《強大すぎる死神は靜かに暮らしたい》死神はゲームを始める
「人間との戦は明後日だ。何か異常は?」
僕の質問に魔族の幹部九人が口を揃えて言う。
「異常はございません。今すぐにでも出陣できます」
「ならいい、出陣は明日だ。今日は酒でもでも好きにしろ」
「はっ!」
、
、
さて、話を一ヶ月戻そう。
僕は魔王になった。『純粋』に力づくで。
そして魔族達に幻想を魅せた。僕に付いて行くと人間に勝てるって言う幻想を。
そして僕は神様とゲームをする事にした。何も言って來ないから承認したと捉える。
ゲームの容は戦爭。毎年一回、人と魔を戦わせる。僕が魔で神様が人。そんなゲーム。
これが魔の國に來てから王になる迄の一ヶ月。
作戦會議が終わった後の魔族達はこう言う。
「ラト様は魔族はどうあるべきか分かっている。王に相応しい」
「魔王様は骸骨の仮面を被っていて怖いけど力も知恵もあるお方だ」
「しアリス様の面影がある。それが懐かしい」
そりゃそうさ。魔族の基本的な考えは知っている。魔族の導き方も知っている。
何故か?
僕の三つ目の『箱』が開いているからだよ。
 
「ラト様、お疲れ様です」
僕の部屋に戻るとメリィの労いの言葉が聞こえる。
「ああ、ありがとう。ふぅ、仮面はやっぱ暑苦しいね」
メリィがお茶を淹れてくれる。
お茶を飲み、一息つく。
「あー、何してんだろ。僕は……マリネ、泣かないで……ガリウ、また喧嘩して……ほら、ライト様、頬にスープのが付いてますよ……死なないでアリス……だって僕は、僕は君の事が……」
おっと、獨り言が出てた。ちゃんと口を閉じないと勝手に出てしまう…。
その世界の登場人は大の格が決まっている。
例えばエルフ、彼等は森の國に住み、自然をし、森から出ない。そして他者を見下す傲慢さを持っている。
魔族は自分で気付いてはいないけど原力は嫉妬のだ。この語の悪役は嫉妬でいている。そして純粋だ。人間に敵対心を持っているだけ。強ければ誰でも王になれる。
笑えるよね。アリスみたいにカリスマがあれば喜んで付いてくる。
こんな単純な奴らの基礎戦闘能力が人間より上だなんてさ。面白いよね。神様は。あはは。
この戦爭はただのゲームだ。神様に面白いと思わせればいいだけだ。
明日の出陣に、張して眠れない魔族もいるだろう。だが、それがどうした。この世界の命は平等じゃない。
さあ、戦おう。
さあ、始めよう。
神様の暇つぶしを。
【書籍発売中】砂漠の國の雨降らし姫〜前世で処刑された魔法使いは農家の娘になりました〜【コミカライズ】
アレシアは『眠っている時に雨を降らせる力』を持っている。 両親はそんなアレシアを守るために大変な努力をして娘の力を隠していた。 ある日、アレシアは自分の前世での記憶が甦る。アレシアは昔、水系魔法に秀でた魔法使いアウーラだった。國のために前線で戦い、國王との婚姻も決まっていた。しかし、謀略による冤罪で二十三歳の時に処刑されてしまう。 そんな前世だったからこそ、今世では名譽や地位よりも平凡で穏やかな暮らしを守りたい、誰かの役に立ちたいと願う。 眠ると雨を降らせる女の子アレシアが前世での後悔を踏まえて人に優しく前向きに生きていくお話です。 少女時代から成人までの長期間が描かれます。 ゆったりした展開です。 ◆GAノベル様より2022年5月13日頃発売開。コミカライズも進行中。
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ダーティ・スーとは、あらゆる異世界を股にかける汚れ役専門の転生者である。 彼は、様々な異世界に住まう主に素性の明るくない輩より依頼を受け、 一般的な物語であれば主人公になっているであろう者達の前に立ちはだかる。 政治は土足で蹴飛ばす。 説教は笑顔で聞き流す。 料理は全て食い盡くす。 転生悪役令嬢には悪魔のささやきを。 邪竜には首輪を。 復讐の元勇者には嫌がらせを。 今日も今日とて、ダーティ・スーは戦う。 彼ら“主人公”達の正義を検証する為に。
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