《これが純粋種である人間の力………ってこんなの僕のぞんでないよぉ(泣》年と晝休憩②ー③

「あにさま、あーんです」

「にいさま、あーんです」

うどんを食べ終えて一息つくと、二人が僕に向けてスプーンを差し出してきた。

「えーっと……今食べ終わったばかりなんだけど?」

おなかには余裕があるが、腹八分目が基本なのでこれで終わるつもりなのだが……。

「あにさま、あにさまの大好のオムライスですよ? あーんしてください」

「にいさま、にいさまがお好きなカレーライスです。あーんしてください」

二人はどうしても僕に食べさせたいようだ。

「僕はもうおなかいっぱいなんだけど……?」

「いいえ、あにさま? その量ではあにさまは満足していないはずです」

「いいえ、にいさま? にいさまが満腹まで食べないと、ミナは知っています」

確かにその通りなんだけど……。

「本當ですか? ランネット様?」

「おなかいっぱい食べないなんてもったいないよ!」

「男の子……らしくない?」

「ミレイヌも、おなかいっぱい食べますのよ?」

僕が困っていると、四人が反応した。

「たしかに、腹八分目くらいで抑えているのはあたりなんだけどね?」

僕は苦笑する。

「「ではやはりあーんを!」」

そんな僕に、二人がぐいぐい押してくる。

「うーん……。なんで二人とも、今になってあーんなんだい? 僕がうどんを食べていたから……ってのは通用しないよ? 僕がそんなことで怒らないのは知っているでしょ?」

「「そ、それは……」」

僕がそう聞くと、二人がしシュンとなる。

何か後ろめたいことがあるのかな? …………うーん、もしかして……そういうことかな?

二人のプレートには、料理がしとデザートがのっている。

この狀況から考えられるのは……。

「二人とも、デザートまで食べきれないんだね?」

「「っ!?」」

僕の言葉に、二人が更にシュンとなる。

「どういうことだい?」

「食べきれないの?」

「おなか……いっぱい?」

「もったいないのですよ?」

四人がそれぞれ反応を示す。

「そうなんだね?」

「「………………はい」」

僕が再度問うと、二人が認めた。

「…………はぁ、まったく。だったら最初からそう言えばいいんだよ? 「デザートを食べたいので殘りを食べてください」ってさ?」

「あにさま……」

「にいさま……」

二人は、うるうるした目で僕を見る。

「僕が殘すのが嫌いなのは知っての通りだけどさ? それ以上に噓や隠しごとをするのが嫌いなのは知っているはずだよ? なんで素直に言わなかったんだい?」

昔から一緒に過ごしてきた二人は、その両方を知っていたはずだ。

「ごめんなさいです、あにさま……」

「ごめんなさいです、にいさま……」

「うん。許すよ。もともとそんなに怒ってないし……ね? ほら、そうと決まればあーんしてくれるんだろう?」

僕は、二人に笑いかける。

「はい、あにさま。あーん……です」

「はい、にいさま。あーん……です」

二人は安心したように僕にスプーンを差し出してくる。

「あぁ、いただくよ」

そんな二人のスプーンを、僕が片方ずつ口にする。

「…………うん、おいしいよ」

僕は二人の頭をなでる。

「あにさま……」

「にいさま……」

二人は目を閉じてうれしそうにした。」

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