《世界一の頭脳を持つ母と世界一力が強い父から生まれた雙子》最終話

「それって、つまりは、今の私達は浦島太郎みたいになってるかもしれないってこと??」

「……當たらずとも遠からずだな。

まぁ、そんなじだ。」

「でも、でもさ、お兄ちゃん。

時間が経ってるかもしれないって、それって……!!」

「あぁ、それはつまり、俺たちの知っている人、風景はなくなってしまってる可能がある。」

「そんなっ……!そんなの、あるわけ、ない!!そんなのいや、だよ……?」

そう言い、凜は窟の先へとふらふらとよろけながら歩き始めた。

「おい、凜!1人で先に行くなっ」

「それで、それでっ?一私たちはどーなるの??」

「それでな、俺達は元の世界へと帰ることが出來たんだよ。」

「えー、なんかつまんなーい。

しかも、私がふらふらとどっか行って、

そのあとどーやって元の世界へと帰れるのー??」

凜が鳥居をくぐり、くるくると回りながら言う。

「つまんなくて悪かったな……

どうせ、俺はつまんないですよー

まぁ、そこんとこはあれだ、凜の想像力がためされるところだな!!」

「あぁぁあっ、ごめん、ごめん、!お兄ちゃん!謝るから拗ねないで!」

「……ははっ、噓だよ、凜。

こんなことで拗ねるわけないだろう??」

「……もう。お兄ちゃんの噓はほんとに聞こえるから困るなぁ。」

「悪い悪い。」

「でもさぁ、さっきのお兄ちゃんの作り話。  。   。だけどさぁ……」

「うん?」

「それだと、ユアン達はどうなっちゃったの??その世界は??」

「……さぁ?所詮ただの作り話さ。

ユアンや、あの世界のことは気にする必要はない。」

「そぉかなぁ?私はすっごい気になるけど……」

「……なんで?」 

「えー?だってさ、多分だけど、

それだと、ユアンはきっとユアンの住んでた世界を救ってしかったんじゃないかなぁ?

でも、自分たちじゃどーにも出來ないから、

助けを求めたってことじゃない?」

「……仮にそうだとしても。

いや……だからなんだと言うんだ?」

「いや別に何って言う訳でもないけどさー

素直に助けを求めればよかったのにねーって

思ったんだよー」

「……それが出來れば人間、苦労しないさ。」

「確かにそーかもねー」

なんだか途端におかしくなってきて、

不思議と笑いが込み上げてきた。

俺と凜の笑い聲が混じり、この日、長い祭りの夜が終わった

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