《村人が世界最強だと嫌われるらしい》越えなければならない壁が大きくて 1

瓶の中を一気に飲み干した烈毅は、先程まで熱かったが更に熱くなり、自然と汗が滲み出てくる。

「なんか、すごくが、熱くなって、きたな」

の力がすっと抜けるようにその場に烈毅は倒れ込み、その様子を見ていたルーフは、烈毅のを揺すり、慌てた表で聲をかける。

「お、お兄さん? お兄さん!?」

そのルーフの一言が辺りに響き渡り、テントを用意していた一同は倒れ込んだ烈毅とルーフの姿を見て、一目散に駆け寄ってきた。

「烈毅!! 貴方何したの!?」

「ぼ、僕は薬を渡しただけで……」

「本當に!?」

「ほ、本當だよ!」

『やめろナーシェ! 今はそんな事を気にしている暇はない! 回復魔法だ!』

「わかった。ナーシェはその子を見張ってて」

「わかった」

一気にルーフへの視線は冷たいものとなり、烈毅の様態は益々悪くなる一方だった。

「視界がぼやける……気持ち悪くなって……」

その途端、烈毅はその場で嘔吐してしまう。今までにそんな事は無く、目を回すことすら無かった。完全魔法耐があるにもかかわらず、このような狀態になったという事は、魔法の類ではない。

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烈毅の顔は見る見るウチに白くなっていき、終いには鼻や吐をしだした。それを見て、怒り狂った一同はルーフを殺そうかと、その考えが頭をよぎった。

だが。

「待ったみんな…………ルーフは……殺すな」

か弱い聲でそう言って手を挙げた烈毅の腕は、力なく地面に叩きつけられる。烈毅が完全にかなくなると、ナーシェは下を向き、その場で膝をつく。

「どうしてよ……どうしてよ!」

ナーシェは、ルーフをギラりと睨みつけると、ルーフはその殺気に當てられて気絶する。怒りを覚えたのはナーシェだけでは無い。その場の空気が最悪な中、クルルだけは冷靜でいた。

「落ち著いて。確かに烈毅はこうなったが、多分大丈夫だ」

どう見ても大丈夫に見えない烈毅を見て言ったことに、皆はクルルに視線を向ける。

「はぁ? これを見てそんなこと言えるの?」

「烈毅は死なない、と言うより死ねない。多分薬の副作用か何かだろう。まだ微かだが生気はじられる。そのエルフを殺すのはまだ早い」

「…………偉そうに」

「冷靜だと言ってしい。取り敢えず、烈毅を運ぶぞ」

そう言って、その場は収まった。ただ、クルルを除く、ほかの者の殺気は収まらなかった。

ぼんやりとある意識が覚醒したのは、數分後の事だった。

「ここは……」

『おっ、漸く目覚めたか。また會ったね、烈毅君』

「お前は……神」

辺りは何も無い真っ暗闇。その中、ゆっくりと立ち上がり聲がした方を向くと、そこには一度王に切られた時に出會った、その神々しいまでの存在が、五メートルはある、派手派手しい椅子に座っていた。

『そう。私は神。創造の神と言ったところかな? この世界を生み出したのも私だ。まぁちょっと変わっちゃった所もあるんだけど』

「俺はまた死んだのか?」

『いいや。ここまでは私のシナリオ道理進んでくれている。君はエルフの薬を飲んだ。今こうなっているのはその薬の作用だよ』

「そうか。それで、どうして神と會うんだ?」

『君の病はし特別だからね。病気とか怪我とかじゃないし? そもそもあの薬じゃ治せないし』

「なんだそりゃ……まぁ、薄々は思ってたけどさ」

『あの薬はね、一度仮死狀態になるんだよ、誰でも。そして目覚めた時には治り、寧ろ強くなる』

「ひでぇ薬だよ全く。それで、俺はなにをすればいい?」

『今回は時間がたんまりとあるからね。まずは今の狀況を説明するとしよう』

「狀況?」

『そう。取り敢えずそこに座って』

神が指を鳴らすと、烈毅の背後付近にフカフカなソファーが現れる。どっさりと腰をかけると、そのらかさに烈毅はしビックリしながらも、話を続ける。

「それで、どんな狀況なんだ?」

『そうだねぇ……ちょっと時間は戻るけど、そこから話していこうか。まず、どうして君が世界中から狙われたが、だ』

「それもうかなり前のことじゃん……俺が世界中を巻き込むような殺気を放ったからじゃないのか?」

『確かにそれも原因の一つ。だけど、真相は違う』

「真相?」

『うん。そもそも、村人が世界最強ってだけで、國が君を狙うかね? ちょっと気になる人くらいだろ?』

「でも、その後俺が魔王だかなんだかって言われて狙われるようになったろ?」

『じゃあ、その報を流したのは誰?』

「魔族の奴らだろ?」

『そう。魔王がき出した、と流した。そして、君は魔王の使いと言われ出した』

「困ったもんだよ。あのタイミングであんな報流されたらそう思うよな……」

『いいや、それは違う。思い込みじゃない。人村烈毅は魔王の使いだって報は流されていた』

「…………は?」

『君が報を聞いたのは、魔王がき出した、だけだね?』

「そうだよ。ガインから聞いた」

『そう。ただ、もう一つ報はあった。ただ、その時伝えられなかった、いや、伝えなかった人がいる』

「ガインに報を流したやつか」

『そう。元々烈毅の友人と知っての行だろう。相手が持ってる報量は侮れないからね』

「なんで魔族は俺の報を持ってる?」

『それはね……』

「それは?」

『私がドジったからかな!』

「神失格だ」

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