単にスキルのせいなのかは知らないけど、あんまり良いこととは言えないよね」

ディルガの死を見つめながら、レインは呟く。

「おっと、そう言えばメア達に終わったって言わないとな。それと魔法の解除もしなくちゃ」

そうして【影転移シャドウ・トランジション】を発させ、メア達のいるであろう竜族軍右翼へと転移した。

────まさに地獄絵図というのが正しいだろうか。草で緑であるはずの地面はで赤黒く染められ、原型を止めていない塊がそこらに散らばっている。

(・・・この辺りだけ曇っているみたいに薄暗いのは何故だろうか?)

転移後、すぐにメア達を見つけたレインは、周りの景に若干驚きながら歩いていく。

「あ、主様!」

いち早くレインに気付いたメアが、まるでスキップでもしている風に近づいてくる。

「おう、メア。どう?狀況は」

「はい。こちら側の竜族は丁度今しがた制圧したところです。殘っているのは、約2、30匹と言った所でしょうか」

流石はサポートキャラクター達のリーダー、數の調節はしっかりとしていてくれたようだ。

「主殿がここにいるということは、既に竜族の王の討伐は終わってしまっているのですか?」

続いて來た紅華はまだ戦い足りないと言った顔をしていた。

「うん、終わった。まず間違いなく、僕が今まで直接であった敵の中では、一番強かったね」

「なんと、主殿にそこまで言わすとは・・・私であったなら、手こずる相手だったのかも知れませんね・・・」

レインは勝つのは前提なのかと思いつつも、面倒臭いので黙っておいた。

「あ、そうそう。メア、一人蘇生をお願いしたいんだけど、いいかな?」

「分かりました」

その後すぐに【傲慢】と【憤怒】そして何故か【憤怒】の右二本の腕に抱えられて寢ているサラも合流し、イグラッドの死のある門のことろへと転移した。

転移が完了すると、死は変わりなくそこにあった。

(こういう時に死が無くなる、なんて考えてしまうのは、ホラー映畫の見すぎかな)

「主様、この方は?」

「そう言えばお前達は會ってなかったか。こいつは竜族の王の娘だ」

「娘、ですか・・・」

何故かメアの目付きが変わった。

「まぁ詳しい話は本人から聞いてよ。じゃあメア、宜しく」

「・・・分かりました。では、【蘇生リヴァイヴァル】」

メアが魔法を発させるとすぐに、イグラッドのりだした。そして十秒ほどするとが消え、見るとイグラッドのの傷は綺麗に塞がっていた。

「ふむふむ。流石は支援魔法最強職だね、頑張って隠し職解放條件をクリアした甲斐があったよ」

因みにメア達レインのサポートキャラクター全員は総じて隠し職である。

「あとはどこかで寢かせておけば目を覚ますかと。では、街に戻りましょう」

そう言ってメアはイグラッドに目もくれず歩き出した。

「あー・・・じゃあ【憤怒】。悪いけどこれ、持ってくれる?」

「承知しました」

レインはイグラッドを擔いでもらうよう【憤怒】にお願いし、【嫉妬の鉤爪クロウ・オブ・レヴィアタン】の近くに行ってそれを解除し、メアに続き街へと戻って行く。紅華とルーナもそれに続いた。

「【憤怒】よ。そのままでは4本の腕全てが塞がってしまうでしょう。私もお手伝いしましょうか?」

ふと、【傲慢】が【憤怒】に聲をかけた。

「ふむ。そうだな、ではお願いしよう。そこの竜族の娘を持ってくれるか」

【憤怒】は相変わらず怒ったようなドスの効いた聲で答える。

「・・・私的にはサラ様をお持ちしたかったのですが・・・まぁ、いいでしょう」

【傲慢】はイグラッドを橫抱きで抱え、【憤怒】と共に、レインたちの元へと歩き出した。

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