《村人が世界最強だと嫌われるらしい》この世界は、何もかもがおかしすぎる 2

「なんです?」

「お前、ついさっきケルベロス討伐のクエストを注したばかりだろ! なのになんでそんな早く帰って來れている!」

「いや、ケルベロスあんまり強くないぞ?」

「なっ……ケルベロスはレベル百の剣士三人がかりでやっと倒せるんだぞ!? 見たところ、お前は武も無いし、そこまで強さもじない。どうやって倒した!?」

あ、そうか……ケルベロスは危険指定モンスターレベルBくらいだったか? 説明がめんどくさいな……。

この世界では、危険レベルが存在する。人に害を與えない程度のモンスターはEただのスライムなど、村人と同等の力を有するモンスターをDゴブリンなど、下級ジョブ以下(村人を除く)のジョブ保持者と同等の力を有するモンスターはCゴーレムなど、上級ジョブ保持者三人と同等の力を有するモンスターはBケルベロスなど、上級ジョブ保持者十人と同等の力を有するモンスターはAグリフォンなど、勇者又は超上級ジョブ保持者複數人と同等の力を有するモンスターはSドラゴンなど、と分類されている。

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この場合、ケルベロスはBなので、一人で倒すにはレベル二百以上は無くてはならない。だが、この世界で、レベル二百を超えるものなど指で數えるくらいしかいないのだ。

「いや、俺レベル二百超えてるから倒せたってことにしてくんね?」

「そんな馬鹿な話があるか! 二百を超えているなら証拠を見せろ!」

「証拠っていってもな……」

「勇者でもあるまいし、そんな隠すようなジョブでもないのだろ!? なら早く見せろ!」

いや、村人なんですけど……。

「悪いな。俺は人にジョブを教える趣味は無い。それに、俺はこれから用事があるんだ。じゃな」

「まて!」

その言葉を無視し、振り返って屋を目指す。すると、後からピリピリと殺気をじる。

うわ、これ襲いかかってくるパターンだめんどくせ。

「待てって言ってるだろぉ!」

そう言いながら冒険者は剣をこちらに向け突進してくる。全く、最近のの子は活発ですね。

気付かないふりをし、ギリギリの所で「あ、お金落ちてる!」と噓をつき、その突進を躱す。そして、あたかも今攻撃された事を知るかのような素振りをとる。

「え!? なんで剣出してんの!?」

「なっ……避けられた? これでもレベルは五十を越してるんだぞ?」

たかが五十かよ……こっちは死にそうな思いをしてレベルカンストしてんだぞ!? ……つっても、この世界のモンスターは強すぎるからな……。

先程、この世界にはレベル二百を超える人ないと言ったが、その原因はモンスターにあるのだ。

この世界のモンスターは一匹一匹が非常に強い。スライムでも、人に害を與えないとか書いてはいるが、それは全くの噓。攻撃力が半端じゃない。俺もレベル一の頃、舐めてかかって死にかけた。

ただ、ここに來た時點で、ユニークスキル"自回復"付いていたため、休息などは必要にならなかった。

実際、それが無ければこの世界で村人がレベル上げなんて無理ゲーにも程がある。

「お前さ、この世界のモンスターって強すぎだと思わねぇ?」

「は? 何を急に……強いも弱いも、自分が強くなればそんなの関係ないだろ?」

「ふーん……。その考えだと、一生強くはなれないな。じゃ、そーゆーことで俺は退散」

再び歩き出し、その場を去る。冒険者は、その言葉の意味がわからず、追うことを忘れ去っていた。

も買って、レアアイテム換金も終わったところで、烈毅は部屋で夕食の準備に取り掛かる。

その途中、先程の冒険者を思いだす。

「自分が強くなれば関係ない、か……」

この世界は、おかしい。モンスターは強いし、価は高いし、神はあれ以來何をしてるかわからないし、魔王退治しろとも言われないし、高レベルの人ないし。何故なのか、烈毅には微塵もわからない。

死にそうな思いをして、ここまでレベルを上げた意味があったのか、そんな考えも浮かぶ程だ。

「ま、そんな事考えても今は仕方ないか。今は、飯っと」

そして翌日。ドンドンとノックされ、扉をひらいてみる。

「おいお前!」

「なに、なんで外にいるの? ずっと外にいたの? ストーカーなの?」

「お前、今日私と一緒にクエストをしろ!」

「…………はい?」

「だから、お前がどれくらいの強さか知りたいから、私と一緒にクエストをしろと言っているのだ!」

「…………帰れ」

ドアを閉めようとするも、足で止められ閉められない。

「何?」

「デートしろ!」

「それ意味全く違うだろ」

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