《村人が世界最強だと嫌われるらしい》抜けられずの島 5
それから暫くして、他のメンバーが目を覚まし、まだ意識がはっきりしない中も、とりあえずこの狀況をどう打破するかを考えるため、になって相談していた。
「ここからどうするか……正直打つ手がない」
「ごめんね……私にこの島にかけられた魔法を解くだけの力がなくて……」
ミーシュは、申し訳ないという顔をして下を向きながら言う。今にも泣き出しそうなミーシュに、烈毅は優しく言葉をかける。
「いやいや、ミーシュは悪くないよ。それを言うなら俺だって力不足だ。これだけの力をもっときながらこの狀況を何とかできない。本當けないよ」
「でも……」
「ミーシュがいなければ、あの山は抜けられなかったよ。本當に助かってるんだから、自分を責めるなって!」
その一言だけでも、ミーシュの気持ちは癒されていく。隣にいたナーシェは、ミーシュの肩に優しく手を置き、「これからも助けてよね~」とニコニコ笑顔で言う。それに続いて、ルノ、レーナも一言ずつかけていく。本當に、この四人には適わないと烈毅は思った。
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「まだ行っていないのは海だ。だけど、これはかなりリスクがでかい。もし抜け出せないなんて事になったら最悪の場合は死ぬこともありえる。だから、不用意に近寄りたくない」
「私、一応水中対策用の魔法持ってるけど、それでもダメなの?」
「俺には効果が無いんだよ、ユニークスキルのせいでね」
「そうなんだ……そうなるとこれからもその事は頭にれておいた方がいいの?」
「うん。俺は直接魔法はほぼ全部無効化出來るから、なるべくその事は頭にれておいて」
「直接魔法……ね」
何か含んだ言い方をした様だったが、その事は無視し、話題を戻す。
「やっぱり為すないよな~! お手上げだぁー!」
「そんな簡単に諦められるものなの!?」
レーナは大袈裟なリアクションを取りながら突っ込む。そうは言っても、レーナもその事は理解していた。いや、レーナだけではなく、その場にいる全員はそう思っていた。
一生ここに閉じ込められていれば、確かに周りからは遮斷され、追っ手もこないだろう。だが、神ダメージは半端なものではなく、また、この先もモンスター達が攻めてくるとなると、話は変わってくる。
五人は、打ち合わせでもしたのかというくらいにピッタリなタイミングでため息を付く。
その直後、烈毅はとてつもない悪寒が背中に走り、すぐにオーラを纏って警戒態勢にった。その突然の行に、四人は目をぱちくりとさせ、どうしたのかと言いたげな顔で烈毅を見つめる。
そして、その正はすぐに姿を表した。
突如、烈毅達を覆う影が頭上に現れ、それは暴風を巻き起こしながら、ゆっくりと砂浜に降りてくる。結果が破られた理由でもなく、元々いた訳でもない。これは所謂、瞬間移というものだ。
上を見上げた一同は、その大きさに聲を失い、近くだからこそじるその半端ない存在と威圧に、たちまち意識が刈り取られそうになる。それをグッと堪え、辛うじて立っている。
何十メートルもあろう巨を飛ばす翼は漆黒に輝き、もまた漆黒に輝く。戦車のようにそうで分厚い鱗に、何者をも怯えさせて腰を抜かしてしまうような目付き。人を殺すためにできたと言わんばかりの尖った爪。ずっしりとしたその存在は、見ただけですぐに分かった。
「ダーク……ドラゴン」
見た目のくせに、著地音は一切ならず、數秒間何も言わずに烈毅達を見つめ、長い首をゆっくりと烈毅の前に持ってくる。烈毅とダークドラゴンの顔の距離は、息すらも當たるのではないかというくらいに近い。
『貴様が異世界の者か?』
その一言に込められた魔力に、烈毅以外の者達は思わず一本足を引いてしまう。
「……なぜそれをお前が知っている? 知ってるのは神かそこの四人くらいだぞ?」
『なぜ知っているのか? それは簡単だ。我が神の使いだからだよ』
「なっ……ダークドラゴンが神の使い? そんな話聞いたことないぞ」
『當たり前だろ? 我は下界になど姿を表さない。それに、神と言ってもただの神では無いんだよ』
「はぁ? 神なんてそんな大した奴……」
『邪神だよ』
言葉を遮って放たれた人名に、その場の一同はが耳を疑う。烈毅は、もう一度確かめるべく、聞き直す。
「……待て、今なんつった? 邪神とか言わなかったか?」
『邪神と言ったのだ。その何が可笑しい? 神やら創造神やらがいれば、もちろん邪神もいるに決まっているだろう?』
「なぜ、その邪神の使いがこんなところに現れた? 特に用などないだろう?」
『用はある。だがお前だけだ。あとの雑魚など要らぬ。ここで殺してしまっても……』
「殺させると思うか?」
ダークドラゴンが言いかけた言葉を遮り、烈毅は殺気を全開に纏い、目の前のダークドラゴンにその殺気を向ける。
それをすぐさま危険だと思ったダークドラゴンは、一瞬と言うのには遅すぎる速さで距離を取る。まるで、時間を一瞬止めたかのような速さは、もはやチートと言ってもいい。烈毅も、その早さには驚かされる。
烈毅は殺気を解き、一度深呼吸をしてから、話を再開させる。
「で、何故俺に用がある?」
『簡単だ。邪神が貴様のその恐ろしいまでに鍛え上げられた力を気にって、自分のにしたいと言ったのだ。だから、連れていくのだ』
「またか……この短時間で二回も変なヤツらにわれるとは思わなかったよ……斷る」
『……何故だ? その力があれば世界征服など容易いのだぞ?』
「その気がないから斷ったんだ。これで用は無くなったろ? さっさと帰れ」
烈毅は、しっしと手を払うようにかし、ダークドラゴンに帰るように促す。それが気に食わなかったのか、ダークドラゴンが突然オーラを纏い始める。
『貴様……我を甘く見たことを後悔させてやろう』
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