《強大すぎる死神は靜かに暮らしたい》死神は勇者を

「行け」

そう命じると僕の視界にいる魔族たちは人間を殺しに前へ出る。

魔族はもともと數がない。集めて五千だった。

人間は五萬だ。十倍。でも、それでも魔族が勝てるくらいに魔族は強い。

「俺様は九魔の一角! バルドウェル様だ!」

なんてんでる僕の大駒の首が消し飛ぶ。

人間側の大將は勇者だ。そして人間側の大將は戦いに參加するらしい。大將ってのは後ろで構えるのが仕事だろうに。

魔族が人間を殺し、勇者が次々と魔族をなぎ倒す。

凄い、稽だ。

神様はどっちが勝つかハラハラしながら見ているだろうが、僕は心が底冷えする程につまらない。

僕は、何がしたいのだろう。

メロが死ぬまで幸せでいてしいから?

それが僕の幸せ何だろうか。

違うだろ。

この憂鬱さ、虛無。全て消えてなくなってしまえばいい。

「ら、ラトさん。い、いや、魔王……。勝負だ!」

おや、勇者ちゃんじゃないか。もうここまで來たのか。流石だね。

「半年以に二回魔王と戦う事になるなんてね。今代の勇者は大変だね」

「わ、私だって戦いたいわけじゃない!」

知ってるさ、そもそも僕は負けられない存在だもの。戦えもしないさ。

「じゃあ、勇者ちゃんは死ぬことになる。さよなら」

「え…

集中する。それだけで世界は止まる。止まるってより僕の能力が高いから止まってるように見えるだけだけど。

勇者ちゃんの方を見ると、いなかった。

「あれ? どこいった?」

僕は後ろから首を斬られる。が、僕に刃は通らない。

「すごいね。僕は《集中》って言ってるけどここは死神の世界だ。ける人なんて僕しかいないと思って……」

あ、もうけないのか。

さよなら、勇者ちゃん

ふっ、と世界はき出す。勇者がいない、と人間は困し、魔族は追い打つ。

この戦爭は魔族が勝ち、人間は負けた。

勇者が死に魔王が生きた。

さてと、帰ろうか。メロが待ってる。

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