《村人が世界最強だと嫌われるらしい》二難去ると、次は災難が起こります 11
「一人にしてよ!」
「そんな訳にもいかないでしょ!? 流石にあれは烈毅が悪いとは思うけどさ!」
一キロほど走っただろうか。それぐらいの所でナーシェは止まり、その場にしゃがみ込む。後から追いついたレーナ、ルノ、ミーシュはもナーシェを囲むように座り、話を聞くことにした。
「あんな酷い言い方しなくてもいいじゃん!」
「それはそうかもだけど……でも、烈毅もキツくやるとは言ってたし……」
「限度ってものがあるでしょ!? 私だって頑張って勇者やって來たのに! それを簡単に否定されたんだよ!?」
「それは……」
「私だって頑張ったのに……最初の頃はすごい褒めてくれたのに……」
「最初の頃?」
「そう。私が烈毅と初めてあった時」
かれこれ何年も前の話になる。
何の接點も無いはずの烈毅とナーシェが、何故出會ったのか。それは偶然の出來事であり、それが無ければもしかしたら、今頃ナーシェも烈毅を殺そうと、國側に付いていたのかもしれない。
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ある日、ナーシェがまだ鉄の剣を裝備し、一人努力に勵んでいた頃、力が付いたと過信したナーシェは、一人で強敵の出る場所へ行った。
「ここね……冒険者殺しの森ってのは。今のレベルは百五十。なんの問題もなく戦えるはず」
武を構え、警戒心を強めながら歩いている所だった、突如目の前の木からモンスターが表れたのだ。
「うわっ!?」
驚きながらも、何とか一撃で切り伏せたナーシェは、その一撃だけで「行ける」と思ってしまった。それが間違いだと気づくのは、すぐの事だった。
「な、何よこの數……いえ、私なら出來るわ、絶対」
目の前には、二十を超える數のモンスターがおり、ナーシェを囲むように陣取ったモンスターは、皆手に武を持っていた。
初めに襲いかかってきたのは、背後にいた二匹のモンスターだ。高く飛び上がり、奇聲を上げながら毆りかかってきたモンスターを、ナーシェは俊敏なきで躱し、綺麗にと下半を真っ二つに切り捨てる。
それに続き、五匹のモンスターが四方から襲いかかり、ナーシェはそれに対応しようとした。だが、二匹を斬った後、殘りの三匹を対処する事が出來ず、攻撃を食らう。それがきっかけとなり、囲まれたナーシェは為すもなく攻撃をくらい続けた。
ナーシェは悟った。『やばい……意識が……私、まだ力不足だったのかな…………誰か、助けて……』
そんな時だった。その願いが通じたのか、一人の村人の格好をした者が、自分に乗っかっていたモンスターを一瞬で蹴散らし、助けてくれたのだ。
「おい大丈夫か? 生きてるかー?」
「生き……て……る」
「ならまだ助かるな。ほれ、これ飲みな」
を起こし、強引にその回復薬を飲まされたと思ったら、先程までけていた傷が全部無くなり、中に力が漲ったのだ。
「ありがとうございます。助かりました」
村人がこんな所に? 何で……。
「ああ、間に合って良かったよ。でも、何でここに一人でいたんだ? ここは本來なら、パーティーを組んでる所だろ?」
「そ、それは……」
「はっは〜ん、さては、自分の力に自信が付いたから、腕試しにここに一人で來たってじか!」
「なっ、違っ……!」
「かぁーっ! 図星かっ! お前阿呆だなー!」
ゲラゲラと笑うその村人こそ、人村烈毅だったのだ。
「う、うるさい! 貴方こそ、どうして村人がこんな所に居るのよ! 可笑しいわ!」
「ああ、それには々と訳があってだね……」
「教えてよ」
「やだね」
「ケチ」
「初対面の奴に教えらんねーよ」
「なら、どうしたら教えてくれるの?」
「えー……この事は忘れてくれよ……」
「無理よ。だって、村人の格好をした人が、五人くらいでパーティーを組まなければ抜けられないこの森で、単であの數のモンスターを一瞬で蹴散らしたとなってはね?」
「それもそうだ……なら、お前が勇者になったら教えてやるよ」
「ほんと?」
「ああ。まぁ、最も? こんな所でへばってちゃ、勇者なんて無理だろうけどな」
「うっ、うるさい!」
「うわっ!? 石を投げるな!」
それが初めての出會いだった。それから、何度か會うようになり、何度かご飯に行ったり、冒険に出たり、散歩したりした。そして烈毅に惹かれていった。
そして、勇者になった事を伝え、「おめでとう。なら、全てを話そうか」と言い、驚きはしたものの、烈毅が違う世界から來たことを知ったのだ。
それからは、ばったりと烈毅と會わなくなり、何年も過ぎた頃、再びこうして出會ったのだ。
「すごい褒めてくれたし、失敗しても許してくれた。でも、なんか今の烈毅はちょっと違う。怒りっぽくなった」
「あ、それは私も思った。それに、前よりも殺気がさ……こう……言い難いけど、悪いものになったというか……」
皆、烈毅の変化に気づいていたのか、その事にこくりと頷く。
「で、でもさ、もしかしたら烈毅は私達のためにああしてキツくしてくれてるのかもしれないしさ、今まで甘えてたってのもあるから、きっと怖く見えたんだよ!」
「でもあの言い方は……」
「きっと、烈毅も今頃反省してるわ! 直ぐに切り替えられはしないと思うけどさ、取り敢えず今は帰ろ?」
「…………そうね。帰ったら土下座させてやる!」
クスクスと笑い、先程までの雰囲気が噓かのように晴れる。そこに、一人の黒いタキシード姿の男が現れ、シルクハットを右手に持ち、深々とお辭儀をした。
「誰?」
「おやおや、私をお忘れですかね? 私ですよ。デルノゼです」
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