《強大すぎる死神は靜かに暮らしたい》死神は神にされていた?

私はレナ、聖

元々は帝國の下級貴族の娘だった

十歳の時

教會の人は私を聖と言って神聖國に連れていった

パパは止めてくれなかった

「がんばれ」と言ってくれた

今だから分かる

それは私の為じゃなくて自分の為にだ

私はさぞ高値で売れたのでしょう?

満面の笑みで私を送り出してくれるくらいに

だが本當に神は私を選んだらしい

力があった

千切れた腕を繋げる魔法を

神の敵、魔族を灰に変える魔法を

でも

でも

私がしたい事は何一つ出來ない

私がするべき事は沢山あるのに

神にされてるのに

強力な魔法を使えるのに

人々に慕われているのに

ちっとも幸せじゃない

私は神にされてる

勇者もされてる

するわ

可哀想に

私も勇者も、そして死神もね

自分の部屋で考える

死神は一何者なのか

それは私がラトという死神と別れた後に思ったことだ

死神は言った

神に祈れば聖剣は手にると

事実、聖剣は現れた

神に祈っただけで

を証明しろと言っただけで

何年も見つからなかった探しは呆気なく見つかった

聖剣が手にり勇者の力は飛躍した

勇者は喜んでいたが私はそれ以上に死神について興味を持った

神聖國の図書館で文獻を漁った

死神は三百年前に神聖國に攻めてきたらしい

だがこの國は神に守られていた為に死神は太刀打ち出來なかった

らしい、が、違うと思っている

神は守りやしない

ならこの文獻は、この國の歴史は偏りがある

が宛にならないなら勇者に聞いた

どんな格か

どれだけ強いか

神の力はあるか

勇者は答えた

優しくてボケッとしている

勇者が手も足も出ないほどに強い

死者の魂を憑依させられると

死神は神の元に魂を導く存在だと

私は分かった

死神が何故聖剣の手法を知っていたのか

いや、神の気持ちを分かっていたのか

彼は神の近くにいる

彼は神にされてる

それはもう、溺と呼ぶくらいにされている

そう思った、でも確信している

彼は私より不幸なのかもしれない

死神は同類だ

私やサフィと同じだ

いやそれ以下だ

ラトは神にされてる

それは私がラトという死神と別れた後に思ったことだ

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