《村人が世界最強だと嫌われるらしい》理不盡な戦爭 4

「わざわざ隣國からごくろうな事だ。ベルム國か?」

「えぇ。私はベルム國の英雄と言われ親しまれている、デッドレイ二世だ。そして、君を囲むのは我らベルム國の超上級冒険者。全員レベル三百越えだ!」

超上級冒険者が千か……やっぱ、領地が広いとそれだけ強者も多いってことか……メルクリアはもうダメかもなぁ。

烈毅は、戦闘態勢を取ったままかない。誰がいても、すぐに反応できるよう準備はしている。

「ほう? この人數相手に勝てるとでも思っているのか、魔王の使い?」

「その呼び方、辭めてくれないかな? 俺にも一応名前あるんで。ベッドメイク二世君?」

「誰がベッドメイクだぁ! デッドレイだ!」

「あぁ、すまん。素で間違えた」

「こいつ……この英雄の名前を汚すなど……許さん!」

デッドレイは、二本のレイピアを抜き、腰を低くして構える。アホそうに見えるが、烈毅は見ただけでわかった。こいつは強いと。

「私の名前を汚した罪は重いぞ魔王の使い!」

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「だから、名前……」

「かかれぇ!」

その合図と共に、烈毅を囲んでいた複數の冒険者は、一斉に飛びかかる。

烈毅は、結界から離れないように、そして離れてはいけないということを悟らせないように対応する。

結界陣を狙った冒険者が五人、全員結界の力によって弾かれる。が、すぐに空中で勢を立て直し、狙いを烈毅に切り替える。

烈毅は、他の冒険者の対応で結界の様子を伺うことは出來ない。流石三百を超えた冒険者だと、烈毅は心する。

「しねぇぇえ!」

すると、突然の掛け聲と共に、デッドレイがレイピアを二本突き立てて突進をしてくる。

烈毅は、そのレイピアを指でけ止め、高速で蹴りをれる。が、躱される。

休む暇など無く、相手の一方的な攻撃は続く。

次は、烈毅の回りを十人程の冒険者が取り囲み、円を書くように高速で走り始める。これは、攻撃する方向を分からなくするためにとった行為だ。

「連攜をしっかりしてるなぁ……」

そう思っていると、真っ暗な上空から、突然足元に一本の矢が飛んでくる。それに続き、無數の矢が、烈毅を襲うように降り注ぐ。

烈毅はそれを拳圧で落としていく。だが、そこを狙われ、回りを走ってした冒険者が一斉に襲いかかる。

烈毅は、その場で回し蹴りを高速でする。すると、その場には突風が巻き起こり、近寄ろうとした冒険者は後方へ勢い良く飛んで行く。

突風は一瞬で止み、その瞬間を狙ってデッドレイは、先程よりも鋭い攻撃を、烈毅に向ける。

烈毅は一歩だけ後に下がり、その攻撃を躱すと、ガラ空きになった腹部に、強烈な一撃をれる。

流石に避けきれなかったデッドレイは、を翻したものの、橫っ腹にかすり傷を貰う。が吹き出すも、後方で待機していた僧がそれに気づき、回復魔法を瞬時に発させる。

傷は一瞬で治療され、デッドレイは二度首を鳴らす。

「魔王の使い……貴様なぜ本気を出さない?」

「はぁ? 本気出したら殺しちまうだろ? 俺は人を殺す趣味なんてねぇーの」

「ちっ……舐められたものだ。ならば、私達は次の攻撃から本気で行かせてもらう」

「何、今の本気じゃなかった? 仮にも俺は魔王の使いってあだ名があるんだよ? それなのに、よく最初から本気出さないで勝てると思ったよな」

「黙れ。貴様の命はもう無いと思え」

そう言うと、冒険者全員はフードをぎ捨て、全員がオーラを纏い始める。さらに、そこに僧が支援魔法を掛け、相手のステータスが発的に上昇する。

「これはまずい……」

烈毅も危険を察知し、全力を出そうかし迷う。その一瞬の迷いのせいで、烈毅は反応にし遅れる。

目の前には、一瞬で移した冒険者が三人、ほぼ同時にダガーの刃先を烈毅に突き立てようとしていた。

その瞬間、烈毅は無意識に全力モードになり、瞬きよりも早く三人を毆りつける。

骨が砕ける音がすると同時に、烈毅にダガーを向けた三人は、後方で支援をしていた僧の元まで飛んでいき、僧に激しくぶつかる。そして、計六人は気を失う。

「やべっ……!」

意識が戻り、しやり過ぎたと手を引っ込める。だが、その攻撃を見てしまったその場の全員は、一歩も近づいては來ない。

「貴様……今何をした?」

「すまん、ちょっと力っちまった」

「くっ……全員で総攻撃だぁ!」

數にして、約千の超上級冒険者が、烈毅を目掛けて全力でき出す。一人二人は対処出來ても、數の桁が違い過ぎる。

その景を前に、烈毅は決斷する。

「こうなったら、あれを使うか……」

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