《村人が世界最強だと嫌われるらしい》二難去ると、次は災難が起こります 7

「あー、本當に疲れた。強がっちゃいたけど、あいつらの攻撃痛かったわぁ……自回復があって良かったわ」

ボコボコになった地面の上を歩きながら、自で作った亀裂へと飛び込み、拠點へ帰った烈毅は、まだ作業をしていた皆を手伝った。

「ねぇ烈毅、さっき上で凄い音が鳴ってたけど、何かあったの? 服裝もボロボロだし」

「ん? あぁ、ちょっとうんこしたくなって暴れてたらさ、なんかでっかいモンスターが現れてさ、そいつ倒してたんだよ」

「うんこしたくなったから暴れてたって何よ……もうちょっとマシな噓つきなさいよ」

「あれ、バレてた?」

「當たり前じゃない。何年付き合ってると思ってるよの」

「そんな長い間お前といたっけ?」

「いたわよ失禮な!」

「そう怒るなって……あったの最近のことだろ?」

「一年と半年前だわ」

「長くねぇじゃねぇか」

「い、いいじゃない別に! このバカ!」

「わかった、わかったから! さっさと作業の手をかせ!」

「うっさい!」

本當は知っていた。會った時の事や、味方になってくれた理由も。だが、神と戦ったなんてあまり言えたもんじゃない。だから、わざと話題をすり替えたのだ。

それから一時間後、ミーシュが「いたいた、やっとみつけた!」と言いながら、ヘトヘトな姿でやってきた。

「あ、忘れてた。俺のところに來いって言ったっけ」

「酷いっ! どこ探してもいないから外にまで行っちゃったじゃない……っていうか、地上酷いことになってたけどあれってまさか……」

「なん事やら?」

「さっきの音。それにあの荒れ方。ただ事じゃ無いわね……」

「あ、やっぱミーシュも聞こえてたんだ」

「そりゃあんな音なってちゃ聞こえてくるわよ」

「まぁ気にするな。それより、幻魔法張り終わったのか?」

「ええ、終わったわよ。それで、何をするの?」

「いや、特に理由は無かったんだが、まぁどうせやる事分からなくなるだろうからああ言っただけだ。こっちの作業も終わったし、多分あいつらもとっくに松明は設置し終わってるだろうから、とりあえず集合するか」

「そうね。どんな特訓をするかを決めましょ」

それから、一同は全員集まり、焚き火を囲みながら、みんなで今後の方針を決める話し合いを始めた。

「さて、これから本格的に特訓をするわけだが……お前らのステータスを知りたい。ステータスを見せてくれ」

「わかったわ。じゃあ私から開示するからちょっとまってて……あ、なんか白紙の紙頂戴」

「ああ、俺が出すよ」

烈毅は、"異次元アイテムボックス"から白紙を取り出す。

烈毅の場合なら、心の中でステータスオープンとかなんかそれらしい単語を言えば開示できるが、本來は違う。烈毅のことを把握している彼らは、見ても驚きはしないが、知らない者が見たら多分驚くであろう。

本來のやり方は、白紙の紙の上に、特殊な魔法陣を描き、その上で手のひらを広げ、魔力を込めると、魔法陣が形を変え、文字に変わるというシステムなのだ。手間はかかるが、金はかからないし、どこでも開示できる。

それと、もう一つ違う所がある。ステータスの表示形式だ。烈毅だと數字で表される。今は違うが、昔は數字で表示されていた。だが、元々この世界で暮らしていたものは、ステータスは全て段階評価で表される。F、E、D、C、B、A、AA、S、SSまでの九段階評価になっている。

そして、初めに開示すると言ったナーシェが、その作を終え、手のひらを魔法陣の上に起き、魔力を流す。すると、文字が浮かび上がってくる。

「はい、これが今の私のステータスよ」

ナーシェ=クレンズウェル

ジョブ 【勇者】

レベル 351

攻撃 AA

 A

敏捷 A

魔力 A

知力 B

ユニークスキル

"エクスカリバーの使い手" "勇者" "使用魔力半減" "防力上昇"

「へぇ〜、こうやって表示されんだ。初めて見た」

「ん? 何か言ったかしら?」

「んーや、何も? にしても、さすが勇者なだけあるな。高いステータスだよ」

「當たり前よ、これくらい」

「だな。よし、次は誰だ?」

「あっ、じゃあ私が行くわ。ハードル上げられても困るし」

そう言って、レーナも同じ作をし、ステータスを開示する。

テラス=レーナ

ジョブ 【戦士】

レベル 100

攻撃 C

 C

敏捷 C

魔力 D

知力 D

ユニークスキル

"努力"

「お、レベル百越してんじゃん。頑張ったな」

「ま、まぁな」

「お前は鍛えればまだびる。これからが楽しみだよ」

「お、おう! 頑張る!」

顔を赤く染め、可げのあるポーズをして喜ぶレーナ。ナーシェやルノも「頑張ろうね!」と聲をかけている。チームワークはバッチリだ。

「じゃあ、次はルノ。見せてくれ」

「わかった」

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