《【銃】の暗殺者》恐怖

我武者羅に逃げた俺はが流れすぎていてフラフラになっていた。熊は途中にあった川を越えたところで追ってこなくなった。もしかしたら縄張りのようなものがあるのかもしれない。

熊が追ってこなくなってホッとした俺は倒れそうになったがなんとかに鞭打ってを隠せそうな草むらに潛り込む。

「(ステータスオープン)」

聲を潛めてステータスを表示する。

HP9/20

HP8/20

HP7/20

HPがドンドンと減っていっている。俺は自分の命がこぼれ落ちていっているのを息を呑む。

「はっはっはっはっ!」

に見つからないように息を潛めなければならないのだが死が間近に迫っているのをじて呼吸が荒くなる。心臓の音が大きく聞こえて背中からが流れているのをはっきりとじる。

自分の死が確実に近づいているのをじていた俺はその恐怖に耐えきれず気を失った。

「はっ!」

俺は目を覚まして辺りを見渡す。周囲に何もいないのを確認してホッと息を吐く。それから自分が死にかけていたのを思い出し、慌ててステータスを開く。

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HP3/20

「ギリギリ生きてる、、、」

俺はなんとか殘っているHPを見ての力が抜けた。本當にギリギリだった。だけどいつまでもこうしてはいられない。いつ無くしたのかは覚えていないけどこの世界について書いてある本も何処かに落としてしまったし、人里のある方向もわからない。つまりどれくらいかはわからないけどこの森でしばらく生き殘らなくてはいけないということだ。

まず大事なのは食料確保と自分に何ができるのかを把握すること。それから早急にサバイバル技につけなければならない。

水については逃げ回っている時に見つけた川があるけどあそこは魔の水場にもなっているだろう。気をつけて行かないといけない。確か人間は水と睡眠を確保してれば食料なしでも2、3週間は生きていける。この世界の生態を知らないから何に毒があるのかわからないから慎重に選ばなくてはいけない。

それからHPとMPについても調べなくてはいけない。ゲームなら寢れば回復していたけど今は回復している様子はない。ゆっくり力を戻さないといけないのだろう。

それから重要なのがMPだ。俺が持っている唯一と言っていい力である【銃召喚】はMPに依存する。どういう法則かは調べないといけない。

とりあえずを守る手段が必要だから銃を召喚する。今度はサイレンサー付きでベレッタを召喚した。

MPの消費は

MP22/30

となっていた。中途半端なのはサイレンサーと弾丸の分の消費だろう。レベルを上げてMPの総量を増やしたら、それぞれの消費量も調べよう。

俺は背中の激痛に耐えながらゆっくりと立ち上がり、川を目指す。

幸い、川までは魔と出會わずにたどり著くことができた。そこで俺は迷った。川には開けている場所と直ぐそばまで木のある場所がある。開けた場所は魔が近づいてきた時に見つけやすい反面、自分も見つかりやすい。対して木が近い方はを隠しながら水を飲める反面周囲を見渡しづらい。

迷った結果、木が近い方にした。この怪我では全速力で逃げるなんてできないだろうと思ったからだ。

「うわっ」

水を飲んだ後、水面に背中を寫してみると右肩から左わき腹にかけて熊に爪でやられていた。かなりも持って行かれているので治療したいけど道もないし、自分じゃできないので軽く水で洗うだけにしておいた。

しばらく休んだ俺は寢床と獲を探しに警戒しながら森の中を歩く。熊は無理でも狼くらいなら殺せるだろう。怪我をしているのに戦闘は危険だがそれでも早急にレベルを上げないとまずい。圧倒的に力が足りていない。

俺は弾の無駄を承知で何発か木に向かって撃って狙ったところに當たるように練習をする。もし戦闘になれば俺に勝ち目はないだろう。だけど俺の武である銃は遠距離武だ。戦闘になる前に殺してしまえばいい。

戦闘になる前に殺す。

近づかれる前に殺す。

見つかる前に殺す。

そう意識しながら進んでいると以前と同じような狼を見かけた。以前よりもが一回り大きいみたいだけど問題ない。背後に回って狙いを定める。頭を撃ち抜ければいいんだけど流石にまだそれ程うまく狙えないからとりあえずを狙う。當たればしはきが鈍るだろう。

バンッ!

狼のにあたり、こちらに気づかれた。襲いかかって來ようとするがもともと1発で仕留める気は無かったので続けて撃つ。そして4発目が頭にあたり、狼を殺せた。

レベル:6

HP7/30

MP60/60

狼を倒したことによりレベルが上がった。

それから今ので分かったのだが殺すのにHPはそれ程影響をけないのかもしれない。狼に當たった最初の3発はそれ程ダメージを與えられたようには見えなかった。だけど4発目で死んだ。アレは4発の合計ダメージで死んだんじゃなくて4発目が脳天を撃ち抜いたから死んだんだと思う。

つまりどれだけHPがあっても頭を撃ち抜けば死ぬし、首を飛ばされても死ぬ。HPが影響するのは今の俺のようなが流れ続けている狀態や、毒を食らった狀態の時だと思う。

つまり銃を持つ俺はレベルが低くても勝ち目があるってことだ。

弾丸を補給した俺は次の獲を探して、森の中を歩く。もちろん周囲を警戒しながらだ。

「アレは」

次に見つけたのは漆黒の豬?だった。だが大きさが尋常ではない。長3メートルはある。見た瞬間に勝てないとわかった。俺は咄嗟に木のに隠れて、そっとしゃがんで草むらに隠れてその場を離れる。

「ふぅ〜〜」

無事に見つかることなく離れることができた俺は息を吐いてどっと座り込む。アレは狼とは別格だ。あの時の熊みたいな化けだろう。もしかしてそれぞれの縄張りに主とかがいるのか?

「ふっ、うぐっ」

なんかが熱いしフラフラする。怪我のせいで熱が出てきたみたいだ。治療なんかできないし、だからといってゆっくり寢てれば確実に殺される。

しょうがない、賭けに出るか。

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