《ガチャで死したら異世界転移しました》冒険者學校 ⑫ 新たな依頼
「・・・あの、グレスティアさん。一つ、お聞きしたいことがあるのですけど・・・」
明日が決闘當日という事もあり、早めに切り上げたレインが帰ろうとしている所へ、アリサが聲を掛けた。
イグラッド達の方は、これでは足りないといってまだ闘技場に殘っている。
「はい、なんです?」
「・・・グレスティアさんは、いったいどうやってそこまでの実力を得たのですか?」
「知ってどうするんですか?」
レインの問いに、アリサは暗い表で答える。
「・・・・・・私には、妹が居ます。名前はリエナ。年齢は私の3つ下で、13歳です。実は、その妹が・・・何者かに拐されているのです。1ヶ月程経ってもまだ手がかりすら摑めなくて・・・もしもの時は、またハウルド家に協力を・・・」
苦渋の選択をすることを想像したアリサは拳を握る。
(拐か・・・何も言ってこないのならお金目的じゃない・・・とすると考えられるのは・・・あ、特訓初日にじた目・の主、とか?)
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「・・・もしかして、その妹さんも、貴方みたいな特殊な【技巧】を持ってたり?」
レインの予想に、アリサが目を見開く。
「は・・・はい。その、通りです。でも何故・・・?」
それを聞いたレインは確信する。
(そういう事か、確実にその【技巧】目當てだな。とすると、僕の方も言っておいた方がいいか。言うこと自は止められていなかったし)
「実は僕も隠してたことがありましてね。先日、この街に竜族の軍勢が攻めてきたってのは、知ってます?」
「は、はい。それはもちろん。結局は、勇者であるカイル様が斡旋した一組の冒険者のパーティが返り討ちにしたと・・・っ!」
流石にアリサも気付いたのか、驚愕を顔一面に表す。
「僕は、その冒険者のパーティのリーダー…というか、主?なんですよね」
レインがこの學校で數日過ごした結果、竜族を撃退した冒険者のレイン・グレスティアという名は、ここには屆いていないらしく、「なんかやべーことあった」位にしか伝わってないことが分かっていた。
學校が街の中央側にあったからなのか、単に危機が皆無だったのか、それとも解決が早すぎたせいだったのかは分からないが。
「まぁそんな訳でその報酬として、特別にここに學させてもらったんですよね。その時に言われた條件が、この學校に不穏なき?があって、それを調査してきてしいっていうのなんですよ」
「は、はい。・・・確かにあの実力なら竜族の軍勢なんて・・・」
納得がいったのか、アリサは顎に手をやり何か呟いている。
「これは僕の単なる予想でしかありませんが、妹さんを攫ったのは、恐らくその不穏なきの主かも知れません。思うにその【技巧】が目當てなんじゃないですかね。そうだとすると同時に、あなたはもうそいつ・・・…又はそいつら・・・・にマークされてることでしょう」
「え・・・!?」
「実際、三日前の決闘の時も、監視されていましたし」
もしそうなら、アリサ自のにも危険が及ぶ可能がある。
(まぁ、そいつのおで楽しかった試合が臺無しになったんだけど)
「っ・・・」
言葉も出ないほどアリサは驚いていた。
「言わば、妹さんを攫ったかも知れない相手は、意外とすぐ近くに居たという事ですね」
(はぁ・・・こんな事になるんなら、あの時全部解除して・・・・・・追っておけばよかったな・・・【傲慢】、聞こえる?)
これから何を言われるかを予想したレインは、紅華と連絡を取るため、【傲慢】を【神経応テレパシー】で呼び出す。
「・・・グレスティアさんは、冒険者登録をしていましたよね?」
「はい」
特訓の最中にプレートの付いたネックレスを見せていたので、レインが冒険者である事はネルとレイも知っている。
アリサは俯きながら話す。
「・・・では、貴方に指名依頼をします。容は、私の妹リエナ・ディア・レクウェルの救出。報酬は、私に払えるならば何でも。お願い…します」
そのまま深々と頭を下げる。
重大な手掛かりが目の前にありながら、それに気づけなかったことに、アリサは相當なショックをけているようだ。それほどまでに妹の事を気に掛けていたのだろう。
決闘前に言っていた「守りたいものがある」と言うのも、妹を助けたいという思いがあったのだろう。
「まぁ、けないわけにはいけないですね。分かりました、いいでしょう。別に王様に急かされてる訳でもないので、もし僕の予想が外れて、僕が追っているヤツと妹さんを攫ったヤツが別だったとしても、貴方の方を優先する事にしましょう」
「ありがとう…ございます」
さらに深々と頭を下げるアリサのは、希と不安で小さく震えていた。
「いや、僕等・も報酬があるからこそけるんですし、貴方が頭を下げる必要は無いですよ」
「それでも・・・」
アリサ自だけでなく攫われた妹さえも救ってくれると言うレインに、アリサは出來る最大限の謝を伝えようと頭を上げない。
「・・・はぁ、主殿がこう言ってくれているのだ。顔を上げんか」
「・・・え?」
そんなアリサの耳に、見知らぬ聲がる。彼は不思議に思い顔を上げた。
「・・・っ!?ギ、ギルド長!?」
「・・・あぁ、ギルド長。そう、私はギルド長だっ!」
何故か紅華が固くガッツポーズする。
流石は冒険者の學校だけあって、紅華の顔は知れ渡っているようだ。
「な、何故ギルド長がこのような所に・・・?」
単にメア達…お金稼ぎ班の全員が転移してきただけである。
「ただ【転移】して來ただけだ、とまぁ細かい事はいい。・・・では主殿、私はギルドで先程の依頼を正式に登録してきます…っと、それとこれを」
そう言って紅華はレインに、銀のプレートを渡してきた。
「これは?」
「主殿はランクBに昇格したのです。それは、主殿用の銀のプレートですので、無くさないようにお願いしますね」
「はぁ・・・」
何もしていないのにいいのかとも思うレインだが、ギルド長である紅華が言うのだからいいのだろうと結論付ける。
「・・・ギ、ギルド長・・・その、主殿、というのは?・・・それに・・・だ、誰?」
そこで、驚きでぽかんとしていたアリサが目を覚ました。
長めに頭を下げていたら、見知らぬ人達が増えているのだから、誰でもそうなるというものだ。
「あぁ、紹介します。こいつ等は僕のパーティメンバーです。決闘だけならまだしも、人探しとなっては、頭數は多い方がいいでしょう?」
「え、ええ。まあ、そうですね。でもいつの間に・・・」
「簡単に紹介すると。右から、紅華、メア、サラ、ルーナ、それに【召喚サモン】した【傲慢】と【憤怒】です」
「ど、どうも・・・」
レインの思っていた通り、アリサは【憤怒】を怖がってか、し怯えているようだった。
「じゃ、ここで喋っていても意味無いし、もう今日は解散で。明日はいつもの時間にここでいいですよね?」
「あっそうでした。一つ言うべきことがあったんですよ。明日は私がグレスティアさんを迎えに行こうと思っていたんです。えっと、お家はどこに?」
(む、迎えだと!?これは予想外だ・・・)
毎日一人で登校し一人で帰宅していたレイン慎也は、アリサが迎えに來るというだけで、軽く衝撃をけていた。
(いや、一緒に登下校する友人がいなかったという訳では無けど、誰かが僕を迎えに來る──それも超──なんて、急にレベルが高いぞ?・・・別に、友人がいなかったという訳では無いけど!)
「・・・グレスティアさん?」
「あぁはい。家ですね、えっと────」
アリサに【賢者の食卓】の場所を教えた後、レイン達は【転移】で、そこへと帰って行った。
因みにこの日、レインは何故か寢付きが悪かった。
眠かったので、誤字があるかも知れません。申し訳ないです。
【書籍化+コミカライズ】悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)※完結済み
★書籍化&コミカライズします★ 目が覚めると、記憶がありませんでした。 どうやら私は『稀代の聖女』で、かなりの力があったものの、いまは封じられている様子。ですが、そんなことはどうでもよく……。 「……私の旦那さま、格好良すぎるのでは……!?」 一目惚れしてしまった旦那さまが素晴らしすぎて、他の全てが些事なのです!! とはいえ記憶を失くす前の私は、最強聖女の力を悪用し、殘虐なことをして來た悪人の様子。 天才魔術師オズヴァルトさまは、『私を唯一殺せる』お目付け役として、仕方なく結婚して下さったんだとか。 聖女としての神力は使えなくなり、周りは私を憎む人ばかり。何より、新婚の旦那さまには嫌われていますが……。 (悪妻上等。記憶を失くしてしまったことは、隠し通すといたしましょう) 悪逆聖女だった自分の悪行の償いとして、少しでも愛しの旦那さまのお役に立ちたいと思います。 「オズヴァルトさまのお役に立てたら、私とデートして下さいますか!?」 「ふん。本當に出來るものならば、手を繋いでデートでもなんでもしてやる。…………分かったから離れろ、抱きつくな!!」 ……でも、封じられたはずの神力が、なぜか使えてしまう気がするのですが……? ★『推し(夫)が生きてるだけで空気が美味しいワンコ系殘念聖女』と、『悪女の妻に塩対応だが、いつのまにか不可抗力で絆される天才魔術師な夫』の、想いが強すぎる新婚ラブコメです。
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