《ガチャで死したら異世界転移しました》冒険者學校 ③

「・・・か、重ねてになるが、私を蘇生してくれたこと、謝する」

「先ほども言いましたが、私は主様の命令に従っただけです。謝の言葉は必要ありません」

「そ、そうか・・・すまない」

「・・・」

(・・・なんか、メアの対応が冷たい・・・)

レインとイグラッドが部屋を移してからというもの、なぜかメアの対応がどこかそっけないというか、イグラッドのことをあまり快く思っていないのだろうかと思わせるものになっていた。

「・・・ま、まぁ取り合えず。イグラッド、用も済んだし一旦部屋に戻ろうか」

レインは、後でメアには言い聞かせておこうと思いながら。心なしか小さくなったイグラッドを連れ、元の部屋に戻った。

「・・・グレスティアよ。私はなにか嫌われるようなことをしたのだろうか?」

扉を閉めた途端にそんなことをイグラッドは言うが、殘念だがレインにもそれはわからなかった。

「んー・・・僕にもなんでかは皆目見當がつかないけど、メアにはメアなりの何かしらの事があるんだと思うんだ。どうか嫌わないであげてほしい」

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「ああいや。お主が頭を下げる必要はない・・・・・・それに、嫌悪されることに関しては、慣れているからな・・・」

苦笑いで言うイグラッドのその言葉には、深く暗い寂しさが染み込んでいた。

「慣れてる・・・?」

「・・・お主も知っての通り、竜族というのは完全に実力がすべてだろう?そんな種族の中で、私のような戦い方は異なのだそうだ」

のような戦い方というのはおそらく、どこにでも突っ込んでいくのではなく、所謂外枠から埋めていくような戦い方だろう。

「・・・え?それだけ?」

「それだけというがな、それが竜族であり、竜族とはそういうものなのだ」

「・・・」

「今では一応元王の娘だからと、王──竜族で二番目の地位に就いているし、実力もそれに見合っただけは持っているとも自負している。それでもやはり、私のやり方に不満を持つ者達というのは多い」

「・・・あぁ、だからあんなにも簡単に行ったんだね。昨日の戦いは」

俯き話していたイグラッドはレインの言葉に顔を上げ、首を傾げる。

「と、言うと?」

「イグラッド、君なら、昨日の戦いでどういった戦略をたてる?」

は顎に手を當てて考える。

「・・・そうだな、まずは敵陣の様子を確認するため、斥候を送るだろうな」

「うんうん。まぁまずはそうするよね。で、僕はあえて、不可視化の魔法も、幻の魔法も掛けてはなかった」

「その場合、お主が相手だという事が分かるだろう。となれば、どれ程の兵たちを正面からぶつけても、なんも意味もないだろうし・・・例えば、人化できるものだけで隊を分け、周囲の森に潛ませ、裏から叩く・・・も意味が無いだろうから、そのまま街を襲わせるだろうな」

「そうだね。さらに僕はメア達の全員を最初からずっと前線に配置していた。街を守るっていう目的で、さらに竜王と戦っていた僕からしたら、そうされるとあんな簡単には行かなかったよね?」

イグラッドは全くのその通りだというふうに頷く。

「・・・しかし、逆にお主はそれを見越してはいなかったのか?お主ならそれを予想して対策を練っていただろう?」

「いや、昨日の戦いではしていないよ。実を言うと、僕は君が指揮をしてないってわかってたからね。でもほら、君が指揮をしていたなら、実質竜族側が勝っていたっていう事じゃん?・・・だからその・・・君は悪くないし、君の戦い方が嫌いだって言うやつなんて、勝手言わせとけばいいんだよ」

「・・・ぷっ・・・ふふふ、あははは」

いきなり吹き出し笑い出すイグラッドに、レインはどこか失敗したのかと戸う。

「あははは・・・い、いや、すまない。つい我慢ができなくてな」

よほど面白かったのか、イグラッドは目に浮かぶ涙を拭う。

「・・・なんだよ。人が頑張ってめてるのに・・・」

レインは今更気恥しさをじ、高い襟に顔を埋める。

「ふふ・・・これは、前言を撤回せねばな。お主ならなんでもありと言ったが、誰にでも得手不得手があるということか・・・そして、ありがとう。誰かにそんなふうにめてもらうなんて初めてだ・・・優しいのだな、お主は」

「・・・別に」

レインは我慢できなくなったのか、ぷいとそっぽを向いてしまう。

しかし、先程までは暗い表だったイグラッドの顔は、憑きが取れたように晴れ晴れとしていた──

「むぅ・・・あの娘、あんなに主様と親しそうに・・・」

レインとイグラッドのいる部屋のドアに耳をぴったりとくっつけ中の話を盜み聞きしているのは、メアであった。そしてそんな彼に、 後ろから聲が掛かる。

「メア、あの方を妬むのは勝手ですが。主様、聞かれてることきっと気付いてますよ?」

「・・・え、き、気付いてるかな・・・?」

やっと自分の危機を悟ったメアに、なんで主人の事になるとこんなにも學習しないのかと呆れるルーナであった。

「とにかく、私は知りませんからね?忠告はしましたので、では」

ルーナはとばっちりを避けるため早々に元の部屋に戻っていく。

「・・・あ、主様が悪いんですよ?私には同じ部屋ですら寢させてもらえないのに、あんなぱっとでのとイチャイチャして・・・・・・だ、大丈夫よね?主様、気付いてませんよね?」

ゆっくりと開かれていく扉を遠い目で見るメアの自分への言い訳は、最後には懇願へと変わっていた。・・・が、そんな願いは絶へと変わる。

「やぁメア。どうしたの?そんなに震えて、そうか、廊下は冷えるもんね。ほら、早くってきな?なぁに、そんなに怖がることはないよ・・・」

その後彼を見たものはいなかった・・・?

的なじの展開にしたかったのですが、なっているでしょうかね?

まぁ普通に次回からも出てくるんですが。はい。

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