《村人が世界最強だと嫌われるらしい》舊友に會いに行こうと思います 7

「た…………すけ……て」

掠れた聲では言う。その言葉を、駆けつけた烈毅は聞き逃さなかった。

「くたばれ変異種」

烈毅は音もなく変異種を殺す。その場で花火のように発して散った鮮が、壁にへばりつく。

「大丈夫か?」

「…………」

返事が無い。どうやら、助けられた事を知り、気が抜けて気を失ったようだ。

だがあまりよろしい狀態ではない。

かなりボロボロだったため、一度この場からは去ることにした。ベビィデビルに似たモンスターに気づかれることなくその場を立ち去り、二人を壁際に寢かせる。

「仕方ねぇか。ボックスオープン」

そう烈毅が唱えると、目の前に黒いゲートが現れ、烈毅はそのゲートに手を突っ込む。

これは烈毅のユニークスキルの一つ、"異次元アイテムボックス"だ。このユニークスキルが手にった時は、それはもう喜んだ。

このユニークスキルの事は誰にも言っていない。別に言わなくてもいい事のため、何も言っていないだけだが。

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その中から、烈毅は超萬能回復薬を取り出す。そのなもパーフェクトケアポーション。

これは偶然通りがかった、世界的に有名な冒険者がくれたものだ。まぁ、なぜ貰ったのかはさておいて……。

烈毅はそれを、二人の僧に無理矢理飲ませる。すると、ゲホゲホと咳をしながら、目を覚ます。みるみるうちに傷は治っていき、全てのありとあらゆる汚が排除される。

「やっほー。気がついた?」

「あ、あなたは?」

「俺は通りすがりの冒険者さ」

「ぼ、冒険者…………違う! ひ、人村烈毅!?」

フードが取れていた事を今知り、烈毅はやってしまったと、額に手を當てる。

「あら知ってるのね」

「何!? わ、私達を殺すの!?」

「いや、俺あんた達を助けたんだけど……」

「う、噓をつけ! 村人のあんたが、こんな所に來られるわけが……!」

大聲でぶ二人の僧のせいで、モンスター達がこちらに気づいてしまう。

「あらら……あんたらが大聲だすから」

「うるさい化け!」

「はぁ……もういいから、あんたらは下がってて」

そう言い、烈毅は立ち上がる。

「もしここにモンスターが來たら、大聲でべ。いいな?」

「だ、誰があんたの言うことなんか……!」

烈毅は答えを聞かず飛び出す。

まず目の前にいたのはベビィデビルに酷似したモンスター。そのモンスターの名はハイデビル。ベビィデビルの進化系だ。

ハイデビルが口を開くと、魔法陣が現れ、そこから魔法が飛んでくる。

魔法を使える? ……なかなかいないぞそんなモンスター。

烈毅はそれを躱しながら距離を詰め、ハイデビルの頭を毆打で消し飛ばす。

何十匹といたハイデビルは一瞬で塊となり、地面に転がっていく。それを見ていた達は、口を開けてあ然としていた。

次に、武を持った変異種が襲いかかってくる。

幾人もの犠牲者を出した変異種を見ただけで、烈毅は殺気を放ってしまう。これは無意識にだ。そのせいで、周りにいた者は全員その殺気に當てられ、モンスターは倒れ、は二人ともその恐ろしさに力がらなくなり、らしてしまう。

そんなことはお構い無しに、烈毅は変異種に攻撃させる素振りすらさせず殺していく。外野から見れば、これは殺。だが烈毅には、微塵も酷いことをしてるとは思わない。

その場にはまだ多くのモンスターがおり、烈毅は片っ端からモンスターを殺していく。

モンスターを殺し盡くしたあとの烈毅は、全返りまみれであった。

烈毅はその狀態でに近づいくが、二人は怯えている。

そこで烈毅は、自分で殺気を放っていたことに気づき、すぐさま殺気を止める。

「大丈夫だった?」

は泣きながら頷く。恐ろしくて聲も出せないのだ。

ありりゃ……これはもうメルクリアにはいられねぇか……。

「なんだ……その……すまなかった。怯えさせてしまって。それと、助けが遅くなってすまなかった。それと……助かって良かった」

烈毅はそれだけを言い殘し、その場から去っていく。は、聞いていた評判とは全く違う事に、聲が出せない。だが、一人は必死に力を込め、聲を発する。

「あなたは……本當は悪魔なんかじゃ……ないの?」

烈毅は立ち止まる。そして振り向き、こう告げる。

「俺は悪魔ではない。だが、俺は化けではある。だから、皆が恐れるのは仕方ない事だと思ってる。でも、これだけは知ってしい。…………俺は、何が何でも人を殺しやしない。何が何でも、人を助けにいくという事を」

そして烈毅は、再び歩みを始め、地上へと戻る。

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