《【銃】の暗殺者》始まり
「あー、酷い。あんな適當な説明で放り出されるとは」
俺は放り出された森の中でボヤいた。周囲にある木以外のものは隼人の背後にある馬鹿でかい巖だけだ。巖は高さが俺の長の3倍はあろうかというくらいでかい。
「とりあえずこれを読むしかないのか。分厚すぎだろう」
唯一の報収集手段である本、、、鈍に使えそうなほど分厚い本を開いた。その本にはこの世界のことについていろいろ書かれているようで俺はとりあえずその本で報収集することにした。
〜〜生〜〜
知的生命の中で最も多いのが人間、次いで獣人、エルフ、ドワーフ、竜人、妖、魔族などが存在する。昔は敵対していたが今では殆どない。極一部は自の種族が最も優れていると考えているものもいる。
更に意思疎通の不可能な生きとして魔が存在する。に魔石と言われるものがあり、魔法を使うことができる。本能的に人間を襲う。
〜〜魔法〜〜
この世界には存在する生きとし生けるもの全てが魔力を保有する。保有する魔力には個差があり、保有魔力量は種族も大きく関係している。
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に保有する魔力を消費して行使するのが魔法である。魔法は魔力を作し、詠唱を行うことで発言する。使える魔法には個人差がある。
〜〜ステータス〜〜
知的生命にはステータスが存在する。"ステータスオープン"と唱えることによって可視化され、強さや能力を図る上で最も重要。
また、ステータスにはレベルが存在し、一定値までレベルが上がれば上位種族へ進化することができる。
ステータスの例
名前:
種族:ヒューマン
職業:商人
レベル:50
HP:250/250
MP:300/300
技能:ーー、ーー、ーー
「へぇ、オーソドックスな異世界ファンタジーってじの世界だけど魔族とも友好的なのか。既に自立した世界とか言ってたから魔王が生まれて勇者が倒してとかは一通り終わったのかな?とりあえずステータスを見てみるか"ステータスオープン"」
名前:
種族:ヒューマン
職業:ーー
レベル:1
HP:10/10
MP:10/10
技能:【銃召喚】
「弱っ!」
あまりの弱さに愕然とする。まさかレベル1スタートだとは思わなかった。好きな能力をやったんだから他は優遇しねえってか。
「っていうか名前がねえな。前の名前は捨てて新しい名前を考えるか」
もしテンプレ通りなら日本人の名前は目立つだろう。英語圏風に変えたほうがいいな。
「よし、決めた。ジョン・スミスだ」
ジョンもスミスもありふれた名前で日本でいう山田太郎的なものだ。するとステータスの名前の欄にジョン・スミスと表示された。
「おお!これで登録されたのか?あとは職業、、、は後回しでいいや。そんなことより!早く銃を召喚したい!!!」
俺は本の能力の使い方について書いているページを探す。
「お、あった!」
〜〜特異【銃召喚】〜〜
【銃召喚】とは固有の能力であり世界で持っているのは1人だけである。もともとこの世界には銃が存在しないためだ。
使い方:まずは魔法を使用する際と同様ににある魔力をじる。臍からのように全に駆け巡っていると考えれば把握しやすい。
魔力をじることができたらそれが手に集まるようにイメージする。手に魔力が集まってくる覚があったら、召喚したい銃、もしくは弾丸を細部まで詳しくイメージする。
イメージができたら詠唱を行う。
"我求むるは鋼、形をして敵を貫く、顕現せよ"
「よくわからんがとりあえずやってみるか」
俺は早速の魔力を探る。臍の部分から全に流れているとイメージすると意外と簡単にわかった。なんとなく熱を持った何かが流れているのがわかる。
続いてそれを手に集中するようにイメージするのだが、、、これが意外と難しい。イメージ自は簡単だけどどうなれば手に魔力が集まっているのかが分からないからどうしようもない。
「ん〜?手が溫かくなってきたけどこれでいいのか?」
を流れていた熱が手に集まった気がしたので次に移る。次は簡単だ。銃の構造をイメージする。実はったことはないが俺はガンマニアを自負している。銃の造りを細部まで思い出すなど造作もない。
「後は詠唱だけど、、、廚二臭いな。まぁ、しょうがないか。んんっ、"我求むるは鋼、形をして敵を貫く、顕現せよ"」
すると手に集まっていた熱が一気に抜ける覚があって俺の手には銃があった。
「うぉぉぉおおおおお!!!!」
俺はあまりの嬉しさに雄びをあげる。夢にまで見た銃が俺の手にあると思うと興する。
召喚した銃はベレッタ モデル92、アメリカを筆頭に軍で多く使われている銃で裝弾數は15発。拳銃の中では一番好きな銃で最強の拳銃と言われている。
「早速撃とう!」
俺は獲を探す。どうせなら適當に打つんじゃなく魔を撃ちたい。俺は闇雲に森を歩いた。
しばらく森の中を歩いていると狼を見つけた。アレも普通の狼に見えるけど何かしらの魔なんだろう。気づかれないうちにと思って銃を構える。
そして
バンッ!
「うおっ!」
知識として知っていただけで実際に打つのは初めてなので反に驚いた。狙いも外れて狼より50センチ右に著弾した。しかも今の音で狼に気づかれて狼は猛然と襲いかかってくる。
俺は慌てて銃を連する。いている相手に當たるわけもなく悠々と近づかれて、後30センチというところでやっと當たった。
怯んだ狼に至近距離から弾倉が空になるまで弾丸を撃ち込んだ。
「はぁはぁはぁはぁはぁっ」
やばい。メッチャ怖かった。銃を手にれたことで調子に乗ってた。喧嘩も殆どしたことないのなのに野生で殺し合いなんて無理に決まってる。
「"ステータスオープン"」
俺はとりあえず現狀の確認を行うことにした。
名前:ジョン・スミス
種族:ヒューマン
職業:ーー
レベル:3
HP:20/20
MP:30/30
技能:【銃召喚】
「おお!レベルが上がってる!」
レベルが上がってHPとMPが上がっていた。本によるとHPは生命力、MPは魔力を表している。
「とりあえずもう一度銃を召か『グルルルッ』ッッッ!」
獣の唸り聲で俺はハッと振り向こうとするが
「ガハッ!!!」
背中に強い衝撃が走り、俺は吹き飛んだ。
ゴロゴロと転がり、木にぶつかって止まる。背中に激痛が走り、地面が真っ赤に染まる。それが俺自のだと気がつくのに數秒かかった。
自分のだとわかった瞬間、バッと顔を上げるとそこには真紅のを持つ3メートル程の熊がいた。俺は背中の激痛に堪えながら飛び起きて全速力で逃げ出した。
「ヤバイヤバイヤバイ!調子に乗りすぎた!浮かれすぎた!森なんだから獣がいるのは當たり前だろう!それなのに大聲あげて、でかい音出すなんて馬鹿すぎる!」
俺は自分の迂闊さを猛烈に後悔しながら熊から逃げる。道なんかわからないからただひたすら熊から逃げるために森を進んだ。
この時の俺は進んでいる方向が人里とは逆、森の奧に向かっているとは思いもしなかった。
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