《村人が世界最強だと嫌われるらしい》舊友に會いに行こうと思います 6

「さて、ここが噂の窟だな?」

烈毅は、ベビィデビルがいるという窟の前に立ち、し周りを見渡す。

特に今までと変わった様子はない。

ベビィデビルは、本來メルクリアにはいない。いるのはもっと西の方だ。こんなところにはいるはずがない。もしかしたら、何かの罠かもしれない。

だが、烈毅はこの異常事態を見過ごせる訳もなく、窟へと歩みを進める。

った途端、烈毅はその場の空気の冷たさに、違和を覚える。

普段、そこは震いするほど寒い場所ではない。むしろ、暖かい方だ。それなのに今、寒気をじる。

「これはもしかしたら犠牲者でてるかもなぁ……」

烈毅はそんな事を言いながら、どんどん奧へと進んでいく。松明は持參していたので、明かりには困らない。

「な、なんだこの臭い!?」

かなり奧まで來たところで、何か異臭を鼻がじ取る。今までも腐るほどの死の數を見てじて來た烈毅でも、この臭いには思わず鼻を腕で覆い隠す。

Advertisement

「死の腐った臭いと……この臭いはなんだ?」

もうし奧まで進むと、何人かの冒険者が倒れている。烈毅はすぐに駆け寄り、聲をかける。

「おい、大丈夫か!?」

反応は無い。背中には、三本の矢。皆同様に、背中には、矢が刺さっている。

「まさか……毒……?」

そこで、この臭いの正がハッキリする。これは排泄で作った毒を、矢の先端に塗り、それを放ったものだ。

の調査を進めていくと、もう一つの発見をする。

回復系魔法を使える僧と呼ばれるジョブを連れているパーティーがない事だ。今見た中でも、四パーティーいた。その中の二組は、僧を連れていない。

パーティーにとって回復職は欠かせない。さらに、ここが窟なら尚更だ。

ここで考えられるのが二つ。僧を逃がすためにここで死んだのか、僧が連れていかれたか。

殘りの二パーティーの僧は"男"だ。なら、連れていかれるとしたら――

前者にかけたいが、そう現実は甘くないことを烈毅は知っている。

「この手口は……まさかな。そんな利口な奴らじゃない。ベビィデビルは弓なんて使わない」

烈毅はこう考えている。こんな手口を使えるのはゴブリンか人間。だが、ここには"ゴブリンなど生息はしていない"

なら人間なのかと聞かれるとそうとも言えない。なぜなら、もし人間がやったとしたら、死はこんな所に野放しにしないはずだからだ。

何が起きているのか全くわからない。烈毅は、死を道の端に寄せ、手を合わせてから先へ進む。これ以上犠牲者を増やしてはならない。

そう思った矢先、その犯人は烈毅を襲う。

四方八方から弓が飛んでくる。これは多分あの冒険者達を殺したものと同じ者。

だが相手が悪い。烈毅はその場で回転しながら風圧を起こし、全ての弓をその場に落下させる。

さらに、次の攻撃が來る前に、烈毅は弓が飛んできた全方向に瞬時に移し、その犯人を無力化していく。

方気配が無くなり、烈毅はホッと一息つく。そして、その犯人を見ようと、松明をその犯人に當てる。そして、その犯人に驚く。

変異種だ。ゴブリンと冒険者を組み合わせた。

烈毅は腹が立った。非常に腹が立った。

その考えは頭に無かった。変異種はもう當分現れないと思っていた。その考えが甘かった。

烈毅はなんどもその場で地団駄をする。

「クソッ! クソ、クソ、クソクソクソクソォォォオ!!」

烈毅の地団駄のせいで地震が起き、道が崩れていく。烈毅はそんなことはお構い無しに、先へ進む。

「魔族の野郎ども頭のネジが五、六本くらい飛んでやがる! 許せねぇ」

烈毅は次第に殺意が沸いてくる。だがそんな時、心の中で聲が聞こえた気がした。ルノの聲が。レーナの聲が。

それで冷靜さを取り戻し、烈毅は一旦立ち止まって深呼吸をする。

「そうだよな。ここでキレてもしかたないよな」

そう呟き、烈毅は目的のベビィデビルを探しに行く。

そして、小一時間後、その場所を発見する。

「おいおい、なんだよこれ……」

それはベビィデビルでは無い、他のモンスターの住処だった。

さらに言うと、ベビィデビルがし形を変えたような容姿のモンスターだ。

烈毅は悟る。もしかしたら、この世界のモンスターの構造そのものが変わってきているのかもしれないと。

度重なる事件に、烈毅は頭を抱える。

そこはかなり広い空間になっており、烈毅がいるのはり口。を潛めているため、まだ気づかれてはいない。

そして辺りを見回した時、烈毅の怒りが沸點に到達する。

が二人、無殘な姿で隅に捨てられていた。そして、そこの近くにある小屋から、人間とゴブリンの変異種が現れ、そのを引きずりながら、中へと連れていく。

烈毅のは、勝手にき出す。

    人が読んでいる<村人が世界最強だと嫌われるらしい>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください