《村人が世界最強だと嫌われるらしい》この世界は、何もかもがおかしすぎる 6

「馬鹿を言え! さっきみたいなきができて村人は有り得ない!」

『そんなことは無い。この世の中、何があるのかわからない。村人が強くたって問題無いでしょ?』

「問題大有だ! 畑耕すか、店開くことしか能がない村人だぞ!? 戦闘なんて出來たものじゃない!」

「酷い言い草だな……俺だって頑張きたんだぞ?」

「烈毅は黙っていろ!」

「あらら」

『確かに、普通の村人ならそうでしょうとも。ですが、彼はどこか、この世界の人とは違うところがある』

こいつ、勘がいいな……それに、さっきの殺気は凄まじいものだった。まぁ、俺が油斷してたってのもあるけど。

「なんだそれは! そんな事は認められるものではない! 噓も大概にしろ……」

村人に助けられたのが屈辱なのか、この話を信じられないのかはわからない。ただ、どちらの理由にしても、レーナが怒るのは仕方ない思う。

「レーナ、一度落ち著け。今はそんな事を言い合ってる場合じゃない」

「そんなこと……だと? これがどれだけおかしな事か分かってるのか!?」

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「今は目の前の敵に集中を……」

「お前なんか嫌いだ……村人に助けられたなんて、屈辱だ」

何も言い返すことはできない。そう思うのも仕方ないだろう。

「なぁ、それより今は」

るなっ!」

肩を摑まうとした手は弾かれる。その痛みは、今までじた事のない痛みだった。

レーナはプライドが高い。それ故に、自分よりも劣っている村人というジョブの人間に助けられてしまったことが、けなくて、恥ずかしくて、仕方がないだろう。

レーナは泣きながら來た道を戻って行く。今は、追うべきではないだろう。二つの意味で。

『話は終わったかな村人?』

「……あぁ、せっかくルノ以外の友達が出來たと思ったのになー」

『まぁそう落ち込まないで。……それで、実験は手伝って貰えますね?』

「嫌って言ってもなんかするんだろ? 仕方ねぇから憂さ晴らしにあそんでやるよ」

『それはそれは……では、行きますよ! いでよデスゴーレム!』

その言葉と共に、地面に魔法陣が出現し、そのなかから巨大で、禍々しい黒をしたゴーレムが表れる。

『まずは試作品一號! ゴーレムを限界まで狂化した……』

「おらぁぁあ!」

石を砕け轟音が鳴り響き、魔法陣から出現したばかりの黒いゴーレムは、跡形も無く消える。

『…………』

「おいおい、これで終わりってわけねーだろ?」

『全く……あなたは私を楽しませてくれる!!!』

次に、狂ったような笑い聲を上げながら、モンスターを魔法陣から召喚させる。

『次は変異種、サードです! 死なないでくださいよ……?』

「なっ……グリフォンと、オニと……まさか……」

『気づきましたか……その通り! もう一は超上級ジョブ冒険者です!』

道理で人のに似ていると思った。さっきの変異種も、多分こいつが出したと思っていいだろう。

「お前、変異種をバラまいて何企んでやがる?」

『それは教える意味はありません。こいつは実験はせとはいえ、現段階では最強。貴方すら超えるかも知れません』

「チッ……ふざけた野郎だ」

『それと、あなたのしの……ルノ、とか言いましたか? 彼が住んでる町にも変異種を數送りました』

「…………」

『聲も出ませんか……まぁ、それもそうですよね? あっちに送ったのも上級ジョブの冒険者をベースにしている。貴方に、人を殺せ……は?』

瞬きをした時だった。本當にコンマ一秒、いや、もっと短いかもしれない。

『貴様……今何をした?』

「お前に教える意味はねぇ」

『ふ、ふざけるな! 見えなかった……ど、どうやってその変異種の首を取った!?』

そう。変異種が瞬く間に殺されていたのだ。呆気なく。変異種は、自分が殺られたことに気付かず、首がない狀態でずっと立っている。

「お前は俺を甘く見すぎてる。調子に乗るなよ三下が」

強烈な殺気を、空に飛ぶ謎の人に向ける。その殺気に怯えた謎の人は、半分意識を失い、段々と地上に降りてくる。

「おいおい、ただの殺気に意識失うなよ……しょうもない」

地上に降りたところで意識が戻り、近づこうとしてきた烈毅から距離を取る。

『覚えておけ……この仮はいつか返す』

「いや、勝手にそんなもの……」

『我が名はデルノゼだ……近いうちに、また會おう……』

突然のに、烈毅は目を腕で覆い隠す。腕をどけると、そこにはもうデルノゼはいなかった。

「なんで名前言ってたの? ……っと、そんな事より、町が危ねぇ!」

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