《【銃】の暗殺者》三姫

この王都にはそれぞれの區に主がいる。

東區は貴族街であるため當然國王、北區の市場では商人ギルドのギルドマスター、南區の職人街は親方衆で結されている職人連合、中央區はいくつかのギルドがあるためそのギルドマスターで集まりであるマスター會議。

そして西區の歓楽街に君臨するのは三姫と呼ばれる3人の娼婦・・だ。

その3人はその貌故に國外問わず人気があり、時には他國の重鎮がその3人に相手をしてもらうためにこの王都に訪れるという。

それ故にこの王都にはまことしやかに流れる噂がある。それは

"この國のトップにいるのは國王でも宰相でもなく三姫である"と

この世界は個人の力に勢が左右されることが多々ある。だから娼婦が國の実権を握ってるなんてこともありえる。

だから俺は面倒ごとに関わらないようにとギルドに用がある時以外は西區には近づかなかったのだ。

なのにまさかのお呼び出しである。おそらくここ數ヶ月で金を稼ぐために依頼をけまくっていたので目立ったのだろう。ないとは思うがもしかしたらこの前殺した3人の全甲冑が三姫の手駒だったのかもしれない。

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まぁ、なんにせよ面倒ごとには変わりない。

後日、俺とシェリーはルシアに連れられてある娼館を訪れていた。

『華の園』

三姫がいる娼館である。この王都で一番の娼館といえば全員がここの名前を言うだろう。その下はれ替わり立ち替わりあるがトップだけは三姫が來てからは変わったことがない。

俺は面倒ごとの予しかしないからギルドに來る以外は西區に近寄らないようにしていたのだがまさかお呼出が來るとは、、、大方、俺がこの數ヶ月で依頼をこなしすぎて目立ったのだろう。ハァ、しくじったなぁ。

「ここだ。さぁるぞ」

『華の園』の最上階の奧の奧、巨大な扉の前に連れてこられた俺はそう言われて心の準備もなしに扉を開けられる。そうして中の景を見た俺は思わず零してしまった。

「『傾國』に『天災』に『國喰』?それに『叡智』も揃えるとか、、、世界征服でも始める気かよ」

「やぁやぁ、面白い子やねぇ」

「カカカッ!面白いじゃ」

「ふふん、なかなかカッコいい子じゃないか」

中にいたのは三姫は狐人族、吸鬼、サキュバスだ。三姫自は有名でも本人はあまり表に出てこないし、會うことが難しいので見た目を知っている人はない。絶世のということだけが広まっているのだ。

ルシアと同じように三姫もそれぞれ異名がついた奴らと同じ見た目だった。

『傾國』

九尾の狐人族だ。狐人族は尾の多さが力の大きさを表しており9本が最大だ。

遙か昔、九尾の狐人族のがいたそうだ。そのはそれはもうたいそうなで各國の王がそのし、戦爭が起きた。その戦爭で2つの國がなくなった。さらに戦爭の結果、そのを手にれた國の王もそのに惚れ込み、そののワガママを聞くために國庫を使い果たし、國を傾けたそうだ。その國は滅んだがそのはまた別の國の王の妾となり、また國を傾けた。

それ故に傾國と呼ばれることとなった。

『天災』

の髪と真紅の瞳を持つ吸鬼。しかも完全な太の下を歩く人デイウォーカーだ。吸鬼は太に弱く最弱だと太を浴びるの硫酸をかけられたみたいに溶ける。強くなればなるほど太の影響をけなくなるのだ。

昔、1人の吸鬼がいた。吸鬼は人のを主食とするという質上人間に嫌われていた。吸鬼が1出れば軍が員されるほどだった。その吸鬼は強すぎた。軍を壊滅させ、食のままに吸し、いくつもの國を滅ぼした。人の手に余る暴力に恐怖を込めて天災と呼ばれた。

『國喰』

魔族のうちの1種族、サキュバス。人のを食らう種族だ。サキュバスは立派な角、より紫に近い瞳、より漆黒に近い尾を持っているものほど強い種族だ。

昔、羊のような捻れた立派な角を持ち、き通る紫の瞳を持ち、漆黒の尾を持ったサキュバスがいた。そのサキュバスは目についた端から男という男のを搾り盡くし、喰らい盡くした。そのせいでそのサキュバスの通った國の子供が激減し、人口が減りすぎて國が滅ぶということが多々あった。を喰らい國を滅ぼしたその姿から國喰と呼ばれた。

あー、長々と読んだ本を思い出して現実逃避していたけどなんなんだこいつら。マジで世界征服でも始めんのかって面子だぞ。

それに、1、2、3、、、、7人か。この部屋を見張ってる、というより三姫を護衛しているであろう視線が7人いる。天井の裏だったり床下だったり、隣の部屋だったり。そこそこ腕のいいのが集まってるじだ。まぁ、でもコイツらほどじゃないな。

俺は隠れている奴らから目の前にいるやつらに意識を移す。この三姫はルシアと同じくらいやばい。俺の本能がメチャクチャアラート鳴らしてるわ。

「そう怯えんでもえぇ、取って食ったりはせんよ。あ、ウチはカエデ言うねん。よろしゅうな」

狐人族のが話しかけてくる。因みにスタイルはボンキュボンだ。エロスの塊みたいなだ。見た目も雰囲気も花魁みたいなのに口調が関西人なのは違和がすごいな。

「カカッ!妾はメフェルーシである!メフィで構わんぞ!」

鬼は型。娼婦の頂點である三姫にっているということはこの世界にも業が深い人ロリコンが大量にいるらしい。リアルロリババァか、なんか偉そうだな。

「ボクはカティだ。よろしく、年」

サキュバスとは思えないしっかりとした挨拶をしたは特別デカくないが、、、なんというか、こう、綺麗な人だな。全てのバランスがうまく組み合わさった黃金比?なじだ。男裝のサキュバスとか想像と違うんだけど、、、寶塚みたいだ。

「ああ、よろしく。知ってると思うが俺はジョン・スミス。こっちは娘のシェリーだ」

そう名乗った瞬間、あちこちで殺気がれた。多分、タメ口で話したから切れたんだろう。護衛してるのは三姫の信者か。っていうかこいつら気配隠す気あんのか?

「知っとるでえ、そっちのシェリーちゃんは元は宰相んとこの暗殺部隊の子やろ009やったっけ?」

「そうじゃのう。そっちの小娘の報はすぐに集まったんじゃがのう」

「そうなんだよね。この國で一番報が集まるのはボク達なんだよ。みんな口が軽くなるのはベットの上だからね。その娼婦達の頂點に立つボク達はどんな報でも得られる、、、筈だったんだけど、ね」

三姫が好奇心が全面に出たギラギラした目で俺を見てくる。どうにも獲を見る目をしてやがる。

「ウチらに集められへん報なんぞなかったんや。今までは、な」

「じゃが、お主はなんじゃ?アイシスまでは辿れた。じゃがそこから以前がサッパリじゃ。魔の森の方角から現れたとしかわからん」

「まるで突然現れたか、、、生まれてからずっと魔の森で生きて來たみたいじゃないかな?」

通常、魔の森で3日以上過ごすのは不可能だと言われている。そこから現れた俺はまるで生まれてからこの年まで魔の森で育ったように見えるんだろう。まぁ、異世界から來たなんて言うつもりはないけど。

「知らんね。報網にがあったんじゃないか?過去を探るなんて野暮なことをするなよ、三姫ともあろうお方がよ」

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