《村人が世界最強だと嫌われるらしい》越えなければならない壁が大きくて 5
ああ、あれから幾回やったのだろう。
ルノが笑い、変して人を殺す。
ルノが走ってきて、苦しみ死ぬ。
見る度に思う。『どうしてそんなことをする?』『何故俺はけない?』と。
そして毎回言われる。『君は本當に弱い』と。
んな事はわかってんだよ。でもどうしても出來ねぇんだよ。ルノを殺すなんてことは……。
そして、またこうして目の前でルノが街の人々を殺している。楽しそうに、笑顔で、玩で遊ぶように、殘に。
ほら、いけよ、俺。あれは止めなきゃ行けないんだろ? ここを乗り越えないと本當のあいつらの所には帰れないんだろ? なれけよ。
だが、一歩たりともけない。そして―
『はぁ。これで何度目だい? 本當に乗り越える気ある?』
俺は何も言わずその場で立ち盡くす。
『あのさぁ、時間はあるとは言ったよ? でもさ、こうまで時間がかかるとは思ってなかったわけよ、ね? そろそろ次の段階に行きたいんだけど』
「わかってる」
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『なら―』
「早く、次にいけ」
『……その言葉も聞き飽きたよ』
そして、神は疲れたように指をならす。景が変わる最中、変な聲が頭の中に流れ込んできた。ルノとは違う、レーナでも、ミーシュでも、ナーシェでも、ファイアでも、クルルでもない。だけど、その聲は囁いてくる。
『頑張れ、烈毅。貴方ならできるわ』
どこか懐かしく、暖かく、優しい。それでいて、その聲を聞くと自然と勇気が湧いてくる。
「誰なんだ……」
『…………してるわ』
「あぁ、そうか。あんたは……」
そして、いつもの見なれた景が目の前に広がる。突然のに目を瞑り、腕でを遮ろとする。そこに、あの聞きなれた聲が聞こえてくる。
「れーつーきー!」
「よぉ、また會ったな」
「また? 今日は初めてあったと思うけど……」
「そうだな。さぁ、今日は何をするんだっけ?」
「今日はねぇ、ご飯食べいくんだよー!」
「そうか。じゃあ行こうか」
「うん!」
歩き始め、時は流れる。そして、あの時間がやってくる。悪魔の時間が。
「さて、もう帰るか」
「そうね。それじゃ―」
突然視界がぐにゃりと曲がり、あっという間に火の海が目の前に広がる。そして、上を見ると見なれたルノが浮いている。
「ああ、このパターンか」
「ごめんね、烈毅。こうしないといけないの」
「そうか……」
何故、殺さなければならないのか。ずっと考えていた。だって、そんな必要何処にもないじゃないか。優しくなるため? 耐えられるようになるため? それならもっと他の方法があったはずだ。なのに何故これなのか。
答えなんて見つかってなんかいない。ただ、分かったことはある。
それは―
「俺はアイツらのことが大好きだ」
その言葉を呟き、烈毅は地面を蹴ってルノの元まで一瞬で移する。その速度に反応できないルノは、ワンテンポ遅れて攻撃に移る。
「すまない」
そういい烈毅はルノの頭を両手を合わせ握り、下にたたき落とした。
砂埃が舞い、その場には大きなクレーターが完する。一瞬でボロボロにされたルノは、素のルノに戻り、烈毅のに訴えかけるように聲を出す。
「やめて、烈毅……わたし……」
「すまない。だが、もうお前とは付き合えない。何故ならルノが待ってるから」
「私はここに……」
「そうだ。確かにルノだ。だけど、俺はお前を殺さなければならない」
「なんで?」
「本に、會うためだ」
「本?」
「ああ」
烈毅は、ここにきてさらに分かったような気がした。
これは、耐えるだの殺れなければならないだの、そんな話ではない。もし、誰かに殺されてしまって、この世からいなくなってしまっても、それ乗り越えないとならないのだと。
耐えて引きずるのではなく、その死をけれないといけないのだと。そして、その死をに強くならないといけないのだと。
「だから、俺は、乗り越えるんだ」
「え?」
そういい、烈毅はルノの心臓目掛けて一直線に手を差し込む。
「また會おう、上で」
その言葉をかけた瞬間、目の前が真っ暗に変り、見なれた神が眼前でビックリしたような顔で烈毅を見ていた。
『驚いた。正直まだかかると思ったけど、やはりやる時はやるんだね、君は』
「違うな。出來るけどしなかった、てのが正しいんだろうな」
『ふーん……し面白い方向に長したね』
「ああ。それで、刻印を刻むんだろ? ならさっさとやってくれ」
『もうしてある。というか、実は刻印はルノ君を殺すことで自的に刻まれるよう仕組んどいたんだけどね』
「そうか」
數秒の間が生まれ、烈毅はし笑い、顔を掌で二度叩くと、先程まで悲しみにくれていたような顔つきが、の見事に真逆の顔に変貌した。
『ほんと、君は面白い』
「もう、俺はみんなを困らせない。絶対に俺が助ける。沢山助けられてきたしな」
『そうだね……あっ、そうそう、多分これから二度と君とは會えないと思うから今のうちに頼んどくけど、私の書をよろしく頼むね』
「は? それはどういう……」
『それと、ユニークスキル、殆どれ替えといたから。殘っているものもあるから確認しといてね』
「まて、書ってのは……!」
『それじゃ、行っておいで!』
「待て!」
そう言って、神は烈毅を元の世界へと戻した。 烈毅が立っていた場所をじっと見つめ、あまりにも突然すぎた烈毅の帰還に、し戸っていた。
『さて、書ちゃんを取り戻しに行くとしますかね』
そう言い、神はどこかへ瞬間移した。
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