《ひねくれ魔師が天才魔法使いよりも強い件について》第67話 対決
右頬を掠めた。
カンッ!キンッ!
左手の覚が鈍い。
ヒュンッ!ドンッ!
宙を舞うナイフは容赦なく魔點まてんたいを傷付け、叩き付けられるステッキは無慈悲に木々を薙ぎ倒し、地面を抉る。
ドカッ!パシッ!ドゴッ!バンッ!
中學生の弾戦とは思えない音は戦いの高揚を更にヒートアップさせた。
傷はつくが魔點で作られたなのでは出ない。
痛みは無いがそれでも傷を負ったことのある者なら分かる恐怖は2人の神を蝕み続ける。
それでもなお、戦い続ける2人の顔にはまるで子供が遊びに熱中している様な無邪気さがあった。
承(挑発にのった訳じゃない。満の為でもない。勝てるからとかじゃない。でも、それでも私には戦わないといけない理由がある!)
塡「・・・そんなんじゃダメだ。」
承「・・・」
塡「使って來いよ。お前の『自己的式オリジナルマジック』。」
承「・・・言われなくても!」
その呼応が合図となった。
2人は大きく後ろに跳躍し、魔法陣を出現させる。
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何も起こらない事を不思議に思い、塡はナイフを構えようとする。
すると突然、塡の左腕が吹き飛び灰と化した。
塡(・・・?!・・・肩の可範囲を延長したのか?)
承「『豪火フレイム』!」
塡「・・・!」
左腕が消えたしの揺で承の移に気付かず半徑10mの木々を秒速で焼き盡くす炎が塡に直撃した。
承「やったの?」
だが、
塡「そんなに簡単にはやられねぇよ。」
とケロリとした様子で煙から塡は出て來た。
承「なんで?!・・・直撃したはずなのに。」
塡「もうちょっとお前の手數が多かったら対応出來なかったかもな。でもまぁ、1度見たスキルには基本的には対応出來るぞ。」
承「じゃあ・・・これならどう?」
聲が塡の耳に屆いた頃には承の姿は消え塡の背中にステッキを叩きつける。
筈だったが、
塡「へー『発宣言スタートスペル』無しでも発出來るのか。」
承「噓・・・なんで?」
と先程の言葉通り承の腕を先に摑み『テレポート』に対応した。
塡「その『テレポート』ってスキル、対象の人間の視界外に瞬間的に移する的なスキルだろ?だったら自分の視界外に干渉可能な魔點を蔓延らせていれば現れた瞬間の魔點の歪みの部分に居る事が分かるだろ?」
承「それでもたった一瞬にが追いつくわけ無い。」
塡「でも俺は追い付いた。」
承「化けよ。」
塡「かもな。」
淡々とわす會話の中に先程の熱は無く只々自分が化けと言わんばかりの冷たさが承の神を突き刺す。
承「・・・・・・勝てないのかな・・・。」
塡「それは俺に聞くな。」
ただの言葉が承の神を攻撃し戦意喪失を招く。
塡「ただ、今の俺の力は小1から小3の前半の約3年を普通に過ごして、小3から中1の約4年間を反吐を吐く生活を過ごした。その約7年間が俺をここまで強くした。」
承「・・・」
塡「だからまぁ、今回は俺の勝ちだな。」
承「・・・はいはい、リタイアしますよ。」
塡「俺もそっちの方が助かる。無駄な手間が省けるからな。」
リタイアとは
その名の通り降參する事である。
魔點に直接降參を呼び掛ける事で魔點を捨てて神だけで移などをする。
例えで言えばHPが零になったプレイヤーが観戦者視點になる様なものだ。
つまり、仮のでも傷付けたくない相手などは絶対に勝てない狀態に追いやり、リタイアをめば傷付けることなく勝利出來るというわけだ。
塡も口では手間を省く為と言ったはいるがそれが真実かは定かでは無い。
そして、そこにその場の問題を解決する可能を持った人間が現れる。
満「『風の打エアロ・バースト』!!」
その場の空気なんぞ関係ねぇと言わんばかりの大聲で塡に大木を薙ぎ倒す風を叩きつける。
満「まだ諦めるな!勝機はある!」
承「・・・み・・・つる?」
負け戦と思われた勝負が完全に行方知らずになった。
一直線に負けへと進んでいた線が橫からの衝撃でぐちゃぐちゃになり勝ちと負けの間をさまよっている。
そして承達の戦況がし勝ちに揺らぐ発言が満から弾丸となって放たれた。
満「承・・・引くぞ!」
いつも攻撃しかしない満が、いつも人の作戦を聞くだけの満が、承に、チームメイトに、初めて指示を出した。
大したことじゃ無いかもしれない、それでも承はチームメイトの、彼氏の長がとても嬉しくて、それは承の意志を簡単にかした。
承「・・・『テレボート』!!」
塡「・・・!・・・ほう。」
たった一瞬の出來事、その一瞬の中で承は細かいきを3回も行った。
まず1つ、満の背中に手が當たるように『テレボート』。
2つ、『テレボート』の効果範囲を延長。
3つ、『テレボート』を発し、木にぶつからないように撤退。
言葉で説明すれば簡単に聞こえるかも知れないが、その些細なきはとても塡には真似出來るものじゃなかった。
塡「・・・とりあえず、舞と合流するか。」
これから正真正銘の第2ラウンドが始まる!
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