(・・・これで確証が得られましたね。やはりあの人は────)

アリサのる茨を躱し、時には剣で弾くレヴィアの顔には、先程までの様な余裕はじられなくなっていた。

(あの茨が出現した後、アリサさんのきが格段に早くなってますし、それに伴って環境ダメージもっていますね・・・)

茨をる事に集中していたアリサは気付いていないが、一度は灼熱の炎が包んだこの場は、発者以外への環境ダメージが発生しているのである。

更にはアリサの怒濤の連撃により、初めは數個しか無かった場の火種が、今では軽く見渡しただけで百はあると分かる程度には増えていた。

しかしレヴィアは焦らない、自の高い力にを言わせ、ただ機會を待つ。

(───これは…甘いっ！)

転機を伺っていたレヴィアは、たまたまアリサが油斷した攻撃を見逃さなかった。

レヴィアは自の得意とする水屬の魔力を纏わせた刀の腹で炎の茨をけ止め、剣を押し當てたまま走り出す。一直線に、即ちアリサの元へと。

茨の炎の魔力と剣の水の魔力が反応し、けたたましい蒸発音が鳴り響く。

アリサは危険を悟り、全力で焦っていた。

(不味いっ！武…って、左手は塞がっているんでした！どっ、どうしたら！？)

レヴィアはもう後一歩で剣が屆く程まで近づいてきている。突然の窮地に更に思考が混するアリサだが、

『落ち著いて、そのままその茨に魔力を込めてみて下さい』

突然聞こえた聲が、彼を冷靜に戻した。

そして何の躊躇いも違和も無く、ただそれに従う。

｢｢───っ！！！！｣｣

そしてアリサの、そしてレヴィアの視界はまたもや真紅に染まる───

｢────驚いた。まさかあの魔法がこんなに強化されてるとは・・・でも、これはチャンスかな。【影転移シャドウ・トランジション】｣

誰もが眩いで目を覆う中、レインはこれが好機とばかりにレヴィアの前へ・・・・・・・転移する。彼は完全に予想外の攻撃に曬され、超高度の熱により全に酷い火傷をけ、放っておけば最悪死んでしまう程であった。

(いやーこれ程とは・・・神聖なる円蓋ドーム・オブ・サンクチュアリを展開しててよかったな・・・)

｢さて、【世界樹の涙ティア・オブ・ユグドラシル】・・・【睡眠スリープ】────｣

それからしばらくしの収まった後、アリサは目を開ける。

｢・・・い、一何が？・・・あれ、レヴィアさん？！｣

彼の前には、來ている服にこそ若干焦げが見られるが、には傷一つ無いレヴィアが橫たわっていた。

自分でも何が起きたか分からなかったアリサは、萬一のことを思いすぐ駆け寄るが、眠ったように寢息を立てている事に気付き、安心する。

『・・・あっ、え、えっとぉー。これは、勝者、アリサ・ディア・レクウェル・・・でいいんですかね？』

アナウンサーの宣言を聞いた観客達は、誰もが何が何だか分からないながらも、歓聲を上げ始めた。

｢・・・かっ…た、  んですか？｣

控え室でペタンと座り込むレイは、自の主ながらも信じられないと言った風につぶやく。

｢・・・勝った、様だな｣

ネルも呆然としながらだがそれに応える。

｢ほら、言ったでしょ？僕は今まで一度も負けたことも、負けさせたこともないって｣

レインの言葉に答えるものは、｢私はわかっているぞ？｣と言わんばかりに橫目に見てくるイグラッドだけであった。

【永遠消えぬ獄炎の茨ソーンヘルファイア・ネバーゴーズアウト・指オブ・ジュエル】

発時：膨大な炎によって広範囲に渡って炎の渦が包む。その後効果範囲に環境ダメージ【延焼】を殘す。

パッシブ時：発者の武にパッシブ効果として炎の茨による遠距離攻撃を追加する。

派生効果：魔力を消費することにより飛散した火種を繋ぐように炎の茨が出現し固定トラップとして配置する。威力は火種の數に比例し敵がれると発者以外を巻き込む巨大な発と行を制限するほどの閃を起こす。