《村人が世界最強だと嫌われるらしい》二難去ると、次は災難が起こります 6
『クソ……平然と立ってられる!? あれたけの攻撃を間近でけたんだぞ!?』
『シェン、落ち著け! もうどうこういってられない條件だ! "加護"を使え!』
『でもそれを使うと本當に彼を!』
『構わないだろ! どうせいつか殺すんだ、今殺したって構わないだろ!』
『……わかったよ!』
シェンは"戦乙の加護"を、発させ、ワルは"授けられし神力"を発させる。その瞬間、今まで纏っていたオーラよりも遙かに協力なオーラを纏い、そして力をじさせる。
目の前の烈毅のオーラからじ取ったものに、ワルとシェンは焦りを見せ始め、いよいよこの力を使わざるを得なかったのだ。
ボロボロの姿で現れた烈毅の傷は、みるみるうちに癒されていく。そして、完全回復とまでは行かないものの、七割の力は回復したところで、烈毅は口を開く。
「さすが神ってだけはある。さっきの一撃も、普通の人間やちょっと強い勇者とかなら塵も殘らなかっただろうな。だけど、俺は違う」
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『なんだ、自慢か?』
「事実だ。お前は今までどんな奴と戦ってきた?」
『俺は神だぞ? 無駄な爭いなどしない』
『もちろん僕もね。僕達は基本"上"で見てるだけだから』
「そんな事だろうと思った……それだからお前らは『弱い』んだよ」
弱い、の部分だけをわざと強調して言った烈毅に、流石のワルとシェンも、怒りを表さずにはいられなかった。
『弱い? 俺達がか? ふざけるな! 俺たちは神だ、そこら辺の人間や魔族などとは格が違う! 存在や力の強さははるかに上だ!』
「いや、弱い。お前らは弱い。まず第一に、最初から手を抜いてる時點でお前らに戦いの経験がない事なんてすぐにわかる。その二に、さっきの一撃を食らわせたくらいで、気を緩めて話し合いを始めるってとこもダメだ。雑魚の典型だよ」
さらに煽りめいたその発言に、二人の怒りは頂點に達しようとしていた。
「そんなお前らが、この先俺と戦ったところで俺に勝てるはずもない。だから、もうやめて帰れよ」
その最後の発言で堪忍袋の緒が切れ、二人は烈毅にの速さが如くのスピードで距離を詰める。そして、至近距離まで近づいたワルとシェンは、同時に全力攻撃を仕掛ける。
が、その攻撃よりも早く烈毅の攻撃がワルとシェンに雨が如く降り注ぎ、その一発一発の攻撃の重さと鋭さに、思わず聲を荒らげる。
さらに、烈毅の攻撃は続き、ワルとシェンを毆り飛ばした後、地面と平行に飛んでいった二人を、地面を蹴り飛ばして追いついた烈毅は強烈な蹴りをれ、地面に蹴りつける。
その衝撃で地面には半徑五十メートル程のクレーターが出來る。そこを更に詰めようとした烈毅だったが、やられっぱなしになっていたワルとシェンは、いち早くそこから出し、クレーターの外に出る。
そして、クレーターの外に出てさますぐに烈毅の上を取り、再度二人で烈毅を攻撃する。ワルは拳に闘気を纏わせ全力で烈毅を毆り続け、シェンは最大火力で烈毅に魔法の雨を浴びせさせる。
『よし、一旦引け!』
そのワルの合図とともに、クレーターからし離れたところで、し荒くなった息を整えながら警戒態勢を維持する。
そして、クレーターの中から何事も無かったかのような顔で現れた烈毅を見て、ワルとシェンは絶に満ちた表になる。
『あれだけの攻撃でも倒せない……何故……』
「…………つまらない」
その呟きがワルとシェンの耳に屆いた時、もう勝てないと思ったのか、ワルとシェンはその場に跪き、オーラを解いてしまった。そして、その二人を殺そうと、烈毅が地面を蹴ろうとした時だった。
轟音と共に落ちてきた謎のが、烈毅とワル達の中間の距離のところに落ちてきて、そこにはもう一つ大きなクレーターが出來、そして砂煙がその場を立ち込める。
『すまんな。ここまでにして貰えるか、人間』
「誰だ」
砂煙から出てきたのは人、ではなく、神だった。しかも、ワルやシェンとは話にならないくらにい強大な力をじる神だった。
白髪混じりの黒髪のし長めの髪型に、ゆったりとした目つきに優しそうな瞳をしている。ゴツゴツとした巖のようなに、丸太のような太ももの筋。シェルドを思い出させるようなその容姿や姿に、烈毅はどこか親近を持った。
『こいつらの監督役だよ。いよいよ見過ごせなくなったからな、俺が出てきたってわけだ。連れ帰ってもいいか?』
「ダメだと言ったら?」
『まぁ力ずくで帰るかな?』
その答えを聞いて、烈毅はオーラを解く。そして、背びをしながら「あぁ〜疲れた〜!」と欠をしながら言う。
『まだこいつらに死なれては困るんでな。神々の若者不足は深刻な問題なんだ』
「そうなんだ……あ、でも條件をわしたんだけどそれはどうなるの?」
『保留にしてもらえないかね? つか、勝つって分かってたのにそんな條件で良かったのか?』
『なっ、勝つってわかってたって……!』
「いやいや、超大切な條件だから。俺達の生活が掛かってるから」
『まぁいいや。またいつか必ず殺り合う事になる。その時はこちらも全力で殺らせてもらう。いいな?』
「ああ。いつでもかかってこい」
最後にその神はフッと笑い、ゴチャゴチャと喚いているワルを抱え込み、自を無くしたかのような顔をしたシェンも抱え、空へと飛んでいってしまった。
「俺、ちょっと変わっちまったな」
そうボソリと呟いた獨り言は、烈毅自の心の中でじわりじわりと侵食していった。
「さて、帰ろうかな」
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