《村人が世界最強だと嫌われるらしい》抜けられずの島 8

完全に倒れ込んだダークドラゴンを見ながら、烈毅は首を鳴らし、「まだやるか?」と殺気を放ちながら問う。

ダークドラゴンも、これ以上やられたら殺されると分かっていたため、自信が持つ治癒魔法で癒し、怪我を修復させていた。それでまた攻撃を仕掛けるなら、その時は本気で殺すと、烈毅は決めていた。

「さっさと邪神の所に帰れ。お前がいるとこの島から抜け出す算段が立たねぇんだよ」

『言われなくてもそうする。次會う時は必ず殺す』

「邪神と一緒に來い。二人ともボッコボコにしてやるよ」

そう伝えると、治癒魔法で優先的に回復させた翼を広げ、ゆっくりと空中に上昇していく。

『…………貴様らは我に勝った。だからその褒に、この島にかけられた魔法を解いてやる』

そう言ったダークドラゴンは、勢いを付け、かなりのスピードで空にある太目掛けて飛んでいく。すると、パリンと音が鳴り、そこから亀裂が無數にり、窓ガラスが割れた時のようなじで、魔法が消えていく。

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何故そんな事をしたのかわからない。だが、ほんのし、わかる気持ちもした。

あの戦いをしてる最中の二人は、両者共に戦いを楽しんだ様な顔をしていたから―

先程まで晴れていた偽の空が無くなり、今は満月が空に昇っている。突然襲ってきた空腹に腹をならし、空を見上げながら「飯にするか」と呟いた。

――――――――――――――――――――――――

その頃、とある場所では……。

『ほう……あれが人村烈毅か。中々に面白い奴ではないか! こんなに久しぶりにが疼いたのは何百年ぶりかなぁ! なぁシェン!』

『はぁ……お前はそう言うと、絶対に止められなくなるからめんどくさいんだよ……わざわざ下・に行くのもめんどくさいし……あぁ~めんどくさい』

『なんだよぉ、別にいいだろ!? っていうか、お前もそれなりに気になってるだろ?』

そう言われると、しは気になってしまっていたシェンは、何も答えず無言のままでいる。

『俺はあいつが気になって仕方がない! ちょっくらちょっかいでも出しに行くか!』

『まだ早いんじゃないかー? それに、人村烈毅は神をも超える力を保有しているかもしれないし。だから、いくら戦乙のお前が戦ったとしても、五分か負けるかのどっちかだよー?』

『なんだよ、俺の神獣ともあろうものが、そんな弱気でどうする!?』

『そりゃあそうなるでしょう……っていうか、そろそろ俺って言うのやめて? 可い顔して俺って言うのは気持ちが悪いんだけど』

『何をぉ!? 呼び方なんてどうでもいいだろう!?』

『はぁ……ワル、僕はし疲れたから、寢室で寢るね~』

ふわぁ~と欠をしながら、ゆっくりと足音も立てずに歩き出す。

『あっ、待てシェン! 俺の話はまだ終わってないぞ!?』

それに続くかのように、玉座に座っていたをよっこらせと起こし、シェンの尾を追いかける。

――――――――――――――――――――――――

それから數時間後、ファイアと連絡を取った後、凄いスピードで駆けつけてきたファイアは、ワンワンと泣きながら謝罪をして、お詫びに一発毆ってくれとまで言い始めて、大変な事になっていた。

再び魔法をかけられると面倒なため、その島は離れることにした。烈毅達は、ファイアの背中に飛び乗り、飛び立った。その際烈毅は、海のある一點を見つめなていた。ここに來た時に見つけた、あのっていた何かを見つめながら。

星が川を作り、綺麗な月が地上を照らしている頃、烈毅達は、再びメルクリア國に帰還したのであった。とは言っても、今はメルクリアを敵に回している。迂闊に人が集まる所には行けない。

その為、絶対に人が來なさそうな崖がある場所に降り、人が暮らせそうな窟が無いかを探すことにした。

それはすぐに見つかり、窟の口は海の方向を向いているし、奧行もあり天井も高い。隠れ家には持ってこいな場所を見つけ、そこに住むことにした。

「ファイア、お前あの窟にれる?」

『いや……れん』

「なんとかしてれないの?」

『方法はある。だが、我はあまり気が進まないんだが……』

「今はそんな事言ってられん。その方法で頼む」

『はぁ……仕方がないか』

そう言うと、ファイアの足元に巨大な魔法陣が出現し、眩しいが辺りを照らす。思わず目を瞑ってしまった五人は、何が起きたのかは目を開くまではわからない。

そして、が収まり、ゆっくりと目を慣らすように何度も瞬きをしながら、ファイアの方を見ると、そこには高長なイケメンが立っていた。

「お前……ファイアなの?」

『あぁ……この姿は恥ずかしいから嫌なのだ』

陣からは「かっこいい~」と聲が聞こえ、ファイアは顔を両手で覆い隠す。

長でスタイルはモデルの様な型をしている。赤い綺麗な髪に、郭は絵に書いたように整ったラインで、くっきりとした赤い瞳は、何者をも惹き付ける魅力を持っている。服裝は何故か真っ赤なタキシード。だが、それでもファイアには何故か似合ってしまう。青年と言うよりは、若い執事と言ったじだ。

「なんだお前、めっちゃカッコイイじゃん。そっちの方がモテそう」

『恥ずかしいから言うな!』

それから、六人は窟へとっていった。

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