《村人が世界最強だと嫌われるらしい》舊友に會いに行こうと思います 8

外に出た烈毅は、徒歩でメルクリア町へと帰っていた。

「せっかく姿隠してたのに。これでまた町を変えなきゃなんねぇじゃん。いっそ町作ろうかな」

そんな冗談を言っていると、メルクリアへ到著する。到著したのはいいが、何やら中が騒がしい。

「ゆ、勇者様だぁー!」

「勇者様ー!」

烈毅はその騒を見るやいなや、人ごみの中を、糸をうように進んでいく。もちろん、フードを抑えながらだ。

その中心で、ナーシェ、ミーシュ、レーナ、ルノがあたふたとしながら立っている。

「ま、まずいわ。こんなになるとは思わなかった」

「ナーシェさんのせいだと思います」

「「私もそう思う」」

「仕方ないじゃん!」

そこに、烈毅がやって來る。

「後で話を聞くので、今は俺に捕まってください」

「「「「はい」」」」

そう言って、皆は烈毅にしがみつく。

そして、烈毅は大きく跳ね上がり、家の屋の上に乗り、素早くその場から去る。そのまま、門を潛って外に出る。

ある程度距離をとったところで、烈毅は立ち止まり、四人はその場に降りる。

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「で、どうしてこうなったんですかナーシェくん」

「そ、それは……」

――それは烈毅が戻ってくる五分程前の事。

「ねぇ。そろそろお茶にしない?」

「まだ報集まってないんですけど?」

「いいじゃん。烈毅戻ってきてからにしよ〜」

「ま、まぁナーシェさんがそう言うならお茶にしても……」

そう言って、四人は近くの喫茶店にろうとしたその時だった。

その日はやたらと人が多く、混雑していた。

その中を歩いているところ、ナーシェが「あっ」と言葉を発する。誰かの足に躓いたのだ。

そのまま何もすることができず、倒れるままにを任せる。三人は、それをぼーっとしながら眺める。

ドサッという音を立て、倒れたはずみでフードが取れてしまう。

「痛い」

アホみたいな顔をして立ち上がるナーシェ。顔が出ていることを知り、「あっ」と聲をらす三人。

「やばい」

その一言の後、誰かが「ゆ、勇者様だぁぁぁ!」と歓喜の聲を上げ、それからはもう言わなくても分かるでしょう。

そして今に至るのだ。

「はい。事は理解しました。さて、じゃあナーシェくん。貴方は重大な罪を犯しました。よって、おペンペン一億回です」

「一億!?」

「冗談だよ」

「だよねぇ〜! あはははは……」

「俺の本気パンチで許してあげる」

「おペンペン一億回の方がマシ」

「はぁ……まぁそれは後にして、目的の報は手にった?」

「それが……」

「その様子だと、あまり芳しくないようだね。まぁ仕方ないよ。次だよ次」

「そんなこと言って、この國一番の町へれなくなったことはかなりでかいわよ?」

「それをあんたが言うかねナーシェくん」

「お口にチャックするね」

「仕方ないか……俺のお友達にでも聞きますかね」

「「「「最初からそうしてくれる?」」」」

四人は烈毅の問題発言に、眉を寄せながら烈毅に言う。

「だって、メルクリアに行って味しいご飯食べたかったから……」

「「「「死ね!」」」」

「えぇ!?」

ぷんすか怒りながら、陣は近くにあった川へ向かった。

烈毅は、その場に座り込み、念話を使う。

念話の相手は、烈毅が一番信用している報屋だ。

「…………あ、繋がった?」

念話相手に繋がった覚がしたため訪ねてみる。念話は、口に出して喋らなくても言い為、心の中で呟いたことがそのまま相手に伝わる。

「なんだ久しぶりだな烈毅」

「おっす。何年ぶりだ?」

「二年ぶりくらいか?」

「そんなにか! にしてもガイン、お前し聲がいかつくなったなぁ」

「まぁな。ちょっと大聲出しすぎたらこうなってたわ。がははははは!」

「その笑い方は変わらないな……それで、し知りたい事があるんだけど、今いいか?」

「おう、大丈夫だぜ。で、何が知りたいんだ?」

「ここ最近で、勇者が増えたとか、変なモンスターを見たとか、怪しい人が話しかけてきたとかっていう報はないか?」

「怪しい人が話しかけてきたってのは無いが、他の二つはあるぞ」

「被害はどれくらいだ?」

「被害なのかは知らんが、勇者が増えたって報だが、これは各地で報告されているらしい。今のところ、俺の所に來たもので十件だ」

「十件か……やはり、勇者が増えた事は話題に上がるよな」

「それで、二つ目。これは、見たことのある"冒険者"が、モンスターになってたりだとか、何種類かのモンスターが合わさったような姿をしたやつだとかその他もろもろ。それが數え切れん程」

「その他もろもろの中に、絶滅したモンスターが姿を変えて現れたとか言う報はないか?」

「ん? そんな報は來てないぞ?」

「來てない?」

「來てない。だが、面白い報が一つある。一つだけな」

「どんなものだ?」

「これはまだ発見されてない、未確認の報なんだが……」

「なんだよ、もったいぶらず言えよ」

「…………魔王がき出した」

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