《村人が世界最強だと嫌われるらしい》次はお前の番だ 1

「はっ……!」

目が覚めると、辺りは真っ暗で何も見えず、誰かから見られているじもなければ、そこに人一人居るような気配すら無かった。

「あいつらは何処だ?」

立ち上がろうと腕を地面につくが、上手く力がらなかった。この世界に戻ってきたのは時間にして約一週間程度経った後。神のいた世界ではさらに長い時間居た。一週間丸々眠っていたのなら、そうなっても仕方がない。

「立てねぇ。しょうがない、し慣れるまで待つか」

胡座を組んでその場に座り、自分のユニークスキルを確認しようと、ステータス畫面を開く。殆ど変えたと言っていたから、どんな風に変わったのか気にはなっていたが、ステータス畫面を見た途端その変わりように目が飛び出しそうになる。

人村烈毅 別 男

LvMAX

ジョブ 村人

ステータス 解析不可能

ユニークスキル

"超回復"

"救世主"

"異次元アイテムボックス"

"最弱の希"

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"念話"

"完全魔法耐"

"挑戦者"

"神の刻印"

「あんなにいっぱいあったユニークスキルがこんだけに……それに、どの効果も今までの數倍は強い」

名前は変わっていなくても、その効果が上昇していたり、新しく追加された能力によって、烈毅は完全なる進化を遂げた。

正直なところ、烈毅はこんなにあっさりとしているのか、というのが心だ。それに、今まで助かっていたスキルが無くなったりもしていて、し心配にもなる。

「"不滅"が無くなったのは痛いな……なんせあのユニークスキルのおで死ななくて済んでたからな……」

そうぶつくさとスキルを見ながら獨り言を永遠と喋っていると、一人の気配を察知し、その方向を向く。まだ目が慣れていないのか、數メートル先までしか見えない。

確実に一歩一歩とこちらへ近づいてきているが、それが誰なのかがわからない。そして、烈毅の見える所まで近寄ると、そこで立ちどまり「えっ?」と小さく聲をらす。

「よっ。なんだ、ルノだったのか。ちょっと驚いた」

「えっ? はっ? えっ、いや、なんで起きてるの?」

「なんでか? うーん。復活したから?」

そう言うと、両手に口を抑えて來た方向へ戻って行ってしまったルノを、烈毅は止めようとするがそうはいかなかった。

數分後、気配が一気に倍以上に膨れ上がり、何人もの人が烈毅の方向へ向かって走ってくる。烈毅は、心ホッとしながら待った。

そして、全員が松明を片手に烈毅の顔を確認すると、一斉に全員が烈毅に抱きつき、泣き出した。

「烈毅が生き返っだぁー!」

「よしよし、心配かけたな、ミーシュ」

「ホントよ! ホント心配したんだからね!」

「わかった、わかったから強く抱きつくな、ナーシェ」

「グスっ……また師匠みたいにいなくなられたくない」

「悪かったな、レーナ。ルノも、ホントすまなかった」

數分後、ファイア達もこちらへ向かってきて、烈毅の復活に涙目になりながらも、凄く喜んだ。一同が落ち著くと、なんで烈毅が生き返ったのかを聞かれた。

「まぁ、そうだな。ちょっと辛い試験みたいなのをクリアしたからかな?」

「試験?」

「うん。心から大事な人を殺されても耐える試験」

「へぇー。それは辛いわね……それで、大切な人って誰なの?」

しワクワクした顔で聞いてくるミーシュに、烈毅は優しい笑顔で答える。

だよ」

「えぇ!! 教えなさいよケチ!」

とても賑やかな雰囲気が懐かしくじ、この嬉しさをどうにか表したいが、まだが上手くかなくて立ち上がれない。だから、次の行に出る。

「なぁ、みんな」

「なになに?」

「えーっとだな……大好きだよ」

その一言が引き金となり、その場にいた全員が烈毅に抱きつきこれでもかと言うくらいに「私もよ!」と言われた。

ファイアも、顔を赤くしながら『ふ、ふんだ! 我にそういう趣味はない!』と言いながら帰って行ったが、心はとても喜んでいた。

そして、烈毅の復活祝いが次の日に行われたのだった。

――その頃。

『さて、神の書よ。創造神は何を考えているのか、そろそろ教えてくれないかな?』

『誰が教えるものか! 殺すなら殺せ……私はあの方を裏切ることなどない!』

『はぁ……ゼス、もう殺しちゃった方がいいよ、こいつ。面倒臭いし』

『黙ってろガキが。そんなことしてもあいつはかないことは知っているだろ?』

『はぁ……君は何時もそうだ。ま、別にゼスがそれでいいならいいんだけどさ』

『なら黙っていろ』

『はーい』

その年は、腕を頭の後ろで組みながら消えていった。

『この全知全能の神の言うことが聞けないというのか、貴様は?』

『私が従うのは創造神様であって貴様ではない! さっさと失せろ!』

『チッ……これだからは嫌いなんだ』

全知全能の神、その名はゼウス。創造神が、要注意する一柱の神である。

ゼウスは、舌打ちをして指を鳴らすと、目の前の十字架に縛られた創造神の書に雷が落とされ、そのダメージに大聲をあげて苦しむ。

『つまらん。貴様は殺さん、でなきゃ向こうからこないからな。お前は餌だ』

そう言って、ゼウスもその場から立ち去った。

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