《強大すぎる死神は靜かに暮らしたい》死神は勇者を拾う
とっても懐かしい
そう、懐かしい
僕がまだ僕だった頃の記憶だ
夢だとわかるくらいに古い記憶
そういえばこんなんだったな
そんな記憶だ
仲間がいた
僕を含めて四人
パーティだったんだっけ?
僕は一生懸命戦う
何か大きなものを守ろうとしていた
気がする
何か大きなものと戦っていた
気がする
やがて戦いに勝利する
とても喜んでた
気がする
ちょっと
夢は曖昧だけど
この夢は曖昧すぎじゃないか?
いや、しょうがない
僕はもう人ではなく
神なのだから
夢なんて贅沢は生者の特権だから
、
、
、
「朝ごはん、ちょっと溫かい」
「今日はいつもより早起きでしたね」
「そっか」
「?、ラト様、元気ないですね」
「変な夢見たからかな」
「ラト様も夢を見るんですね」
「一応、人が混じってるからね」
人が混じってる
いや、神が混じってる方が正しいのかな
人から神になった者を
人神と言う
人とエルフの混じりが
ハーフエルフと言うように
中途半端はどっちからも嫌われるのがオチだ
人神は神の國にも行けないし
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人としても生きれない
ハーフエルフもエルフたちから嫌な目で見られるし
人からは珍しい目で見られる
まぁ人神という言葉は今の人達は使わないけどね
、
、
、
さて、今日は珍しく死神として働く
死神の仕事は簡単だ
神の元へ行けない迷子の魂を導くだけ
死神は都合が良いように造られてる
迷った魂は僕には大変目立つ
そして僕の力と知恵を持ってすれば不可能はない
今の所はね
いつもの黒の外套と骨の仮面、大鎌を持っていく
「じゃあ行ってくるね、遅くても三日で帰ってくるよ、お留守番よろしくメア」
「はい!気を付けて!あとメルです」
、
、
、
迷子の魂は略して迷魂とか読んだりする
迷魂はそう簡単にある訳では無い
よくあるのは特殊は結界や霧の中
あとは神から離れた魔の生き達のとか
結界や霧は面倒臭い、探すのが
魔や魔族は簡単だ、殺すから
だが、今回は前者らしい
探すの面倒臭いなぁ
魂を探す為に造られた目と耳で調べ終わったなら転移魔法を唱える
森だった、霧が深い
見ているだけで面倒臭い
とりあえず魂の音や匂いを見つける
向こうかな?覚で進む
、
、
、
五分歩いた、見つけた
死を背負ったの子がいた
蒼く長いさらさらとした髪に凜とした金の眼
多、衰弱しているが強そうな眼だった
「やぁ、冒険者かな?君のお仲間さんもう死んだから、魂を導きに來たよ」
は骨の顔を見て驚きと恐怖を顔に表す
「……し、死神…」
「うん、死神だよ」
「この…この霧もお前の仕業だな!今度は私も殺して魂を喰らうつもりだろう!私は勇者だ!そう簡単にお前に殺されてたまるか!」
急に大きい聲はびっくりするよね、やめて…
それにしても勇者か、彼が勇者か
勇者
懐かしい響きだなぁ
あれ?なんで懐かしいんだろう?
忘れちゃった
そんな事はどうでもいいや
なんて考えてると
勇者は剣を抜いてこちらに向かってくる
「あ、まって、話せば…」
分かると思うけど…今は無理かな
問題は勇者の攻撃をどうするか
殺しちゃまずい、そんな気がする
から剣を避けて首を摑んだ
「ぐがっ!」
「ねぇ、話せばわかると思うからさ、一回話し…」
気絶してた、しかも下からなんか垂れてきてるし
ちょっと臭い…この勇者どうしよう…
とりあえず魂を送る、神の元へ、何回もやった事だ、すぐ終わる
次はこの勇者、一応の子だしメアに任せたらいいかな
持って帰るか
、
、
、
「メア、勇者って名乗ってるの子拾ったんだけど、らしちゃって臭うからお風呂れてあげて」
「へ?ラ、ラト様!?うん??その気を失っている娘を?を拭くくらいでいいんじゃ…」
「そっか、任せた」
「ラト様もお湯とか沸かしてください、あとメルです」
、
勇者と名乗るが目を覚ましたのは二日後だった
、
「勇者ちゃんおはよう、の調子はどう?」
「ッ!!死神ッ!私はお前を許さない!」
仮面を外してるけど聲でわかったみたいだ
いきなり許さない宣言
「僕、君に何かしたっけ?記憶にないんだけど」
「私の仲間を殺した癖によくもそんな口が!」
「あの霧は霊の霧だよ」
「え?」
霊の霧
それは霊が他を寄せ付けない為の自衛だ
魂も迷うくらいに強力だ
僕が五分で見つけられたのは霊に好かれてるから
霊は空気に存在し
度によっては人の形にもなる
一言で言ったら魔力の塊?源?
そんな霊が作る霧にるなんて自殺行為だ
「私はてっきり…悪魔の霧かと…」
「悪魔の霧はもっとねっとりしてるよ」
「そ、そうなのか…と、というか何故お前は私を殺さない?死神なんだろう?」
「死神は死を與える神じゃない、魂を導く神だよ」
ここから先は長くなるからゆっくり話そうか
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