うん……。

普通に考えて、まずほぼ間違いなく、①ではないだろう。

となると、②か③となってくるが……

などと、あれこれ考えているうちにいつの間にか懐中電燈が俺の手から凜の手へとその所在を変えていた。

まぁ、そんなことはどうでもいい……って！

「うわっ！！」

突然、辺り一面が白いに包まれた。

……かのように見えたが、それは間違いで。

目が慣れてきて、

よくよく白いに目を凝らしてみると、

白いの正は、幾多ものる蟲だった……

「これって……」

凜が巖に止まっていたる蟲に指を差し出し、蟲が指に乗るようにう。

凜の指にちょこんと乗ったる蟲を間近に見てみる。

「これ、蛍、じゃないか？？」

「えっ！？蛍！？蛍って窟にいるものなの！？」

「……テレビでニュージーランドやオーストラリアに土蛍という蛍がいると聞いたことがあるが……」

「へー！そーなんだ！じゃあこれってラッキーだね！！

って、あれ、それ･      ･って……もしかして、！」

「いや、そう･    ･決めつけるのはまだ早くないか？」

そう、"もしかして、ここは元の世界なのではないか"ということ。

それは救いのようで殘酷な希だ。

魔力のある世界では、いや魔力のある世界だからこそ、

蛍が窟にいるのは當たり前なのかもしれないし、

それに、この先に窟の出口なんて無くて、

口が出り口の役割を擔ってる可能だってあるんだ。

そう思う一方で、懐中電燈や、窟の土蛍など

わずか事から、ここは元の世界なのではという希も捨てられずにいる。

「え〜、まぁ、そーかもだけど、お兄ちゃんは帰りたくないの？？」

「帰りたいに決まってる！！      けど、」

そうだ。俺はずっと、あの世界に帰りたいんだ。けど、帰りたいと願う一方で……

「けど、何？」

「けど、けどな。正直な怖いんだよ」 

「怖い？何がっ？何が怖いの、お兄ちゃん！」

凜は理解できないって顔だ。

そりゃあそうだよな。帰りたいくせして、怖いだなんてなんなんだって話だ。

「……お前は元の世界に戻って、今まで通りに暮らせると思ってるのか？？」

「？？そんなの當たり前じゃん！！なんでそんなこと聞くの？？」

「……俺は、そうは思ってないからだ。」

「え？」

「仮に、ここはもう元の世界だとしよう。

元の世界だとして、じゃあ俺たちのいるここは一どこだ？？

時が過ぎてなければ、ここはほぼ100％日本ではないだろう。

日本にこんな場所（蛍のいる窟）があると聞いたことがないからな。

しかし逆に時が過ぎたとするならばここが日本の可能もある。

俺達がこの世界からいなくなってから、地殻変等が起きて、こういう場所が出來ても不思議ではないからな。」