《村人が世界最強だと嫌われるらしい》二難去ると、次は災難が起こります 9
日が昇り始めた頃、烈毅達は訓練場へと集まり、烈毅が前に出て、他のメンバーは橫一列に並ばされ、直立姿勢をされていた。
「皆さん、よく眠れましたか?」
「「「「はーい」」」」『ねむれたな』
「よし、それならばよろしい。今日から本格的に特訓を始めるわけだけど、昨日聞いたメニューを必ず終わらせてください。でなければ夜飯は無しです」
「「「「はーい」」」」『うむ』
「よろしい。じゃあ訓練開始!」
そんな特に意味の無い集會を終え、各自バラバラに散らばり、早速組手を始めた。
烈毅は、場所を転々と移しながら、細々と注意をしながら回って行くことにしている。
練習容はこうだ。
まずはレーナ。彼は基本ステータスが周りの人とかけ離れており、言っては悪いが足でまといになりかけている。そのため、彼のトレーニングが一番ハードになっている。
基本ステータスを上げるには、レベルを上げる、と言うのもあるが、個人的に鍛えていてもステータスは向上していく。ただ、上限があるため、レベルアップも並行して行わなければならない。その場合は、烈毅直々に相手をする事になっている。
Advertisement
筋トレや走り込み、反応速度の向上といった個人能力面と、戦い方に関する防姿勢や判斷の仕方などの技面を、この訓練で叩き込む。
続いてルノ。
彼の抱える『呪い』という未知ながある限り、戦えないのでは仕方がない。いち早く克服してもらい、戦えるようになってもらいたい。話はそれからだ。そのため、烈毅はルノの事だけはし多めに見ることにしている。
次にミーシュ。
元々魔法の才能が突出しており、この世界でも數ない高レベル魔法使いだ。彼は、魔法に特化したステータスをしており、攻撃力がかなり低い。一度は攻撃力を上げさせることを考えたが、その時間を使って更に魔力を高めてもらった方が良いだろう、ということで、魔力の限界を引きばす事にした。
魔力は、魔法を使えば使う程に増えていく。その代わり、襲ってくる疲労が尋常ではない。だが、それに耐えてもらわなければならない。
それと、これは烈毅は知らない事だが、彼はかに賢者を目指している。そのため、この世界中の魔道に関する本を読み、知力も高めようとしている。
どこで本を読むのか、に関してだが、ファイアが持つ魔法に、『赤龍の書庫』というものがある。これは、どのドラゴンも持つ魔法であり、世界最高峰の図書館とまで言われている。それを利用させてもらっているのだ。
そしてナーシェ。
彼は、勇者に選ばれた、優れた能力を持った優秀な超上級冒険者だ。だが、この世界最強の勇者ではない。現に、彼より強い者はいる。それではダメなのだ。勇者に選ばれた以上、魔王を倒すという指名がある。それを為せるくらいの実力を持ってもらわないと困るのだ。
そのため、ナーシェには、一度聖剣を手放してもらい、烈毅が簡易的に作った石の剣で、ファイアと手合わせをさせることにした。
ファイアにとってはし不足かもしれないが、勿論ファイアにも制限を付けている。それは、自分の能力を底上げさせる力を持つ魔法やユニークスキルの使用止だ。こうすることによって、元からの強さを更に上げていこうとするのが目的だ。
各々が、その特訓に勵む中、烈毅は最初に、レーナと手合わせをする事にした。
「レーナ、手合わせの時間だ」
「わかった。本気でやるのか?」
「いや、それじゃ意味が無い。お前の実力に合わせて戦う。これはお前のためにだ」
「そう言われると泣きたくなるわ……まぁいいや、始めましょ」
そう言って、烈毅とレーナは対峙し合う。周りの者も、自分の特訓に集中しなければならないが、こちらも気になって仕方がなく、つい手を止めて見てしまう。
「じゃあ、俺から行くぞ」
そう言って、烈毅は実力の一割も出さない程度の速度でレーナとの距離を埋める。烈毅にとっては、こんなスピード止まって見える。だが、レーナは違う。
なんとかギリギリで反応したレーナは、両手に持った剣で烈毅の頭を全力で斬ろうとする。だが、それは簡単に避けられる。
「ダメだそんな鈍い攻撃は。筋繊維が壊れるくらいに力を込めて振るえ!」
「はい!」
次は、レーナが烈毅との距離をめ、鋭い突きを烈毅に向ける。その攻撃も掠りもせず、烈毅に後ろを取られてしまう。
「今の攻撃はよかった。だが、その後だ。お前、避けられたからって直ぐに攻撃を辭めたな?」
「あ、あぁ……」
「目で追えているのなら、全力でそれに反応してさらに攻撃を続けろ。ただし、剣に振られるんじゃなく、剣を振るうんだ。いいな?」
「そんなこと、とうの昔に教えて貰っている!」
そして、その特訓を開始して三十分経った後、レーナは力の限界が來てしまい、剣を地面に落としてしまう。
「わかったか? これが今のお前の実力だ。これでは、この先戦っていけない。だから、今はめちゃくちゃキツいかもしれないけど、その分頑張れば自分に返ってくるから」
「わ、わかった〜」
「烈毅、厳しぃ……」
『わ、我もあんなに扱かれるのか……?』
「いや、ファイアはあの倍は扱かれるんじゃ……」
『……逃げようかな』
【書籍化・コミカライズ】愛さないといわれましても~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる
「君を愛することはないだろう」 政略結婚の初夜、生真面目軍人ジェラルドにそう言い渡された伯爵令嬢アビゲイル。 前世は魔王のアビゲイルだが、魔王とはいえ食生活は貧しかった。 憧れの人間に転生して、これで豊かな食生活がと期待するも、継母と義姉は餓死ギリギリを狙って攻めてくる。 虐げられた生活を送っていた彼女にとって、政略とはいえこの結婚はそんな生活から脫出するための希望だった。 だからせめて、せめてこれだけは確認させてほしい。 「……ごはんは欲しいです」 黒髪青目でいかつい系の軍人旦那様は、ひもじい子には意外と優しかった。庇護欲にあふれた使用人にも大切にされ、アビゲイルの美味しい食生活がはじまる。
8 136【書籍化コミカライズ】死に戻り令嬢の仮初め結婚~二度目の人生は生真面目將軍と星獣もふもふ~
★書籍化&コミカライズ★ 侯爵家の養女セレストは星獣使いという特別な存在。 けれど周囲から疎まれ、大切な星獣を奪われたあげく、偽物だったと斷罪され殺されてしまう。 目覚めるとなぜか十歳に戻っていた。もう搾取されるだけの人生はごめんだと、家を出る方法を模索する。未成年の貴族の令嬢が家の支配から逃れる方法――それは結婚だった――。 死に戻り前の記憶から、まもなく國の英雄であるフィル・ヘーゼルダインとの縁談が持ち上がることがわかっていた。十歳のセレストと立派な軍人であるフィル。一度目の世界で、不釣り合いな二人の縁談は成立しなかった。 二度目の世界。セレストは絶望的な未來を変えるために、フィルとの結婚を望み困惑する彼を説得することに……。 死に戻り令嬢×ツッコミ屬性の將軍。仮初め結婚からはじまるやり直しもふもふファンタジーです。 ※カクヨムにも掲載。 ※サブタイトルが少しだけ変わりました。
8 111指風鈴連続殺人事件 ~戀するカナリアと血獄の日記帳~
青燈舎様より書籍版発売中! ある日、無名の作家が運営しているブログに1通のメールが屆いた。 19年前――、福岡県の某所で起きた未解決の連続殺人事件を、被害者が殘した日記から解明してほしいという依頼內容だ。 興味をそそられた作家は、殺人事件の被害者が殺される直前まで書いていた日記とは、いったいどういうものだろう? 見てみたい、読んでみたいと好奇心が湧き、いくたびかのメールの往復を経てメールの送信者と対面した。 2020年1月上旬、場所は福岡市営地下鉄中洲川端駅の近くにある、昭和の風情を色濃く殘す喫茶店にて……。
8 91女神様の告白を承諾したら異世界転移しました。
突然の雷雨、走って家まで行く途中に雷に直撃した。 目を覚ますと超絶美少女の膝枕をされている。 「貴方の事が前前前前前前……世から好きでした。私と付き合ってください。もしダメなら、一生隣に居させてください」 それって?俺の答え関係なくね? 少年にぞっこんな美少女の女神様と怠惰で傲慢な少年の異世界ストーリー。
8 159鸞翔鬼伝〜らんしょうきでん〜
古くから敵対してきた不知火一族と狹霧一族。 銀鼠色の髪に藍色の瞳の主人公・翔隆は、様々な世代の他人の生と業と運命を背負い、この戦亂の世に生まれた。 戦國時代の武將達と関わりながら必死に生きていく主人公の物語。 続きはpixivfanbookやエブリスタ、Noteにて販売します。
8 130出雲の阿國は銀盤に舞う
氷上の舞踏會とも形容されるアイスダンス。その選手である高校生、名越朋時は重度のあがり癥に苦しんでおり、その克服の願をかけに出雲大社を訪れる。願をかけたその瞬間 雷のような青白い光が近くにいた貓に直撃!動揺する朋時に、體を伸ばしてアクビをすると貓は言った。『ああ、驚いた』。自らを「出雲の阿國」だと言う貓の指導の下、朋時はパートナーの愛花とともに全日本ジュニア選手権の頂點を目指す。 參考文獻 『表情の舞 煌めくアイスダンサーたち』【著】田村明子 新書館 『氷上の光と影 ―知られざるフィギュアスケート』【著】田村明子 新潮文庫 『氷上の美しき戦士たち』【著】田村明子 新書館 『DVDでもっと華麗に! 魅せるフィギュアスケート 上達のコツ50 改訂版』【監】西田美和 メイツ出版株式會社 『フィギュアスケートはじめました。 大人でもはじめていいんだ! 教室・衣裝選びから技のコツまで 別世界に飛び込んだ體験記』【著】佐倉美穂 誠文堂新光社 『フィギュアスケート 美のテクニック』【著】野口美恵 新書館 『表現スポーツのコンディショニング 新體操・フィギュアスケート・バレエ編』【著】有吉與志恵 ベースボール・マガジン社 『バレエ・テクニックのすべて』【著】赤尾雄人 新書館 『トップスケーターのすごさがわかるフィギュアスケート』【著】中野友加里 ポプラ社 『絵でみる江戸の女子図鑑』【著】善養寺ススム 廣済堂出版 『真説 出雲の阿國』【著】早乙女貢 読売新聞 また阿川佐和子氏『出雲の阿國』(中公文庫)に大きな影響を受けておりますことを申し述べておきます。
8 156