《強大すぎる死神は靜かに暮らしたい》死神は旅に行く

「そう言えばラトさん、この森って何処の森なの?」

三人で溫かい朝ごはんを食べていると勇者が聞いてきた

「砂の國と神聖國の間辺りの森だよ」

砂の國と言うのは砂漠の中にある國

神聖國と言うのは神を信じる者達がいる國

他にも帝國とか森の國、水の國、魔の國とかもある

まぁ、名前は忘れちゃったけど

「ああ、帰らずの森か」

そんな名前なんだ、ここに住んでたけど初めて知った、忘れてるだけかも

「そろそろ帰るの?」

「うん、皆に心配させちゃうし」

「サフィアさんって神聖國の都に住んでるの?」

メロが目を輝かせて聞いてくる、ずっと森に住んでるから街に憧れているのだろう

「一応、ね、あとは貴族の學校にも行ってるよ、私村出だからね、知識を付けろって」

「貴族の學校…」

そういえばメメは拾った時からずっと森にいたから興味が湧くのかな、都か…結構前に死神ってバレて皆から石投げつけられた記憶しかない…人怖い

「ねえ、ラト様!サフィアさん帰る時、私達も行きませんか?街!」

「街かぁ…メメが行きたいなら行くかぁ」

ぱぁ、と花が咲くように笑う

喜んでくれるならいいよね

草の匂い、森の空気、森で取れたで作るお茶の香り

しばらくの間はお別れだ

転移魔法を使えば日帰りも可能だけどメメに楽しんでしいから旅行と言う形でしばらくそっちに行くことになった

「さてとメメ、忘れは無いかい?」

「どっちかと言うとラト様の方が忘れありそうですけどね、あとメルです」

近くの町に行ってから馬車に揺られて三日程

神聖國の首都に著く、名前は忘れた

神は黒を嫌い、白を好むとされる

首都の建は白の裝飾が施されている

真っ白な家もある

「ラト様!白がいっぱいですよ!」

初めての街に興を抑えられない様だ

予定としては首都を歩いたり、城を見たり、あと學校も勇者ちゃんがれてくれるそう

楽しみだ

お城を見に行った

「すごいおっきいですね!まっしろ!語に出てきそう!」

なんてはしゃいでた

「お城には王様が住んでるんですか?」

メメがそんな疑問を浮かべる

「違うよ、神聖國は神に最も近いとされる教皇が住んでるんだよ、後は聖とか?神にされてる」

も勇者も神の暇つぶしだけどね

「聖かぁ……」

「神にされない方が幸せだと思うよ」

「え?そうなんですか?」

「人生の道が選べないからね、決められた事しか出來ない」

「た、大変なんですね」

大変なんて他人事じゃ済まないくらい不幸だよ

なんてさ

「…リス、僕は君のことが…」

好きだ、好きだった

気がする

「それ以上は言ってはいけません!私は、出來ません、選ぶ自由がありません…、だから選ばせるような事言わないでください!」

けど言えなかったんだ、言っちゃいけなかった

気がする

「ア…ス…、分かったよ、ごめんね、でも、これは言ってもいいと思うんだ、あのね」

でも僕は言いたいことがあった

気がする

「君のその紅い眼は綺麗だ」

すこし恥ずかしい…

気がする

「ふふふ、ありがとう、とっても嬉しいです、でももう眠りにつく時間です、おやすみ、ラ…ト様」

嬉しいと言ってくれた事が嬉しかった

気がする

「ラ…ト様、ラト…!、ラト様!起きてください!」

ああ、僕は神聖國にいるんだった、ここの宿の枕

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